無許可でお客様の写真をSNSにUPするホステスの取り扱い

無許可でお客様の写真をSNSにUPするホステスの取り扱い
ホステスの心得

こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^

新米ママです。お客様やお店の女性に許可なく写真をインスタにあげる子がいて頭を抱えています。

実際に載せられたお客様ではありませんが「プライバシーも何もないな」と複数のご指摘をいただきました。

本人に尋ねると「お客様が載せてくれと言った」とのことですが、少なくとも私やお店の女性は掲載許可を出していないので、あまり信憑性がありません。

玲那さんがママだったら、どのように対処されますか?

ご質問ありがとうございます。ここ5~6年、一気にこういう相談が増えましたね。

SNSを使っているホステスさんも、使っていないホステスさんも、一緒に考えていただければと思います。

許可なく写真をSNSにUPするようなホステスはクビです

結論から言うと、私なら切ります。なぜたった1回で切るかというと・・・。

個人情報の取り扱いに対する概念がなくネットリテラシーもなく仕事として&人として信用に値しないから。

▼ ネットリテラシーとは

ネットリテラシー (インターネットリテラシー)とは、インターネットの情報を正しく理解し、それを適切に判断・運用できる能力のこと。

これに尽きます。少なくとも私のお客様や私のもとで働く女性たちと交流させる気にはなれません。

SNS自体を禁じているお店もあるくらい、ネットの使い方は慎重な部分です。

さすがにSNS自体を禁じることはしませんが、その代わりに辞めていただきます。

勝手に写真をSNSにあげるホステスが分かっていないこと

なぜ辞めさせるかというと、勝手に写真をUPするようなホステスは、

  • 個人情報とは何か
  • 個人情報保護法
  • 肖像権&プライバシー

この3つをまったく分かってないからです。

写真は個人情報になるか?

個人情報とは、

  • 名前
  • メールアドレス
  • 電話番号
  • 会社名や部署名
  • 生年月日
  • 住所

など『どこの誰か』が分かるような情報のことですね。問題は『写真も個人情報に入るのか?』という点ですが、個人情報に入ります。

消費者庁のパンフレットには、以下のようなことが書かれてあります。

  • 何のために使うのか?を決める
  • それを伝えて許可を取る必要がある

要は「SNSに上げてもいいですか?」とたずねて許可を取らないといけない、ということです。写真に写り込んでいる人、全員に、です。

もしくは、個人が特定されないように加工しなければなりません。

仮に許可をもらって加工しても、本人が削除を求めた場合は速やかに削除する必要があります。

ただし、ネットという性質上、場合によっては半永久的に画像が残る可能性も高いですよね。

誰かが写真だけをコピーしてあなたの知らないところで拡散するかもしれません。

ネット上には『ウェブ魚拓』というサービスがあり、そこに保存されると写真を削除してもその写真は永久的に保存されます。つまり、完全削除はむずかしい。

でも、ネットリテラシーが低いと自分自身が本当に痛い目に遭わない限り、わからないようです。

事実、個人の情報を拡散して裁判沙汰、というニュースも多いですよね。

個人事業主に課せられる個人情報保護法

個人事業主は、洩れなく個人情報保護法対象です。自覚があろうとなかろうと、刑罰対象。個人情報保護委員会の資料には、

  1. 個人情報保護法の義務に違反し
  2. 個人情報保護委員会の改善命令にも違反した場合
  3. 6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金

