約束を守らないホステスは売れない(色恋以外では)

こんにちは。ホステス専門アドバイザー秋好玲那です。→目次はこちら^^
「ルーズで、非常識な人が多い」
これが、水商売に対する世間の声です。
ルーズとは、だらしがない、規律を守れない、ずぼら、などの意味があります。非常識とは、人としてあるべき道から外れていること。
その中でも、ホステスやホストなど夜の業界は『ルーズで、非常識な人たち』という偏見が根強くありますよね。

時間にルーズ、約束はすぐに破る、有言不実行、感情的で仕事意識が低い、その他諸々。一歩間違えば、犯罪に近い場所にいることも、否めない事実です。
それだけならまだしも、その後の対応がまた、不誠実極まりない。
あなたの周りにも、そういう人が1人はいるはずです。もしかしたら、あなた自身がそうかもしれません。
そして、私自身も、売れないころは『ルーズで、非常識な人』でした。
この記事の目次
ルーズで、非常識だった私
売れないホステスだったころの私は、まさに『だらしがない』の一言に尽きる人間でした。
起きるのはいつも17時ごろ。バタバタと準備をして、遅刻ギリギリで19時に出勤。
閉店後はアフターで朝までコース、アフターがない日は同僚ホステスや友人と朝まで夜遊び。
帰宅はいつも朝の5〜6時、遅いときは8時。メイクも落とさず、また17時くらいまで寝る。
休みの日は、ほぼ1日中寝ていて、唯一洗濯をしぶしぶやる程度。家の中はいつもグチャグチャ、とても人を呼べる状態ではない。
その日の気分で、お客様との約束でもドタキャン、稀にすっぽかすこともありました。時間に遅れることは、日常茶飯事。
ズル休みもしょっちゅう、無断欠勤したこともあります。最悪は、ある日突然飛んだ(無断で辞めた)ことも。
当時の私が思っていたこと
今の私を知る人からすれば、そんな生活をしていたとは想像もつかないと思います。でも、当時の私は、

と思っていました。「私の人生だし、私が生きたいように生きて、やりたいようにやって、何が悪いの?」と。



・・・と、本気で思っていたんです。もう、完全に『自由』をはき違えている状態ですよね。
でも、当時の私は、『やりたいことだけをやりたい放題やること』を『自由』だと思い込んでいたのだと思います。
自分の言動によって、どれだけ周りを振り回し、どれだけ周りに迷惑をかけ、どれだけ周りを傷つけ、どれだけ周りが積み上げたものを壊しているか。
そして、自分の素行によって、どれだけ自分の信用を崩し、人間関係や与えられた環境を壊し、自分の価値を貶めていたか。
口だけはえらそうで、何にもわかっていませんでした。むしろ、

くらいに思っていました。まさに『クソホステス』だったのです。
約束を守らないホステス=約束を守らないお客様
『クソホステス』の代表のような過去の私。では、お客様にどんな扱いをされていたかというと、
- ドタキャンされる
- すっぽかされる
- ウソをつかれる
- 口説かれる
- 触られる
- 罵られる
- けなされる
- 席から外される
- お説教される
その他、数えきれないほど、雑な扱い。そして、それを『水商売ではあたりまえ』だと思っていました。
でも、「本気で仕事をしよう」と決めて取り組み始めた当初に、気分で仕事をし、気分で約束を守ったり破ったりする私を見た師匠から、



と、鼓膜が破れそうなくらい、大声で怒鳴られました。
いまの私は、師匠とまったく同じ意見です。自分が忙しくなって初めて、時間を奪われることがどれだけ苦痛なことか、痛いほど知りました。
また、予約をすっぽかすお客様には、売上の機会損失、待たせているお客様への申し訳なさなど、いろんな感情が入り混じって、腹が立ちました。同時に、

