お世辞の意味と類語、例文や会話での使い方と注意点
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
ホステスは、お世辞を言うことも、お世辞を言われることも多くあります。
「お世辞なんて一度も言ったことはない!」というホステスさんのほうが、圧倒的に少ないでしょう。
どちらかといえば、無意識レベルでお世辞を言い、そんなつもりで言ったわけではないと感じることが多いかもしれません。
それほどホステスにとって『お世辞』は近い存在の言葉ですが、本質を理解している人は少ないものです。
きちんと知識を深めて理解していれば、会話の幅も広がりますよ。
この記事の目次
『お世辞』とは
なんとなく『お世辞』という言葉を使っているホステスさんは、まず基本的なことをしっかり押さえておきましょう。
『お世辞』の読み方と意味
お世辞(御世辞)とは「おせじ」と読みます。これは世辞という言葉に丁寧語の『お』をつけた、美化語です。
世辞だけを使う人はほとんど見かけなくなってきた昨今、美化語の『お世辞』が一般化してきましたね。
世辞(お世辞・御世辞)という言葉には、以下の意味があります。
相手に取り入ろうとして言う、心にもない言葉。
相手の機嫌をとろうとしていう、口先だけのほめ言葉。お追従。
『お世辞』の使い方・例文・句など
- お世辞がある
- お世辞が言えない
- お世辞がうまい
- お世辞が過ぎる
- お世辞じゃない
- お世辞だけの
- お世辞だとしても
- お世辞たらたら
- お世辞でしょ
- お世辞でも嬉しい
- お世辞にも程がある
- お世辞にも良い出来とは言えない
- お世辞抜きで
- お世辞を言う
- お世辞笑い
- 白々しいお世辞
- 空々しいお世辞
- そんなお世辞を言っても何も出ないよ
- 見え透いたお世辞
- 世辞で丸めて浮気で捏ねる
『お世辞』の類語・関連語
『お世辞』は、意味を抑えていれば、
以下の言葉にも置き換えられます。
過度の、または偽りの賞賛
- 歯剥・歯剥き・歯向き・歯向
- 外交辞令
- 空世辞・空せじ・から世辞
- 上手
- 軽薄口
- リップサービス
引き立てを得ることを目的としたおべっか
- 甘口
人から評価を得るために機嫌を取ろうとすること
- ゴマすり
- おべっか
- 媚び・媚・こび
- 媚びへつらい
- ご機嫌取り
- 諂い・へつらい
- リップサービス
『お世辞』の対義語・反対語
- 皮肉
『お世辞』が放つメッセージ性と心理
このように、お世辞という言葉には『心にもないことを言う』という否定的な意味があります。この意味からして、あからさまなお世辞を言うと、
と、お客様を怒らせてしまうこともあります。
仮に、本心で思っていたとしても、言い方やタイミングが悪いと『お世辞にしか聞こえない』という結果になってしまうことも・・・。
それは、実際に発した言葉ではなく、『調子のいいことを言って騙そうとしている』というメッセージ性を受け取るからです。
と言いたくなることもあるでしょうが、言い方やタイミングを図るのはあなたの仕事です。
そのためにも、『お世辞とは、時としてネガティブなメッセージ性を放つものなんだ』と認識しておくことが重要。
きちんと理解していれば、言葉も慎重に選ぶようになるし、お客様の感情にもアンテナが立つようになります。
『お世辞』を使った会話の切り返し例
「心にもないお世辞を言われても~(笑)」
会話の中で、こんなセリフを言うホステスさんがいますよね。間違いではないですが、説明的でリズムがあまりよろしくないので、
などがよろしいかと。最後の(笑)が重要ですよ、笑いながら言うんですよ。真顔で言ったら、ケンカ売ってる感があふれますからね(笑)
『お世辞』と『褒め言葉』と『社交辞令』の違い
『お世辞』には、混合しやすい言葉がいくつかあります。この違いを分かってないと、若干苦労することも。。。カンタンに、違いを理解しておきましょう。
『お世辞』のメッセージ性と注意点
【お世辞】
思ってないこと。自己利益の目的で使われるもの。
お世辞という言葉には、『世の中を言葉巧みに渡る』というメッセージ性があり、自分のためにやることです。
「思ってないけどそう言っておけば嫌われないだろう」という守りの姿勢も含め、自己利益の心理が働きます。
たとえば、あなたが「素敵ですね」と誰かを褒めたとき。
本当は『素敵』なんて思ってないけど、『そう言っておけば、気に入ってもらえるかも・・・』と思ったとしたら、それは『私のため』なので、お世辞です。
会話で例えるなら、
と言いながら、内心では、「本当は全然会いたくない、来店してくれって意味だから!」と思っていたら、それはお世辞。
と言いながら、内心では、「本当は絶対モテないと思う、シャンパン抜いてほしいから言ってるw」と思っていたら、それはお世辞。
売れないホステスにはお世辞が多いので、心当たりがあるかもしれませんね。少なくとも、私は心当たりがあります(笑)
『社交辞令』のメッセージ性と注意点
【社交辞令】
思ってないわけではないけど、とても軽い(フランクな)こと。互いの関係を円滑にするもの。
一方『社交辞令』とは、社会で人と交わるために対応する言葉を使うもので、『特に深い意味はないけどお互いに気分よくやろうよ』というメッセージ性があり、お互いのためにやること。
たとえば、会話上でも、
と言われるより、特に深い意味はなかったとしても、
と言われたほうが、あなたも気分がいいし、お客様自身も気分よく帰れる。これが、社交辞令。
これを真に受けて『また来るって言ったのに』と傷ついて落ち込んだりするのは無粋、となるわけです。
『褒め言葉』のメッセージ性と注意点
【褒め言葉】
思っていること。気持ちを伝えるためのもの。
一方『褒め言葉』とは、『私はあなたのことを本心から好意的に捉えているよ』というメッセージ性があり、誰のためでもなく、気持ちを伝えるためにやることです。
たとえば、会話だと、
一見すると、お世辞と混合しやすいですが、思ってるか・思ってないかで判断すると分かりやすいと思います。
あなたが本当に素敵だと思って言ったなら『気持ちを伝えるため』なので、それは褒め言葉。
もしそれで相手が怒ったなら、言葉のチョイスや表現など、伝え方が悪かったということになります。
まとめ
『お世辞』について簡潔にまとめると、
- 『お世辞』は言っている人の利益のために行われる
- お世辞は時に人を怒らせる
- 『お世辞』『社交辞令』『褒めことば』を混合しないように!
上記3つに注意するといいです。わからなくなったら、『思っているか、思っていないか』で判断するといいでしょう。
でも、できれば『お世辞』とは思われない会話をしたいものです。
「ホステスなら『お世辞』と思われない会話を」も合わせて読んで、スキルを磨いてくださいね。
ホステスの心得