とあります。「そんな法律知らなかった」と言っても刑罰は免れません。

刑事事件ならこの程度で済みますが、民事で訴えられたら巨額の賠償金を請求される可能性もある重大な事態です。

漏えいによる実被害がなくても、漏えい事実さえ証明できれば損害賠償民事訴訟のリスクが発生します。

お客様が「ホステス個人からお金を取れない」と思えば、お店が訴えられる可能性もあるわけです。

最大のデメリットは、『お客様からの信用を失う』ということですよね。正直、お金で済めばいいほうだと思います。

でも、勝手に写真をSNSにUPするような人は個人事業主という認識も甘いので自分の行動の重さに自覚がありません。

肖像権やプライバシーの侵害

仮にカンタンに個人を特定できないとしても、写真に写った人には『肖像権』と『プライバシー権』があります。

▼ 肖像権とは

自分の容姿を正当な理由なく撮影、使用、公開されない権利。

▼ プライバシー権(写真使用の場合)とは

自分の容姿を正当な理由なく撮影、使用、公開されることによって精神的苦痛を味わうことなく日々を送る権利。

肖像権の侵害となるのは、

  1. 個人を撮影し、不特定多数の目に触れる状態で公表した場合
  2. 個人を無断で撮影し、インターネット上で公開した場合

などがあげられます。

無断で撮影したものを許可なくネット上にあげる行為は当然、侵害行為。許可を取って撮影しても、許可なくネット上にあげれば侵害行為。

肖像権やプライバシー権についての刑罰はありませんが、民事訴訟となれば慰謝料や損害賠償を請求されるかもしれません。

これもまたお金で済めばいいほうだと私は思います。失墜した信頼は回復できません。

注意しても聞かないのは、そもそも自他共に『プライバシーに関心がない』からです。

そういうホステスにいくらプライバシーの重要性を説いたところで右から左に流れていくだけだと思います。

ガイドラインが必要

勝手に写真をSNSにUPしたいならガイドラインを設けるしかなくなります。たとえば、

  • 撮影した顔写真(勝手に撮ったものも含めて)やLINEスクショなどはSNSにUPします
  • 当店をご利用いただいた時点でガイドラインに承諾したものと見なします

といった文面を、お店の入口かどこかで誰でも目に入るように明示しておくとか、入店時に毎回口頭で説明するとか。

でも現実的ではないですね。快諾するお客様はわずかでしょうから、お店の経営が成り立たなくなります。

勝手にSNSに写真をあげるホステスは、自分のせいでどれだけ迷惑がかかるかなんて、気にしてもいない。

だったら、無許可でSNSに写真をUPするようなホステスは辞めてもらったほうがいい、となります。

ホステスが他のホステスの顔をSNSでさらすというリスク

次に、他のホステスの写真を勝手にUPするという件について。お客様も同様ですが、最悪なのは他人の人生が変わることです。

素性を隠して働いている人もいる

水商売では、複雑な事情を抱えながら働いている人が大勢います。中には、自分の所在を隠している人もいる。

親から逃げてホステスになった私も、所在を隠していた人間のひとりです。

こういう事情を持った側からすると、「顔を隠せばいいでしょ」という問題ではないのですよ。

「知られる恐怖」を常に抱いているので、1mmも写りたくないのです。

ましてや、それがネット上で拡散されるかと思うと、恐怖以外のなにものでもありません。

私の例でいえば、もしその写真が親族の目に触れた場合、探し出される可能性があります。

お金の無心があるかもしれないし、また暴力を振るわれるかもしれないし、少なくともその地域では働けなくなる。

そうなったとき、そのホステスは責任を取れるのかな、と思いますね(取れないでしょうけど)。

シンプルに不快

また、所在を隠す必要がなかったとしても、現在の私のように「写真を撮られることがとにかく嫌い」という人もいます。

写真写りなんてどうでもいいんです。

ましてや、無断で撮影されると、縁を切りたくなるくらい腹が立ちます。許可なく勝手にSNSにあげられるなんてシンプルに不快です。

無許可でSNSに写真をUPするような子が、お客様や他のホステスから支持を得られるとは思えないのですよね。

なので、やっぱりクビにしたほうが早いな、と思います。

まとめ

  • 許可なく写真をSNSにUPするホステスは切る
  • 仕事としても人としても信頼に値しないため
  • お客様や他の女性たちを守るため

ホステスは本当に『個人情報』という概念に著しく疎い子が多いです。今からでも遅くはないので、しっかり勉強しましょう。

ネットリテラシーについては、ネットリテラシー検定機構が模擬試験問題を開示しているので、一度チェックしてみてくださいね。

 

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ホステス専門アドバイザー秋好玲那(管理人)

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ホステス歴15年、年商1億の元No.1ホステス。ママ、オーナーママを経て、コンサル歴14年目に突入。家庭には恵まれませんでしたが、社会に出てたくさんの人に恵...

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