そこのあなた!「コミュ力」を誤解してますよ!
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
13年のコンサル人生で痛感すること。それは、「ほとんどの売れないホステスは、コミュニケーション能力を大きく誤解している」という点です。
あなたも、こんなふうに考えたことはありませんか?
- 会話が上達すれば、コミュニケーション能力が上がる
- 文章が上達すれば、コミュニケーション能力が上がる
あるいは、こんなふうに考えたことがあるかもしれません。
- コミュニケーション能力が高ければ、思い通りに人を動かせる
- コミュニケーション能力が高ければ、相手に分かってもらえる
「大ハズレ!」とは言いませんが、コミュニケーション能力の本質からは、大きくかけ離れています。
というわけで、今回は『コミュニケーション能力』についてお話しします。
この記事の目次
多くのホステスが誤解している「コミュニケーション能力」
先述したように、多くのホステスは、コミュニケーションを誤解しています。コミュニケーションとは、
- どう言えば相手に伝わるのか
- 何をすれば相手を(思い通りに)動かせるのか
- どう話をすれば相手に話を聞いてもらえるのか
- どうすれば人に好かれるのか
- 何ができればスムーズに人と関係を作れるのか
といった複雑なものではありません。あくまでもこれらは結果論であってコミュニケーションの本質ではない。『コミュニケーション』をカンタンに言うと、
- 発信
- 受信
という、シンプルなものです。
『発信』とは
『ブログ記事』で考えてみましょう。
- 記事を書く人が
- 「共有したいこと」を
- インターネットを介して
- 『活字』という方法で公開する
これが『発信』です。私を例にすると、
- 私が
- 情報や体験などを
- ブログを使って
- 記事を書いて公開する
という状態ですね。
私はいつも、「1人でも多くのホステスさんたちに情報や体験、思いを共有したい」という気持ちで『発信(書く・公開する)』をしています。
『受信』とは
『受信』とは、
- 情報を探している人が
- 『読みたい記事』を読む
という状態を言います。ブログ記事で言うと、
- 仕事で悩んでいるホステスが
- キーワード検索をして
- 検索結果の中から『読みたい記事』を読む
ということになります。読む人は、「知りたい情報を共有してくれる記事かな?」という気持ちで『受信(読む)』をしているはずです。
コミュニケーション=情報の共有
こうやって、『情報を共有すること』がコミュニケーションの本質です。
つまり『コミュニケーション能力がない(低い)』という状態は、「相手と情報を共有できない状態」と言い換えることができます。
コミュニケーションの最大の壁とは
では、なぜ「相手と情報を共有できない状態」が生まれるのか。残念ながら、人には、
- 発信された中から『受信したいことだけ』を受け取る
- 発信された内容を『受信したいように』受け取る
という性質があります。
受信したいことだけを受け取る
たとえば、黒服から、「もっと積極的に話しかけないと、お客様に覚えてもらえないよ」と、少しキツめに言われたとします。
言われた側のホステスが「もっと積極的に話しかけて」「お客様に覚えてもらえるように努力して」という言葉を受け取りたくなくて、
- 黒服から怒られた
- 黒服から否定された
- 黒服からいやなことを言われた
という『相手が発した負の感情だけ』を受け取ることがあります。これは、仕事をしたくないホステスに多い事例です。
これが『受信したいことだけを受け取る』という状態です。
受信したいように受け取る
たとえば、お客様が「かわいいね」と言ったとします。言われた側のホステスが、
- 嫌味かな
- 誰にでも言ってるんだろうな
- この人も口説こうとしてるのかな
と受け取ることがあります。これは、外見にコンプレックスのあるホステスに多い事例です。
「かわいいね」という言葉を捻じ曲げて受け取ってしまいます。これが『受信したいように受け取る』という状態です。
人は「自分が望むこと」しかしない
あなたにも覚えがあるはずです。「相手が伝えようとしたことと自分の解釈が全然違った!」ということが。
人は、聞きたいことしか聞かないし、知りたいことしか知ろうとしないし、受け取りたいこと以外は受け取りません。
あなたがどんなに巧みな話術を持っていても、素晴らしい知識を持っていても、文章スキルに長けていても、相手にとって興味のないことは、
- 聞かない
- 知ろうとしない
- 受け取ろうとしない
これが、コミュニケーションを複雑にする原因です。
会話ノウハウがあってもコミュニケーションが取れない理由
会話ノウハウがあっても、コミュニケーションが取れないホステスは大勢います。
「こういうときは、〇〇と言う」
「こんな人には、〇〇の話を振る」
「こう言われたら、〇〇と切り返す」
といったノウハウを持っていても、お客様と会話が弾まず、悩んでいるホステスが多い。なぜなら、「お客様と何かを共有したい」と思っていないからです。
お客様に気に入られること、同伴や確約を取ること、いかにお客様を楽しませるか、などに意識が向きすぎているのです。
その前に、「お客様と楽しい時間を共有したい」と思えていますか?
