ホステスが育たない本当の理由

こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
ホステスの指導に悩んでいませんか?
ああだこうだと反発しているホステスも多いと思います。私も、反発していた側でした。でも、自分がママになって、その苦労を痛いほど実感しました。
今日は、とあるクラブのママから実際にいただいた相談をご紹介します(掲載許可をいただきました)。
この記事の目次
女の子に「やってはいけない」とわからせるにはどうしたらいいか


























ママさんの気持ち、とてもよくわかります。私もママ時代に「どうしたらわかってくれるのか」と、いつも頭を抱えていました。
反面、問題行動を取っているホステス側の気持ちも理解できます。さすがにおしぼりを床に置いたり、ダスター代わりに使ったりはしませんが、
『自分がやっていることを他人が見たらどう感じるか』
という視点が欠けていて、想像がつかないのですよね。
「伝えること」と「理解させること」はまったくの別物










伝えるだけで分かる子なら、考える力があるということなので、最初からそんなことはしないでしょう。
仮にNG行為を知らなかったとしても、伝えるだけで理解する子なら、注意した時点で理解するでしょう。でも、どちらでもない。
この状況で、ママさんがすべきことは「伝えること」なんでしょうか。
「伝える」=耳に入れる










たとえば、TVニュースでは、さまざまな出来事を日々伝えています。
ニュースキャスターは確かに1日の出来事をニュースとして伝えた。でも、それらを聞いたからと言って、その度に心動かされたり、考えたりはしませんよね。
多くの場合は「聞いただけ」で終わると思います。
そして、数分~数十分もすれば、よほど印象に残るニュースでない限り、ほとんどの人が忘れてしまうでしょう。
これと同じ状態が、私たちの日常でもたくさん起こっているのです。
「理解させる」=納得させる









人は誰でも「自分が正しい」と思っているものです。今回の問題行動を取るホステスも、
- おしぼりを床に置く
- おしぼりをダスターとして使う
という『自分の考え』を正しいと信じているのです。これを何度指摘したところで、本人が信じていることを変えることはとてもむずかしい。
本人が、「そうか、私の考えが間違ってたな。確かに、〇〇はよくないな」と、納得して考えを改めない限り、行動も改まらないのです。
教育でもっとも重要なこと




本当に理解させたいのであれば、
- カンタンに答えを渡さない
- 本人に考えさせる
この2つが必須になります。
本人が答えを出せるようサポートする

















相談者であるママは、問題行動を取るホステスに、「お客様のおしぼりを床に置いたり、ダスターにしてはいけない」と言い、ミーティングでもそう伝えようとしているわけですよね。
でも本当に理解させたいのであれば、カンタンに答えをあげてはいけないのです。理解させるには、
- 考えさせること
- 考えさせるために質問を投げること
- 自分なりの答えを出させること
この3つが重要です。伝えただけで理解できるのは、自分自身でこの対話ができるホステスだけ。
基本的に、5割のホステスは、これができません。
『物事をどういう視点でどう考えればいいのか』の素地がない状態なので、まずはその基盤をつくるつもりで対話して質問を投げ、考えさせ、答えさせましょう。
『言ってもムダなホステス』も残念ながらいる





もうひとつ、教育する側の人間が受け入れないといけない現実。それは、『何をどう言ってもムダなホステスは一定数存在すること』です。
これは、教える側の問題でも何でもなく、統計学的にどうしても現れます。たとえば、100人のホステスがいると仮定した場合、
- 20人のホステスが、自主的に仕事をしてお店に貢献する
- 60人のホステスが、いちいち言えば言われたことだけはする
- 20人のホステスが、言われたこともしないどころか問題を起こす
この割合は、10人になっても1000人になっても変わりません。
『どんなに良き指導者であっても、徒労に終わるホステスが20%いる』ことを覚えておきましょう。
「切る勇気」と「切るライン」を明確に





『何を言ってもムダなホステス』に当てはまってしまうホステスは、ある程度のラインを決めて、そこを超えたら切るしかありません。たとえば私の場合、

と宣言していました。これはコンサルでも同じで、たとえば、
- 3回連続ですっぽかした人
- 3回連続で連絡なく支払遅延が発生した人
などは、無条件で契約解除します。もちろん、3回の間には最大限の『理解してもらう努力』はします。
それでも無理なら、『何をどう言ってもムダなホステス』に当てはまることになります。少なくとも私から見たその人は『信頼関係の構築は極めて困難』です。
この判断に、『人柄がいい』とか『頑張り屋さん』などは関係ないです。ルールを守れない時点で人柄がいいとは思えません。
このように、質問者様もある一定のラインを決めて、いよいよの際は切る覚悟を持っておく必要があります。
自分が決めたラインまでは、理解してもらえるよう全力で努める。
その子が何を重視しているかなどをフラットに捉え、どの視点から話せば理解に辿り着くかを考え、あらゆる角度からアプローチする。
それでダメなら、それは相手の問題です。
「人を育てる」ということを踏まえれば




人を育てるのは、時間も労力もコストもかかるものです。
女の子を育てようと思っているなら、理解させることに労力をかけたり、理解するのを見守ることも大切ではないでしょうか。
もちろん、イライラする気持ちも分かるし、「なんでいちいちこんなこと!」とストレスに感じるのもわかります。
現在の私も、できていないこと、未熟なところ、たくさんあります。でも、人を育てるって、そういうことです。
『育てよう』と思っているのであれば、相手は『できない・理解できないのがあたりまえ』です。
育てることは、その子自身の成長であると同時に、あなた自身の成長でもあるはず。少し目線を下げてあげることも大切ではないでしょうか。
ホステスの心得