と、痛感し、反省しました。
自分が同じ目に遭わないとわからないって、人間って本当にあほですよね。相手の立場や状況をちょっと想像すればわかるのに。
あなたが約束を破られたら?
あなたは、約束を守らないお客様に対して、どう感じるでしょうか。
同伴をすっぽかす。予約して席を確保しているのに、連絡もつかない状態で30分近く遅れる。売掛金を期日までに払わない。
誕生日を祝ってくれると言ったのに、当日になって「気が乗らないから行かない」と言う。
こんな人を、信用して、大切にしたいと思いますか?
約束を破られると困る心理
あなたも、お客様にすっぽかされたり、売掛の約束を無視して飛ばれたら、とても困るはずです。なぜならあなたは、
- スケジュールの調整をする
- 予定までの準備の労力をかける
- これまでに手間や時間をかけて営業(連絡)をする
- さまざまなストレスに耐える
- その約束がなければやりたかったことをあきらめる
など、その約束を守るためにあらゆることをしたからです。約束を簡単に破られると、あなたは、こんな気持ちが湧くはずです。
- お店からの信頼を失う・怒られるという不安
- 実質的な損害が生じる恐怖(売掛の立替など)
- 「また次も私を裏切るのではないか」という猜疑心
- 自分の労力や努力が無価値化された怒り
- 自分が粗末に扱われたショック(傷付き)
- 存在を否定された虚無感
- それでもその人と付き合わなければならないストレス
- ホステスという仕事、お客様への不信感
この結果、極端に切り捨ててしまったり、仕事がイヤになったりしているはずです。
約束を破られることによって生じるものは、時間や労力の損失だけでなく、相手の存在否定や存在軽視なども含まれるからです。
良客であればあるほど「信頼と時間」に大きな価値を置く
あなたが軽はずみに破った約束の相手も、あなたと同じように、失うのは時間だけではありません。
お客様も、あなたと同様に、あなたとの約束を守るためにいろんなことをしています。良客と呼ばれる人たちは、あなたの何倍も忙しい相手です。
『質の良いお客様=「信頼と時間」に重きを置いている』ということがわからない人は、お金を稼ぐことができません。
そもそも、ビジネスで『信頼ができない相手と取引』ってありえないじゃないですか。
信頼できない会社から、あなたは買物しますか?約束なんかあってないようなもの、みたいなお店、行きたいですか?
約束されたものが提供されなかったら、「詐欺だ!」ってなりませんか?
あなたも同じように『仕事=ビジネス』として、ホステスをやっているのですよね。
なのに、お客様や取引先(お店、スカウト、コンサル、美容院等)との約束を、カンタンに破るなんて、おかしいと思いませんか?
ルーズホステス=クソ客様の大好物
現役時代から今日まで、たくさんのホステスを見てきました。その中で私が出した答えは、新人・ベテランかかわらず、また年齢も関係なく、約束を破る人は、
- 自己管理ができない
- 相手のことは考えない
- 目先の損得でしかない
- 情緒不安定でムラが多い
上記に当てはまる人は、よほどのことがない限り、変わらない。これが、大勢のホステスを見てきた『現実的な結論』です。
言動のムラはクソ客様の大好物
そして、そういうあなたを気に入ってくれるのは、色恋目的のお客様、いわゆる『クソ客様』しかいないのです。
なぜなら、クソ客様は、あなたと良い人間関係を築くことが目的ではなく、自分の欲求を満たすために、あなたを利用したいだけだからです。
だから、あなたがどういう人間だろうと、何を望んでいようと、どうでもいいのです。
クソ客様が見ているのは、あなたの中身や魅力ではなく、『あなたが無意識に見せる隙』。
言動にムラがあり、情緒不安定で、気分が落ちたときにだれかに甘えたくなる、そんなあなたの『一瞬の隙』を狙っているだけです。
そんな人に、利用されたいですか?
あなたは『あなた』を信用できますか?
誰にでものっぴきならない事情が発生することもあります。でも、考えてみてください。
あなたは、言葉と行動が一致しない人を「信用できない」と思うのですよね。
払うと言って売掛を払わない人、お店に行くと言って来ない人、同伴すると言ってドタキャンする人などは、信じられないですよね。
きちんと約束を守ってくれる人だからこそ、その人を信用できるのですよね?
では、あなたはどうでしょうか。
自分が言ったこと、自分が交わした約束、守れていますか?小さな約束ひとつ守れなくて、どうやって信頼を築いていくんですか?
言葉と行動が一致しない自分を、どうやって信じるのですか?
約束を守れない、気分でドタキャンしてしまうあなたは、きっと自分に自信がないはずです。そして、そんな自分が、大嫌いなはず。
少なくとも、私はそうでした。だから、だれかに認めてほしかったし、自信を持てる何かを探していたと思います。
本当に評価されたいなら
「自分には自信がない」
「人に認めてもらいたい」
そう自覚しているのならば、まず、ひとつひとつの約束を守りましょう。今ある約束の中に、実現できそうにないものがあるなら、早いうちに断りましょう。
断り方が分からない、「できそうにないか・できるのか」の区別すらつかないなら、そこから相談するといいです。私でよければ、いつでも相談に乗ります。
とにかく、自分が自分を失敗させる原因、自分が自分を裏切る習慣は、もう捨てましょう。
その結果、あなたの評価は何かしらの形で一旦下がるかもしれません。
今まで取り繕ってごまかしてきた分、ひどいことを言われて、傷付くこともあるかもしれません。
でも、そのままでいれば、あなたは望む未来を手にすることはできません。
理由はどうあれ、約束を守るということができない以上、理解はされても、受け入れてくれる場所は少ない。
ましてや、人よりも良い結果を出したいと思うのであれば、なおさらです。『こんな人と付き合いたい』と思う人に、あなた自身がなることです。
最後には『自分』しかいない
最後の最後に、自分を信じてあげられるのは自分だけです。そして水商売は、そういう世界です。それは、あなたも知ってるはず。
いざというときに、一番信じて、頼りにしないといけない自分を、あなたは信じてあげられない。
それでは、あなたを応援してくれるお客様のことも守れません。
本当に色恋抜きで売れたいのなら、良客に信頼してもらえる自分になりましょう。
この子なら絶対に大丈夫、誰を紹介しても安心して任せられる。そういう自分になりましょう。
その一歩として、まずは「小さな約束」からきちんと守る。これを習慣づけてください。
ホステスの心得