【質問力を高める】質問は会話をリードすることです

こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
『会話が苦手』というホステスさんの半数くらいは、発信が苦手なだけです。
話題を提供したり、自分の意見を述べたりすることが苦手なだけで、会話そのものが苦手なわけではありません。この場合、原因となるポイントは3つ。
- 視野が狭く、話題に対するアンテナが低い
- 相手に関心がないので、興味を引きそうな話題を探せない
- 自己開示が苦手で、自分の意見を言語化できない
全員が当てはまるわけではありませんが、大雑把に分けると、上記のケースが多いです。
この場合、全体の会話力を磨く前に、まず質問力を磨けば、それなりに会話ができるようになります。今回はその質問力についてお話しますが、その前に。
本当に会話が苦手な人は、相手の話を聴けない&受け取れない人なんです。
相手の話を聴けないようでは、質問力も高まりません。相手の話を受け取れないと、話を深めることもできません。
この状態のホステスさんは、改善にかなりの時間がかかるため、早期に結果を出したいとなると、会話を仕事とする職業自体が不向きということになります。
この記事の目次
会話の主導権はホステスが握ること
話題豊富で発信(話すこと)が得意な人は会話上手に見えるし、主導権を持っているように感じます。
発言に力もあるので、場を動かしやすいのも確かです。他の人に会話力がない場合、当然発信力のある人が場を仕切ることになります。
これがホステスである場合、居心地の悪さを感じるお客様が出てきます。そうなると「二度と行かない」となる。
なぜなら、『話題豊富で発信が得意なホステス』は、自分が話したいことをベラベラしゃべっているだけだからです。
それを良しとしてくださるお客様もいるし、それが魅力だとおもしろがってくださるお客様もいます。ただ、幅広く顧客をつかむのは、むずかしいですね。
お席を仕切るには主導権を持って質問すること
本来は、会話の主導権を握っているのは、質問をしている人です。投げかける質問によって、どのようにも会話を動かすことができるからですね。
テレビ番組を思い出してみてください。
発信力があるタレントが意見を述べても、全員、司会者に質問されて答えて、司会者の進行に沿って、番組が進んでいきますよね。
お席を仕切るホステスは、その司会者に当たる立場なので、全員に目を配って、全員にスポットを当てて、まとめて、ベストな状態を作ることが求められます。
なので、お客様のお話を聴けない、お客様に質問できないホステスは、お席を仕切ることはむずかしいのです。
特に、幅広い顧客を持ちたいホステスにとっては、致命的。
もしもあなたが、ベラベラ自分語りをしがちなら、一旦控えて、お客様のお話を聴いて、お客様から話を引き出す質問をすることに専念してください。
1日の終わりに『分析』の時間をつくる
とりあえず、『質問』に意識を向けてみましょう。1日の会話を振り返って、
- なぜそのとき、その質問をしたのか(目的)
- それによって、何が得られたのか(情報)
- 質問によって、その場がどうなったのか(結果)
- どこを改善したら、どう変わったか(予測)
を分析する時間を設けてください。1人ではむずかしい、できないと思うなら、一緒に取り組んでくれる人を探しましょう。
ただ、注意してほしいのは、『結果のすべてがあなたのせいとは限らない』という点です。
いい結果も、誰かのフォローあってのことかもしれません。悪い結果も、たまたま相手が悪かったかもしれない。
あまり結果にフォーカスして執着すると、自信を失くします。まずは結果よりも、【分析すること】を目的にやってみましょう。
何を質問すればいいの?

と考え込んでしまうこともあるでしょう。まず、スタンダードな形としては、
- 確認のために質問する
- 足りない情報を補足する
上記の2つがあります。
確認のために質問する
たとえば、ママから「このお客様に電話して」と言われたとします。でも、『何の用件で電話しないといけないのか』がわからないと、困りますよね。
なので、「何をお伝え(確認)すればいいでしょう?」と尋ねることになります。
また、後輩ホステスが「お客様が怒ってます、どうしたらいいでしょう」と言ってきたとします。何に怒っているのか分からないのに、指示は出せませんよね。
この場合も、「何に怒ってるの?」と尋ねることになります。こういう質問は、
- 確認
- 意思疎通
- 理解
のために行われるもので、お客様との間でも、頻繁に行われます。
足りない情報を補足する
たとえば、あなたがお客様と会話をしていて、

と、お客様が言ったとします。あなたは、お客様が何時からゴルフに出かけるのか、だれとゴルフをするのか、何も知りません。となると、


などを尋ねることで、あなたの知らない情報が得られます。
新しい情報を得られると、また『知らない情報』が出てきます。それについてまた尋ねる・・・をくり返していけば、会話はある程度進んでいくのです。
ただし、尋問チックにならないように!
こんなこと質問して大丈夫?

