べき論(禁止令とドライバー)

べき論(禁止令とドライバー)
MTSコース

▼ ここまでのお話

「べき論」は分かりやすいですね。分かりにくいのは「禁止令とドライバー」でしょうか。これは交流分析の分野で、

  • 禁止令・・・無意識に自分を押さえ込む心理
  • ドライバー・・・無意識に自分を焦らせる心理

のことです。交流分析以外の分野では、誤認知とかトラウマ(心の傷)とも言いますね。自己啓発系で多いのは、ネガティブ思考パターンでしょうか。

これだけ多くの表現があるということは、それだけ多くの人が「べき論」を抱えて苦しんでいる、ということですよね。

セッションの場でも、ほぼ毎日繰り返されています。一番多いのは「うまく話せない」「うまく書けない」ですね。

[st-kaiwa1]うまくなきゃいけない理由は何だよ!うまいわけないだろ、まだやってもいないのに![/st-kaiwa1]

といつも心の底から思っています(笑)そんな私も、昔はなかなかのべき論者で、自分をがんじ絡めにし、痛めつけていました。相反する感情があると葛藤が生まれるので、どうしても行動量が下がってしまいますね。

そこで本記事では、

  • べき論(禁止令とドライバー)とは何か
  • べき論(禁止令とドライバー)のパターン
  • べき論(禁止令とドライバー)が多いとどうなるか?

について解説します。

 

べき論(禁止令とドライバー)とは

「べき論」とは、

  • ○○すべきだ
  • ○○してはいけない

などの思考で、

  • 禁止令・・・無意識に自分を押さえ込む心理
  • ドライバー・・・無意識に自分を焦らせる心理

です。この自動思考は行動を妨げ、ミスと自己否定を生み、行動量が下がります。真面目な人に多い思考ではありますが、一般的には「約束に遅れてはいけない」とか「約束は守るべきだ!」とかですね。

このべき論は、一般的に良しとされているものが多く、発見しづらいという弱点があります。なので、歪みが極端で分かりやすい虐待児の話で説明しますね。

 

べき論の強い虐待児の体験談

私は生粋の元虐待児ですが、10代のころ本気でこう思っていました。

「隙を見せたら殺される」

なので、私の最大のべき論は「敵(人)に隙を見せてはならない」という、スナイパーのような禁止令でしたw

でも反面では、人に心を許したい、オープンに人と付き合いたい、ゆったりとした気分で誰かと過ごせるようになりたい・・・といった願望も抱えていました。つまり、

  • 危険と感じる心
  • 安心を得たいという心

この180度相反する感情が常にブレーキとアクセルを踏み続けている状態だったわけですね。これはしんどいに決まっています。

※ちなみに今はスキだらけです(笑)

セッションで私が「○○すべきではないか」や「○○しなければならない」といった言葉を発することもありますが、あくまでコンサル的観点です。

個人的には、本人がよければ好きにしたらいいんじゃないかなっと思っています。

 

べき論(禁止令とドライバー)のパターン

「べき論」の思考パターンとしては、

  • ダイエット中は食べてはならない
  • 仕事でミスをしてはいけない
  • 上司なら部下をかばうべきだ
  • 不倫などすべきではない
  • 一旦約束したことは何があっても守るべき
  • 誘いを断ってはいけない
  • お金がほしいなどと言うべきではない
  • 子どもは黙って親の言うことを聴くべき
  • 親なら子どもを愛するべき
  • 社会人なら知っておかなければならない

など、挙げればキリがありません。こうした「べき論」を持てば持つほど、人の心には葛藤が生まれ、行動できなくなります。

たとえばあなたがダイエット中の場合、深夜にお腹が空いたらこう考えるはずです。

「お腹空いたな。何か食べたいな。でもこんな時間に食べちゃいけないな。」

ここで食べてしまうと罪悪感が生まれ、ダイエットに挫折します。ジムも同じですね。「行かなければ」という感情と「行きたくない」という感情がぶつかって、挫折します。

 

べき論(禁止令とドライバー)が多いと孤立する

「べき論」を多く持っている人ほど、人間関係に摩擦が生じやすく、孤立しがちです。なぜなら、人にもそれを強いるからですね。

かつ「べき論」に当てはまらない人をとても排他的に扱い、存在否定したり、バカにしたりします。つまり、優劣感と一体であることが多いのです。

たとえばあなたが「仕事でミスをしてはいけない」というべき論を持っているとします。

すると、ミスをする人が許せないので他罰的な言動をし、摩擦が生じます。他罰的な言動をしないまでも、怒りが抑えられずに不平不満が募ります。

そこに「そこまで言わなくてもいいだろう」と誰かに言われると、ミスした人だけでなく、そう言った人までシャットアウトする。そしてこう言います。

「あいつは使えない」
「あいつは仕事ができない」

こういう思考を持っていると、自分が何かミスをしたときにも、自分を責めまくります。

  • 私は仕事ができない!!
  • 私は使えない!!
  • 私は無能だ!!

そしてミスで責められることを避けるため、行動が取れなくなっていきます。まさに弊害ですね。

 

まとめ

  • べき論=アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態
  • べき論=当てはまらない人を排他的に扱う
  • べき論=孤独になる

 

一生懸命な人、真面目な人ほど、べき論にとらわれやすい傾向にあります。また、厳しく育てられた人もべき論に縛られやすいですね。べき論そのものが悪いわけではなく、

  • べき論にとらわれて自分や他人が苦しむ
  • べき論で葛藤が生まれ、得たい結果に対する行動ができなくなる

これがよろしくないのです。それ以外なら、べき論が有効な場合もあります。プラスに使えるようになるとベターですね。

 

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ホステス専門アドバイザー秋好玲那(管理人)

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