「ホステスが稼ぐ」ってどういうこと?
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
受け取る側からするとお給料日は嬉しいものです。でも、
- 「お金をもらう」感覚のホステス
- 「お金を稼ぐ」感覚のホステス
この違いは結果に差が生じてきます。
「えっ?お給料だから『もらう』んじゃないの?」
こんなふうに思っているとしたら、あなたはホステスとして稼ぐことはむずかしいでしょう。なぜなら、ホステスは個人事業主だからです。
・・・と言っている私も昔は『お金をもらう感覚』でした。仕事を教えてくれた師匠、そしてお客様方から、
「売れたければ『稼ぐ側』に行け」
と言われ、「実績のある人はお金に対する感覚がそもそも違うのだ」と気付いたのです。
本記事では、『「稼ぐ」とはどういうことなのか』について、具体的な数字を交えてお話しします。
この記事の目次
ホステス業って想像以上に稼げないでしょ?(笑)
あなたもお気づきと思いますが、ホステスって、外野が想像するほど儲かる仕事ではありません。
個人事業主なので、経費を全部自分で負担しなければならないから。
銀座ホステスさんで、働いているお店が「座って3万」クラスだと、ゼロヘルプなら平均月収60万弱くらい。
ここから移動費、美容室、衣装、コスメ類、交際費等々出て行くので、生活費として使えるのは20万くらい。
家賃を考えると、自由になるお金は5万もないくらいでしょうか。
売れないホステスほどがんばると貧乏になる!?
事業主である以上、使った経費は回収しなければなりません。
にもかかわらず、売れないホステスは、自分の不安を解消するために、高額商品をプレゼントしたりする。
「みんなそうしてるから」というワケの分からない理由で、回収見込みのない経費をガンガン使うのです。おそろしい!!( ̄◇ ̄;)
コンサルでも、「売れたいなら、お金の使い方を考えなさい」と、かなりキツく言います。
『お金の使い方と売上は直結するもの』という点を、まず自覚しましょう。
「経営者目線で仕事をする」ってこういうことです
では、実際に「経営」という目でお金を見てみます。ここからはしばらく、あなたの実際の収入は度外視して、割合でお話しします。
「そんなの生活が成り立たない!」と思うでしょうが、ご心配なく。あくまでも【理論】と思ってください。そのあとに、実益で現実的なお話をしますので。
経営者の感覚でお金を振り分けるとこうなります
原則として、お金に対する考え方は「3分の1」が基本です。収入例=30万円だと、
- 10万円=経費
- 10万円=生活費
- 10万円=プール金
家計簿レベルの言葉に置き換えると、1/3が生活費、1/3が家賃、1/3が貯金。
個人事業主であるホステスの場合、家賃や光熱費など自宅にかかっている金額の1/2が経費計上できるので、生活費に入る部分は1/2になります。
経費には、ホステス業を行う上で発生するお金のすべてが含まれます。誕生日などは日常のイベントなので、毎月の経費から出費します。
プール金は、何かあったときのためのお金。
プール金が動くのは、お中元・お歳暮・移籍に伴う経費(休暇期間の生活費含む)など、イレギュラーなタイミングです。
経営者の目で「経費に対する概念」をチェックしてみよう
まずは上記に、自分の平均月収を当てはめてみてください。
そうすると、1人の顧客に使っている経費が割高だったり、生活にお金がかかりすぎていたり、というアンバランスな面が見えてくるはず。
平均月収が50万以下なら、5,000円でも十分高額です。なぜか。「その金額を出せるのは、売れていない時期だけ」だから。
売れたいのなら、お客様が増える前提で支出を考えなければなりません。お客様が増えれば、当然経費も膨らみます。
顧客が増えたとき、5,000円や1万円の誕生日プレゼントを贈ってきたお客様にそれを続けることができるでしょうか。
その人より上の立場の人がきたら、いくらの贈物をするつもり?
同じ月に誕生日が10件重なったら10万、そこに中元や歳暮が重なったら1ヶ月分の収入が簡単に吹っ飛びます。それだけの経費を、払えますか?
払えたとして、その経費はいつどのタイミングで、誰から回収するか、考えていますか?
考えてないから「贈物したのに来てくれない」と傷付いて落ち込むのでは?考えてないから、やっても無駄な気がしてやる気が失せるのでは?
つまり、売れないホステスの多くは手元のお金を増やす気がない。これが、一番よくないのです。
その状態だと利益を増やせないし、増やせたとしても売上が上がると同時に破産します(本当に)。
実益で考える「ホステスのお金」とは
では、平均月収50万として実益で考えてみましょう。例に当てはめてみます。
- 16万円=経費
- 衣装
- 美容院
- コスメ類やエステ
- 日常の贈物
- 研修費(勉強代)
- 家賃(50%)
- 光熱費(50%)
- 携帯・Wifi等通信回線機器類や契約料
- 交通旅費
- 新聞図書費
- 売掛負担(損益)
- その他雑費
- 16万円=生活費
- 食費
- 日用品
- 家賃(50%)
- 光熱費(50%)
- 趣味嗜好品
- 保険類
- その他
- 16万円=プール金(貯金)
- 挨拶状・案内状経費
- 中元・歳暮の贈物・送料
- 移籍時などの生活費
- 売掛未払負担時の補填
- 消費税・都税(県民税)
- その他
実際に1/3で上記割合を決めると、『経費がまったく足りない!』という状態になるはずです。
なので実情は、収益の50%が経費、50%が生活費とプール金、みたいになると思います。
使い方が下手な子だと、70%が経費で30%が生活費&プール金でしょうか。
仕事をあまりしたくないホステスだと、60%が生活費、40%が経費、プール金なし、になります。
ホステスとしての商品価値=月収、と思ったら大間違い
「手取り額=私の価値」と思っている人も多いですが、違います。
『純利益=あなたという商品(ホステス)の価値』
どれだけ売上があろうと、どんなに太い顧客がいようと、利益率が悪いようでは価値がないということ。
あなたが雑貨店のオーナーなら、1円しか利益にならない商品なんか価値を感じないでしょ?
仕入れ値が100円なのに、10万円の利益を生んでくれる商品のほうがいいですよね。お金という概念だけで価値をはかれば、こういうことです。
ホステスとして「稼ぐ」とはこういうことです
ホステスの収入で考えた場合の純利益は、『手取り-経費=純利益(生活費&プール金)』なので、純利益が収入の30%を下回っているホステスは大変危険!!
その感覚でいくと100万円の月収があっても、生活費は20万を下回ってしまいます。
この調子でお金を使っているホステスさんが、毎月10万円以上の貯金をするとは考え難い。
実際には貯金ゼロか、せいぜい月に5万程度、それ以外が生活費になりますね。それでは売上を上げていくことはできません。
つまり、ホステスにとって「稼ぐ」とは、『純利益(生活費&プール金)をいかに上げるか』ということ。
セレブな暮らしがしたい、躊躇せずお金を使いたい、稼ぎたい、と思うなら、経費面を改善して利益率を上げることが重要です。
ホステスの心得