というホステスさんもいますよね。
コンサル生さんでも、あまりにも不勉強で、あまりにも無知で、「そんなことも知らないの?本当に?」と言いたくなるホステスさんがいます。
でも、現時点では、分からないのだから仕方ありません。「こんなことも知らないのか」と言われながらでも、教えていただいて、勉強するしかないのです。
ホステスという仕事を選び、色恋をしないと決めた以上、不勉強で無知なまま業務をすることはできません。
また、良いお客様なら、ちゃんとあなたの質問に答えてくださいます。
もちろん、あなた自身が何の勉強もせずに、お客様が答えてくださることにあぐらをかいていれば、お客様は離れていきます。
でも、あなたが勉強熱心で、少しずつでも成長を見せていければ、良客と呼ばれるお客様方は必ず、あなたにいろんなことを教えてくださいます。だから、
- 分からないこと
- 情報が足りないこと
は、素直に質問するようにしましょう。ちなみに、私も質問しまくりました^^
会話上手は乗せ上手
ホステスが『会話上手』と言われる所以には、『乗せる』というスキルがあります。
これは、情報を活かせれば、だれでもできます(それがむずかしいんですけど・・・と言われそうですが汗)。
そもそも、『相手を乗せること』と『持ち上げること』は全然違います。
持ち上げることは、相手の出した何かしらの結果に対して、オーバーに褒めちぎって、自分を下に置くことですよね。たとえば、




これが【持ち上げる】。イヤミや嫌がらせでこのスキルを使う人もいるし、本当にそう思って言っても、イヤミだと受け取る人もいますね(笑)
では、【乗せる】とは、何をすればいいのか?そんなにむずかしいことではないのですが、これを「むずかしい」と感じている人は、
- 情報不足
- 相手をしっかりと見ていない(それまでの話をちゃんと聴いていない)
- 自分の関心のあるところしかアンテナが向かない
等々の原因があって、「何を質問すればいいのか分からない」という状態になっています。相手を乗せるためには、情報が必要なんです。
相手が何を好きで、どんな話をしたくて、どんなことに興味があって、どんなことに喜ぶのか。情報が不足していると、なかなか乗せられません。と言うと、

という声が聞こえそうですが、それは売れっ子ホステスでも同じことですよね。
売れっ子はどうしてるの?
では、どうして売れっ子ホステスは上手に乗せられるのか。
売れっ子ホステスの頭の中には、これまで出会った人達のデータがちゃんと蓄積されていて、分類されているのです。


といった具合に。また、好きな話題が分からなくても、嫌いなものだけでも分かれば、乗せる質問は可能です。
たとえば、後輩からタメ口で話されることが大嫌いなお客様がいるとして、


という返しでも会話は成立するのですが、裏を返せば『礼儀正しい子は大好き』ということでもありますよね。なので、



と言ったほうが、お客様の気分は良くなり、『俺語り』を始められます。これが【乗せる】です。そのためにも、初めてお会いするお客様であっても、
- 過去に似た人はいなかったか
- その人はどんな会話を好んだか
という情報が必要なのです。
たとえ、目の前のお客様が、二度とお店に来ない可能性が高くても、そのお客様から引き出したデータは、確実に今後の接客に役立ちます。だから、
- 相手が好きなものや得意なことは、ストレートに質問する
- 嫌いなものや苦手なことは、一旦頭の中で裏返して質問する
をやってみてください。これを意識して会話をすると、お客様の話したいことや信念、価値観にたどり着きやすいですよ。
『聞くほうが得意』はウソ

