水商売は社会のゴミ?ホステスが知っておくべき世間の声
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
ネットの匿名性を活用して、こんなメッセージが届くことがあります。
水商売=社会のゴミなのによく堂々としていられますね。まともな人間は水商売なんかしませんよ。
すごいですよね。『まともな人間』とやらは、こういうことを平気でなさるそうです。尊敬します(棒)。
こういうことをわざわざ言ってくる人が世間で言うところの『まともな人間』であるならば、「まともな人間じゃなくてよかったな」と思っています。
この記事の目次
水商売=社会のゴミのくせに
元ナンバーワン&元ママとして、少々反論させていただきたく存じます。
水商売=ホステス・ホスト・キャバ嬢・風俗嬢に限る
こういうことをおっしゃる方の指す『水商売』って、
- ホステス
- ホスト
- キャバ嬢
- 風俗嬢
に限定されてますよね。ホテルのバーで働く人は論外、もちろん居酒屋や割烹も論外。芸能人も、ゲームセンターも論外。
と、毎回思うんです。まあそもそも偏見の塊なので、議論してもしょうがない。要するに、ホステスやホストや風俗嬢が嫌いなんですね、わかります。
問題は、そう言いながらも、ホステスのいるお店へ飲みに行ったり、風俗へ行ったりしてる人もいる、という点。
不思議ですよね~。『ゴミ』にお金払ってお相手してもらわないといけないほど、お寂しい人生なんでしょうか。そのほうが、なんだか気の毒ですね。
「水商売で働く人より無職のほうがマシ」なんですって。
Yahoo!知恵袋にこんな投稿がありました。
水商売(風俗・キャバ嬢・ホストetc)やってるようなゴミ共に比べたらまだニートや無職の方がマシじゃね?(笑
あいつらガチのクズだからなー。暴力団ともつながり深いし脱税も横行してる。まだ無職のがマシ(笑
すごい偏見か、よほどタチの悪い人種を見てこられたのでしょうね。
暴力団と繋がり深いって言い切っていらっしゃいますけど、私も、私の関わってるホステスさんも、誰もまったく関わりございません。
脱税どころか、どれだけ税金払うか。
と言いたくなります。健康体で働ける状態にもかかわらず、『ゴミ』が払った税金で生活保護を受けてらっしゃる方の発言だとしたら、もはやコントですよね。
少数の腐った木を見て森を語るのはやめていただきたいです。
なぜ「水商売=ゴミ」と言われるのか
ここからは、同業として水商売内部を見てみたいと思います。
なぜホステスやホスト、キャバ嬢は『ゴミ』と言われるのか。また、「偏見を持っている人たちだけが悪いのか?」という点を掘り下げたいと思います。
同業でも眉をひそめたくなる現実
私自身は、ホステスだったことを後悔していないし、むしろこの職業を選んでよかったと思っています。
でも同時に、否定できない非常識さを持ち合わせている業界であることも理解しているつもりです。
私はあくまでもホステスなので、ホステス業界のことだけしか言えませんが・・・クレイジーな世界であることは、確かです。
ということを、夜の街では平然とやる人が大勢います。「本当に社会人なのかな」と疑いたくなることが多数あります。
その光景は、残念ながら同業から見ても「一緒にしてくれるな」と言いたくなるほどです。そしてそれは、過去の私の姿でもあります。
ゴミとは思わないけど「クソだな」と思う言動
実際に、現在の私が見聞きする中でも、
- お客様に「金(来店する気)がないなら連絡してくるな」というメッセージを送る
- お客様とのLINE履歴スクショをツイート
- お客様が写った写真を許可なくインスタに上げる
- 彼氏ができた途端に仕事をしなくなる
- 気分で仕事にムラがあり、露骨に不機嫌さを態度に出す
- 人の私物を勝手に使ったり、持って帰ったりする(めずらしくない)
- 事業主なのに「誰も稼ぎ方を教えてくれない」と意味不明なことで悩み続ける
- 税金も厚生年金も未払い、支払いは遅れがち、最悪は無申告
- 「何もせずお金が入る方法」を求めるくせに、少しでも自分が安く見積もられるとキレる
- やらなきゃいけないことそっちのけで遊びや男にご執心
- 仕事もちゃんとできないのにやたらオフタイムを主張
といったように、ほんの一部だけを取り上げても、なかなかのクレイジーです。
私の現役時代はSNSもなかったし、さすがに他人様の私物を触ることはしませんでしたが、一部当てはまっていました。
これ全部、「まともな人」からするとかなり理解に苦しむと思いますよ。
なのに、やっている本人は『これが普通』の感覚、何なら『当然の権利』くらいに思っていますよね。
こういう面だけ見てたら、そりゃあゴミだのクズだの言われてもしょうがないな、と思います、ハイ
我ながら、当時を振り返ると「ほんとにクソホステスだったな・・・」と、反省しきりです。
「ホステスだって立派な仕事だ!」と主張したいなら
先述したように、私はホステスだったことを後悔していないし、自分のホステス人生は誇りに思います。
でも、大手を振って自慢できる仕事ではないとも思うし、一般の就職を捨ててこの業界に来ることには、手放しに賛同はできません。
それでもこの仕事を選ぶなら、偏見で見られる世界だという自覚は必要だと思います。
同時に、そういう目で見られたくないのなら、イメージを払拭できるくらいの姿勢を内部の人間が見せていく必要性がある。そう思いませんか?
