「いつもお世話になっております」で激怒されたお話
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
最近は、LINEなどのインスタントメッセージが連絡手段の主となっているので、短文に慣れ切って礼を欠く場面が目立ちますね。
また、ホステスは一斉送信やコピペで営業することが多いので、ある程度『自分なりのテンプレート』みたいなものを持っている人が多いです。
定型文を使うことも、定型化することも、悪いことじゃない。特に、ビジネスマナーでは、なるべく無駄な手間をかけないほうがいいとされています。
ただし、定型文の選択を誤ると、相手を不快にさせてしまうのも定型文の特徴です。
この記事の目次
ホステスが定型文を使うと失敗しがち
私たちは『ホステス』という『ビジネス』をやっています。お客様も、それは重々分かっています。でも、一般の職業とは大きく異なる点があります。
それは、商品が『人間関係』であること。
どの仕事でも、人間関係は大事です。でも、人間関係そのものが商品になる、という職業はかなり少ない。そのひとつが、ホステス業です。
そのホステスがお客様に対してビジネス感を出し過ぎたり、定型文なら無難だろうと適当に使ったりすると、失敗しやすくなるのです。
ホステスがビジネス感を出しすぎるのはNG
ビジネスの場では、大勢の人と連絡を頻繁に取ることになります。
誰に誰がお世話になっているかが不明確だし、いちいち「当社とはどのようなご関係で?」と尋ねるのも手間です。だから、
「いつもお世話になっております」
という一文がよく使われ、これがビジネスのスタンダードな挨拶になっています。
でも、ホステスが使う場合は注意が必要です。なぜなら、ホステスは『人間関係そのもの』が商品だからです。
使ってはいけないというわけではなく、使い方が悪いと「ビジネス(誰にでも言ってる)感満載」になり、相手によっては不快に感じるのです。
定型文=失礼はないと思い込んだホステスの失敗談
実際にあった失敗談として、あるホステスさんのお話をご紹介。
- ネット検索で見た例文をそのまま使い、暑中見舞いハガキを作成
- 暑中見舞いハガキは両面印刷、一筆なし
- 印刷された本文に「いつもお世話になっております」と書いてあった
- 5年ほど足が遠のいていたお客様が「嫌味なハガキを送ってくるな」と激怒
- 「2度と送るな」と言われてしまった
- もう一度来てほしいと思っていたお客様だったのに縁が切れてしまった
『そんなことで怒る!?』という点はさておき、夜の世界では、こういうことが多いのです。
「いつもありがとうございます」も同じで、「お礼されるようなことしてなくてごめんね」と嫌味を返されることも。
「いつもお世話になっております」が嫌味と取られる理由
頭では仕事だと分かっていても、お客様は自分がホステスにとって特別な存在だと思っているし、思いたい。
そこにビジネスライクな文章が届くというのは、こちらから一線を引いたも同様なんですよね。あなたが仲良しだと思っている友達から、
「いつもお世話になっております」
なんて他人行儀なハガキが届いたら、心の距離を感じると思うんですよ。それと同じです。
人間関係が商品だからこそ露呈しやすい本音
また、お昼間に比べて夜の街は本音を出しやすい場所。つまり、私たちは良くも悪くも「本音をぶつけやすい相手」なんです。
もちろん、お客様は気遣ってくださいますが、一般的な関係性に比べれば、やはり感情的になりやすい存在であることは否めません。裏を返せば、
- 客としてじゃなく人として見てくれよ
- オレのこと分かってくれよ
という本音の裏返しでもありますよね。全員の気持ちは汲めないまでも、せめて大事に思っているお客様なのであれば、やはりここは考えたいところ。
定型文=悪ではないのにもったいない使い方
定型文そのものが悪ではないので、やっぱり使う人の気持ちかな、と思います。こういう結果になってしまう『定型文を使う人』の心情を考えると、
- 「なんとなく」で言葉を選んだ
- それを使っておけば無難だと思った
- ネットに例文があったから深く考えずに使った
- 定型文だから最低限失礼はないだろうと思った
などだと思うのですよね。だから、使い方を間違えると、この無意識がお客様に伝わってしまう。
だからこそ、印刷物や一斉送信用に作る文章は、個別に送るもの以上に気を配って考えるのです。
まとめ
一番大事に思っているお客様、たったひとりを思って文章を作る。
そうすれば「いつもお世話になっております」なんて他人行儀な定型文は使いたくならないはずです。定型文を使うときは、ぜひともご注意ください。
ホステスの心得