そう言うホステスさんは非常に多いのですが、きちんと聞けているわけではありません。発信が苦手だから、受信側にいるだけ。
本当に聞き上手な人は、発信も上手です。なぜなら、『質問する=発信すること』だからです。
相手の話に対して、ただ相槌やオウム返し、同調・共感を続けていると、どうなるでしょうか。だんだん、話がそれていきませんか?
お客様に口説かれてばかりで困っているホステスさんには、このケースも多いです。たとえば、こんな感じで会話が進みます。








ありがちな会話ですね(笑)原因は、2つあります。
- 質問する人=主導権を持っている人がお客様であること
- 相槌、同調、共感を続けるだけ(受身)なので、話がそれやすい
売れっ子さんが上手に口説きをかわせるのは、この2つをきちんと押さえているからです。
ちなみに、この2つをちゃんと押さえていれば、言いにくいこともサラッと言えます。
では、どうすればよかったのか。温泉の話に戻す質問を、途中で挟めばいいのです。













ここまでくると、あとは、
- 他の土地へ行ったか
- そこでおいしかったものは何か
- 温泉以外にも旅行へ出かけるのか
等々、いろんな方向に話をコントロールすることができます。それでもなお「一緒に行こうよ」というお客様がいるのも確かなので、


等々、遠回しに『行けない(行かない)オーラ』を放ちます。
いままで『むずかしい』と感じていた人にとっては、いきなり上手にコントロールはできないものです。
でも、『話を元に戻す質問』をトレーニングしておくと、コントロールしやすくなります。
ここで大事なことは、相手が話したいこと、持って行きたい方向性ではなく、
- 自分が聞かなければいけないこと
- 困らないように方向性を自分が決めること
です。そのためにも、いま目の前で【何の話をしているのか】をしっかりつかむことが重要になります。たとえば、今回の『温泉』がテーマだと、
- いま、何の話をしているのか(熱海まで温泉に行った話)
- そのポイントになるキーワードは何か(温泉・旅行・食事・観光など)
- そのキーワードを使って、話を戻す質問をするには何が有効か(食事)
などを意識してください。
質問するときは表情に注意!
質問するときには、表情に気を付けましょう。内容に合わせて、表情をしっかりコントロールすることが重要です。
たとえば、接待の場だとします。話の内容がマジメなものであれば、満面の笑顔でノリよく質問するのは、少し場違いですよね。
逆に、和やかな雰囲気なのに、ギラギラした表情でケンカ腰に質問するのも、せっかくの空気を台無しにしてしまいます。
相手を乗せる質問は、笑顔で明るく、できるだけ高いトーンで質問したほうが、場が盛り上がりやすくなります。
「尋問みたい」と言われるような質問になる人は、表情がなく、声色が低く一定していて、感情がないように見えるからです。
その状態であれこれ質問すると、相手は居心地の悪さを感じて、不信感を抱きます。質問自体は乗せるものなのに、表情や声色で壊してしまうのです。
人は無意識に本音を発している!
場をコントロールする質問も、表情や声色を意識して使わないと、大変です。
前回の会話例のような、休日デートに誘われるケースだと、「行きたくない」という気持ちがひしひしと伝わってしまいます。
そうすると、お客様はプライドが傷つくので、人によっては強気に出ます。

と言われやすい人は、ここでつまずいている可能性が高いです。
このように、実際に言った言葉だけでは判断ができないことも多いので、コンサルでは、かなり細かくお話を伺います。

という抽象的な内容だと、本当の原因が分からないからです。



等々、その場にいなかった私に、光景が見えるまで、質問をします。
人によっては『早く答えてよ』的な態度を取られますが、実際に発した言葉以上に、あなたの表情や声色は、本音を語るのです。
絶対NG!ヘラヘラするな!
最後に、半笑いで質問するのは、一番いけません。
- 相手を見下している
- バカにしている
- 笑いものにしようとしている
等々、悪い印象しか与えません。何よりも、気持ち悪いです。
お叱りを受けているのに、ヘラヘラしている人もいますね。余計に怒らせてしまうし、怒らないまでも、
- 不真面目
- 不謹慎
- 非常識
- 不誠実
等、悪いレッテルが増えていく一方なので、改善しましょう。
もし余裕があれば、質問が下手な人、上手な人のこともチェックしてみてください。いいところは取り入れて、悪いところは反面教師としていきましょう。
ホステスの心得