同じ話をくり返すお客様の対処法知ってる?

こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
『何度も同じ話をするお客様』との会話は、ホステスにとってめずらしくない光景です。
何しろ、お客様は酔っています。私も、「この前も聞いたな~」どころか、延々と何時間も、繰り返し同じ話を聞いたことがあります(笑)ここで、
- さっきも聞いた
- 何回も聞いた
- 前にも聞いた
- 何回同じ話をすれば気が済むの
- しつこい
- うざい
と言っちゃうと、もはや聞き上手でも何でもありません。言葉に出さないまでも、そういう表情で聞いているのも、結果的に同じことです。
対処法として、よく「聞き上手になろう」的な書籍では、こう書いてあります。
同じ話でも、毎回初めてのように聞きましょう
うーん、これ、イマイチです。そうしたほうがいいケースもありますが、そうでないケースもあります。
- 前の会話を覚えているか
- 自分が言ったことを理解しているか
を確認するために、同じ話をしているお客様もいます。話したか記憶にないけれど「覚えてるよ」と言われてとても嬉しい、ということだってありますよね。

って、なりますよね。「聞いたよ」と言っちゃいけないわけじゃないんです。言い方の問題なんです。
この記事の目次
違う視点から質問をしてみる
「聞いたよ」と伝えることは、「覚えてるよ」というメッセージでもあります。些細なことほど、覚えていてくれると嬉しいものですよね。
でも、わざわざ「この前聞いた」なんて言い方したら、逆に気分悪くなっちゃいます。なので、こんな言い方をするといいのです。


「もちろん覚えてるよ」というメッセージに、【まだ聞いていない部分】への質問を付け足すだけです。
たとえば、あなたがかれこれ1時間ほど、同じお客様に同じ話を聞かされているとしましょう。共感もした。一緒に怒ったり驚いたり、感情も見せた。
でも、お客様は、延々と会社の愚痴を言ってます。

と、あなたは内心うんざりです。そこで、話を少しずらすためにも、こういう言い方をしてみましょう。



未来に質問を向けることで、少し話題がそれて、同じ話題でも新鮮さが出ます。
- 覚えてるよ
- 未来(聞いていない部分)への質問
を意識して、切り返してみましょう。ゲームのつもりで、どう話が進んでいくか、じっくり観察してみてください。
『相手が気分よく話せること』をサポートするのが、聞き上手のスキルです。話を膨らませるスキルでもあるので、ぜひチャレンジしてくださいね。
人柄や価値観に注意を向けてみる
「お客様に関心を持ちなさい」というのは、多くのホステスにとって、私が想像する以上にむずかしいようです。関心があるのは、
- お客様がいくら使えるか
- お客様がだれを指名するか
- お客様が自分を気に入ってくれるか
でしかなく『お客様がどんな人なのか』に関心を持てないのですね。でも、思うのです。

と。特に、同じ話をくり返すお客様だとうんざり感も手伝って、さらに興味は消え失せ、「この話に得るものはない」とシャットアウトしがちです。
本当に『得るものはない』んでしょうか。そんなことはないです、むしろ『お客様がどんな人なのか』が丸見えになっていますよ。
自分の感情を横に置く
ここで大事なことは、『自分の感情を横において聞けるか』です。
人の悪口ばかり聞かされると、私もさすがに気持ちが萎えます。でもそれは、『言っている言葉や内容』に着目して、『自分の感情』で考えるからです。
彼氏の悪口を散々言われたら、腹が立ちます。これも、相手の発する言葉や内容を感情的に受け取って、感情的に考えているからです。
そこで、その感情を置いて、違う視点で聞いてみる。これができると、同じ話でも苦にならなくなります。たとえば、

と、自慢話をくり返す人。その前後をよーく聞いていれば、
- 仕事以外に、成功体験や生きがい、居場所がない
- 仕事で我慢することが多い(多かった)
- 仕事依存症で、仕事がなくなると怖い
など、その人の『人となり』が見えてきます。また、延々と誰かの悪口を言う人も、
- 自分と向き合いたくない
- 粗探しをして優位に立ちたい
- 本当は同族嫌悪なのに、自分はそうじゃないと思いたい
- 人の弱みを握って、支配したい
などの心理が隠れている場合があります。どうですか?ちょっとおもしろいと思いませんか?
『なぜ?』を意識する
こんなふうに『なぜ、この話をしているのか』に視点が向くと、自然と人に関心が湧きます。また、自分自身の発見も増えるし、接し方もつかめるようになります。
何よりも、ストレスが軽減されたり、相手の言葉を真に受けて傷付いたり、腹が立ったりしなくていいので、快適です。
お客様のお話を聴くときには、内容も大切ですが、
- なぜ、この話をしているのか
- なぜ、その話をくり返すのか
- その話題から、お客様は何を伝えようとしているのか
に着目してみましょう。同じ話をくり返すお客様は、あなたに何かを訴えているのです。つまり、あなたにわかってほしいことがあるのです。
その「わかってほしいこと」が何なのか、よく考えながら聴いてみてくださいね。
「前に話した」とお客様が気付いた場合
初めて聞くように聞いたほうがいいかなーと思ったら、


と言われることもありますよね。そこで「うん、聞いたよ」と言うと、高い確率で、お客様は居心地が悪くなってしまいます。
冗談を言い合える関係性であればいいですが、問題は、
- 関係性が浅い
- 気難しい
- プライドが高い
といったお客様のときですよね。
良い話なら改めて聴く
良い話であれば、



などなど、にっこり笑って『もう一度聴きたい』という姿勢を見せるといいでしょう。
実際、いいお話は、何回聴いても飽きないものです。新たな視点で話が膨らむこともあるので、ぜひ続けていただいてください。
愚痴や不満なら吐き出してもらう
だれかの悪口や愚痴など、聴きたくない話は、「できれば早めに切り上げたい」と思ってしまいますよね。
でも、切り上げようとせずに、お客様が気持ちを存分に吐き出せるよう、サポートするように聴きましょう。
私は、くり返し同じ愚痴をこぼすお客様が、


と言ったとき、



などのコメントをして、続きを話してもらうようにしていました。切り上げること、話題を変えることばかり考えずに、
『気持ちを吐き出させる』
を意識して、コメントや質問をしていきましょう。また、切り上げよう、話題を変えよう、とすることは、お客様の話したい気持ちを否定・拒絶する行為です。
それがお客様に伝わると、分からせようと意地になって話に拍車がかかったり、終わりの見えない会話になったりします。
その話題自体が他の席へ迷惑をかける、というものであれば別ですが、差し支えないのであれば、吐き出せるようにサポートしてあげてください。
ホステスの心得