売れないホステスは言い訳が好き
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
『セルフハンディキャッピング』って、ご存じですか?心理学用語で、失敗しても自尊心を保てるように、
- できなかった理由
- できない状態
などを主張したり、自らその環境を作り出したりすることです。つまり、言い訳です(笑)
「私にはハンディ(不利な条件)がある(あった)、だから仕方がないんだ(私は悪くない)!」という、アレですね。
言い訳などしたことはない、という人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
私も、人生を振り返ると、「言い訳ばかり並べ立てて行動しないことが多かったなあw」と、しみじみ思います。いまでも、
と、言い訳ばっかりしています。実際には、温泉くらいいつでも行けるし、休みだっていつでも取れるのに(笑)
なぜ言い訳をしたくなる?
そもそも、どうして人は、言い訳をしたくなるのでしょうか。
たとえば、大事なテストの前日に、部屋の掃除をしたくなったり、本を読みたくなったりしたこと、ありませんか?
私は、数えきれないほどあります。
勉強しなきゃ~と思えば思うほど、普段気にならない壁の汚れが気になったり、連載のマンガの先が気になったり(笑)
でも、誰かにさせられたわけでもなく、自分が勝手に掃除をしたんですよね。
つまり、『テストの結果が悪くても仕方がない』という言い訳ができるように、自らその環境をつくっているのです。
勉強をしなかったことで失敗するよりも、勉強をして失敗する(=自分の思う結果ではない)ことのほうが、何倍も傷つくから、ですね。
つまり、言い訳をしているときは、何かから、あるいは何かによって、自分が傷つくことを避けているときです。
もしも、あなたが言い訳をしていることに気づいたり、誰かの言い訳を聞いているときには、
という点をじっくり見ていくと、ちょっと視点が変わると思います。
コンサルは言い訳の場(笑)
コンサルでは、ほとんどのホステスさんが、セルフハンディキャッピングのオンパレードです。たとえば、
ガンガン飲ませるお客様がいて、二日酔いで起きれなかったから、お礼の連絡ができなかった。
アフターが好きなお客様がいて、朝までコースだったから、勉強ができなかった。
お客様にイヤなことを言われて、気持ちが落ちていたから、何にもできなかった。
・・・エンドレス。とりあえず、
- 私は悪くない
- 悪いのは私以外の人(環境、条件)
- だから、仕方ない
- だから、私を責めないで
と主張をして、自分を守りたいのですよね。
と言いたくなるくらい、スラスラしゃべります。普段、話すのが苦手だと言っている人ほど、言い訳は饒舌に語ります(笑)
そのため、私の仕事は、まずホステスさんの『できない理由』を延々と聴くことからスタートします。
下手をすると、3年、5年と数年にわたって『できない理由』をくりかえし訴えるホステスさんもいるんですよ。
自分で言うのもナンですが、我ながら「気が長いなあ」と思います(笑)
でも、セルフハンディキャッピングを続けているうちは、何も変わらないんですよね。
そうやって、何かのせいにして自分を守っても、現実はなにも変わりません。
大事なことは、『だれが悪いか』というジャッジや犯人捜しではなくて、
- 問題の切り分け
- 改善点の洗い出し
この2つを客観的に行うこと、なんです。
私も、ホステスさんの『できなかった理由』を延々と聴いたあとは、毎回、問題の切り分けと、改善点の洗い出しを行います。
あなたひとりでもできるように、そのやり方をお伝えしますね。言い訳をしたくなったら、この記事を読み返して、分析してみてください。
問題の切り分け
まず、目の前にある問題を切り分けることから始めましょう。大事なことは、
- 「〇〇のつもりだった」は省く
- 根拠のない感情を省く
この2点です。言い訳をしたくなるときって、「私はこういうつもりで言った」など、自分の心情を言いたくなることが多いと思います。
逆に、「相手は〇〇のつもりだったんじゃないか」という推測も入ると思います。でも、それは一旦横に置きましょう。
あなたにも、言い分があるでしょう。もちろん、相手にも、言い分があります。それを「どうでもいい」と言っているわけではありません。
ただ、想像や言い分は、ときに事実を捻じ曲げる力を持っています。たとえば、
営業時間中、お客様から連絡があり、「あとで行く」と言われた。でも、そのお客様が来店したときには、満席でお席にご案内できなかった。
というケースの場合。連絡を入れたお客様は「あとで行くよ」と言ったので、『席を取っておいてね』と言ったつもりかもしれません。
でも、あなたは『来るかどうかわからない』し、『何時に来るかもわからない』と思ったから、席を確保しなかったのかもしれません。
このように、お互いに言い分はあります。でも、言い分(感情)に焦点を当てると、あなたはもしかすると、
と思うかもしれませんよね。すると、『改善すべきはお客様』になってしまい、自分の改善点を見失ってしまうことになりかねません。
これでは、せっかく経験したことを活かせず、同じ失敗を繰り返してしまうことになります。
なので、必ず問題を切り分けて、事実だけを抽出するようにしましょう。
改善点の洗い出し
では、実際に例題から事実を洗い出してみましょう。もう一度、例題を見てみると、
営業時間中、お客様から連絡があり、「あとで行く」と言われた。でも、そのお客様が来店したときには、満席でお席にご案内できなかった。
というケースです。この場合の事実は、
- お客様から「あとで行く」と連絡があった
- ご来店時に満席だった
- その結果、お席にお通しできなかった
この3点。この事実を見た場合、足りない『事実』があります。それは、
- 何時ごろになりそうか、何人で来るのか、確認をした
- お店の状況(席がないかもしれないこと)を伝えた
- 時間さえわかれば席を取っておく、と伝えた
- 〇分経ってこなかったら次の人が入ることを伝えた
この4点です。この4点が欠けたばっかりに、お客様を怒らせるという事態になりかねないわけです。ということは、次回からは、
と伝えれば、
- お客様にイヤな思いをさせる
- お客様に無駄足を取らせる
といったことを回避できるようになります。その結果、あなた自身も、少なくともこのケースでは、この先は傷つかずにすむはずです。
こうして、改善点を見つけ、すぐに改善していくことで、結果的にあなたは、傷つくことを減らしていけるのです。
言い訳をくり返して、同じ失敗を何度も経験して、何度も同じ痛みを味わうより、ずっとラクだと思いませんか?
『言い訳』って、誰でもしたくなるものです。なぜなら、『言い訳は自分を守る術』であり、誰も『自分が悪いとは思いたくない』からです。
でも、自分の至らない点や、自分の問題を客観的に受け入れると、物事はとてもスムーズに好転していきます。
また、そうやって常に自分を律する習慣をつけると、周りの人があなたに対して一目置くようにもなります。
周りがあなたに一目置くようになると、あなたの意見は通りやすくなります。
つまり、『言い訳』をやめることが、結果的に自分を守ることにつながるのです。
最初はなかなかむずかしいと思いますが、
- 問題の切り分け
- 改善点の洗い出し
この2つを、常に意識して取り組んでいってください。
ホステスの心得