ホステスの言ってることを一般に置き換えてみる
たとえば、ディズニーランドがゴミだらけだったとします。
スタッフはゴミを見ても素通りするし、接客もムラがあってよろしくない上、少しでも何か言おうものなら「嫌なら来るな」と言い放つ。
これを改善せずに「客層が悪い」だの「クソ客が多すぎる」だの言って、客側に変わることを求める。
ときには、「こっちは相手してやってんだよ!」と吠える。彼氏とケンカした日はイライラを全力でまき散らし、仕事をしない。
収入があっても申告せず、税金も払わず、権利主張だけは一人前。この構図、あなたはどう思いますか?
「あのテーマパークは最悪」
「スタッフは仕事意識が低すぎる」
「税金払ってから文句言えよ」
と思っているお客様がおかしいのでしょうか。そう思っているお客様が、「遊びたかったら俺たちが変わらねば」と内省すべきポイントなのでしょうか。
違いますよね。イメージを変えたいなら、ディズニーが努力すべきことですよね。ホステスも、同じじゃないですか?
でも多くのホステスは「客が悪い」って言ってるんですよ、おかしくないですか?
「ホステスだって立派な職業」の裏にある現実
「ホステスだって立派な職業だ」と言ってくださる方も大勢います。でも、その言葉を鵜呑みにして調子に乗るのも、クソホステス。
いいですか、よく考えてくださいよ。その方はきっと、本心で「立派な職業」と言ってくださっている、それは事実です。
でも、「じゃあ、あなたの会社で雇ってください」と言われたら、よほどの子じゃない限り断るはずです。
「じゃあ、あなたの息子と結婚させてください」と言ったら、よほど理解のある方でない限り、あなたの職業は高いハードルになるはずです。
自分の娘がホステスになると言い出したら、大半の親は手放しに賛成はしないはずです。
職業として認められていても、水商売が自分事となったときに同じように認められるかは別問題なんですよ。
何をどう吠えてもこれが現実で、その現実を生み出しているのは、その業界にいる人間です。
認めてほしいなら襟元を正せ
人に認められるということは、とても大変なことです。人並みにがんばったところで誰も認めてくれないし、人の2倍がんばって初めて目に留まる程度。
ましてやホステスは事業主ですから、自分の事業を運営することに自分ががんばるのはあたりまえの立場です。
その事業主が「あの人はすごい」と一目置かれるところを目指すなら、最低でも人の3倍はがんばらないといけません。
それに、人として扱われたいなら自分も人を人として扱うべき、じゃないですか?
自分の気持ちを考えてくれるお客様がほしいなら、自分も相手の気持ちを考えるべき、じゃないでしょうか。
それでも意図せず傷つけたり、分かり合えずすれ違ったりします。
それを、感情のままに言いたいこと言って、やりたいことやって、何が「仕事」なんでしょう?
ゴミと言われたくないなら
「ホステスだって立派な職業だ」と世間に認めてほしいなら、自分を尊重してほしいなら、
- 自分が先陣を切って『ゴミ』と言われないよう努める
- まずは自分が誰かを職業や立場で差別しないようにする
- 最初に自分が相手を尊重する
これが重要ではないでしょうか。同業から見ても「ヘラヘラして酒飲んで高いお金もらえていいな」って言いたくなるホステスは山ほどいます。
偏見で見ている人たちを糾弾したりする前に、自分がそこから脱することを考えるほうが先ではないかと思います。
まとめ
『水商売=社会のゴミ』という論争について私が思うことをまとめると、
- 『まとも』にやっている人もいる
- 『ゴミ』と言われても仕方ない側面があるのは事実
- 言われたくなかったら業界にいる人間が襟を正すべき
です。ホステスもキャバ嬢もホストも風俗も、偏見で見られる仕事です。
どんなに本人がプライドを持って真剣にやっていたとしても、世間の偏見の根強さは容易には払拭できません。そういう世界を選んだのは、あなた自身です。
でもその人たちに「この子はちょっと違うぞ」と思わせることができたら、あなたの勝ちですよ。
同じ土俵に立って罵り合う時間があったら、自分を磨きましょう。そして最後に、税金はちゃんと納めましょう。
ホステスの心得