『お客様を楽しませること』と『お客様と楽しい時間を共有すること』は違いますよ。
『いかにお客様を楽しませるか』を考えるのは、あなたが力みすぎている証拠です。考えてみてください。
友達や恋人と会うとき、「自分が何をしたら相手を楽しませられるかな」と考えながら過ごしていますか?
そんな緊張状態で、あなたはその時間を楽しめるのですか?何かしなきゃ、何か言わなきゃ、と焦っている人と一緒にいて、リラックスできますか?
お互いがリラックスしていて、お互いが「今日は楽しもう」と思っているから、いい時間を過ごせるのでは?
「このお店はこんなに楽しい場所だよ」
「人と話をするってこんなに楽しいんだよ」
「ぜひあなたにもそれを共有したい、一緒に楽しんでほしい」
そういう『気持ち』がないと、スキルもノウハウもうまく使いこなせないのではないでしょうか。
だからこそ、まずは、『あなたがお客様と「楽しい時間」を共有したいと思っているか』が大事なのです。
会話の練習をして上手になるのは会話、文章の練習をして上手になるのは文章。
会話や文章のスキルを磨いても、あなた自身に「共有したいもの」がなければ、そのスキルは活かせません。
コミュニケーション能力とは何か
では『コミュニケーション能力』とは、いったい何の能力を意味するのか。コミュニケーション能力を別の言葉に言い換えるなら、『察知能力』です。
人の心を読め、とまではいかなくても、しっかり観察眼が養われていれば、相手の気持ちを察することはできます。
仮にあなたが芸能人並みに会話上手でも、作家並みに文章上手でも、
- 相手が聞きたいこと
- 相手が知りたいこと
- 相手が受け取りたいこと
この3つを汲み取れるか、想像できるか、によって結果は大きく変わります。
相手の気持ちをキャッチせずに話しても、何ひとつ伝わりません。それがどんなに素晴らしい話であっても。
とりあえず、相手に興味を持つことです。たとえば、「俺は昔、ワルだったんだぜ」と武勇伝を語るお客様、いますよね。
大抵のホステスにとっては、「はあ・・・」レベルの話題で、興味は持てないと思います。そういうとき、私は、
- この人はどういう環境で育ったのかな
- 昔のことを語るということは、いまが充実してないんだろうなあ
- 何回この話をしたんだろう
- いままでこの話を聞いてきたホステスは「すごーい!」とはやし立てたんだろうなあ
- 武勇伝語る人の心理ってどうなってるんだろう?
などなど、話している内容ではなく『お客様自身』に興味を持っています。
私は心理学が好きなので、お客様の行動の奥にある心理に興味を向けるようにしています。
「興味を持てない」と切り捨てずに、『興味を持てる部分』をあなたなりに見つけましょう。
また、あなた自身も常に「俺の話に興味がある人かな?」という目でお客様から見られていると思ったほうがいいですね。
興味があるかないかは、相槌ひとつですぐに分かるんですよ。相手を見ていないから、相手の気持ちをキャッチできない。
相手を見ていないから、相手が受け取れるボールを投げられない。それだけのことです。
ちゃんとコミュニケーションが取れると会話の巧みさなんて二の次だということに気づくはずです。
まとめ
- コミュニケーション=発信&受信
- 『何かを共有したいと思えているか』が重要
- コミュニケーション能力=気が利くか
『自分がどう思われるか?』は、一旦横に置いて、お客様に興味を持ち、お客様のお話に好奇心を持ちましょう。
そして何よりも、「お客様と楽しく過ごそう(私もその時間を楽しもう)」という気持ちで、お客様と接してみてください。
たったそれだけで、お客様の反応が変わるはずです。
ホステスの心得