【実録】ホステスの間にいじめはあるのか?私が経験した2つの事件
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
いじめられていました。私が水商売の世界に入ったのは16歳、いまから28年前のことです。
当時は、それはそれは迫力のあるママ、お姉さまが大勢いて、日夜バチバチの戦いが繰り広げられていました。
また、ママになってからも、いろいろありました。私はそれらを『いじめ』とは思っていなかったのですが、傍から見れば立派な『いじめ』だったと思います。
いじめって、ほんとに質が悪いですよね。グループ意識が強すぎるホステスほど、無意識にいじめ加害者になります。
その中でももっともインパクトのあった、
- 「泥棒猫!!」事件
- 「女の嫉妬はコワイ!!」事件
を赤裸々にお送りしたいと思います。
この記事の目次
高級クラブでのいじめ!?非常階段で往復ビンタ!
髪をつかまれ、往復ビンタを食らったのは、17歳のとき。そのころは担当制の高級クラブで働いていました。
お店の中で一番気性の激しいAさんというチーママがいて、みんなAママの顔色を伺いながら働いていたんです。私は周囲を気にしない性格なので、
「Aママには気を付けてね」
と言われても、どこ吹く風で気にせず
仕事をしていました。
きっかけはAママ顧客の担当替え
あるとき、Aママのお客様であるBさんが、「Aママから玲那に担当替えをしたい」とお店に申し出たんです。
担当替えの理由は、Aママの気性の荒さにBさんが辟易してしまったから。
Bさんは確かに気の強い女性を好んでいましたが、何かあるとヒステリックに騒ぎ立てるAママに疲れてしまったそうです。
それに比べると、私は気が強く自己主張はするけど、ヒステリックに騒ぐわけではない。
それで白羽の矢が立ち、私をご指名
くださったという経緯がありました。
しかしながら、『何かあるとヒステリックに騒ぎ立てるAママ』が担当替えをおとなしくOKするわけがなく^^;
「この、泥棒猫!!」
翌日出勤すると、あざができるほど力いっぱい腕を引っ張られ、非常階段で「人の客に手出しやがって、この、泥棒猫!!」と言われました。
その瞬間の私の心境は、
セリフを言う人がいるんだ!!
と、もうおかしくておかしくて、ちょっと笑ってしまったんですよね。
そうしたらAママがヒートアップして、髪をつかまれ、あらゆる罵詈雑言をあびせられながら、20発くらい叩かれましたw
頭も叩かれましたけど、頬が腫れ上がるくらい往復ビンタを食らいましたねー。
「この売女!!」
「この街で働けないようにしてやる!」
「だいたい生意気なんだよっ!!」
「人生終わらせるぞコラァ!」
などなど、ヒステリックに騒いでいらっしゃいました。
と心の中で思っていた私、我ながらハート強いです。この出来事が原因でAママはお店をクビになってしまいましたが、
『笑ってしまった私も悪かったかな』
と、ほんのちょっぴり反省しています(ウソです、全然反省していません笑)。
他店ママからのいじめ!お客様の前で大声で罵られる
お客様の前で大声で罵られたのは、雇われママになったときです。しかも、罵っていた相手は、他店のママ。
そのころはマスターのいる30人規模の中箱で働いていて、
「赤字続きのお店を立て直してほしい」
というオファーを受けてママになったという経緯がありました。
店内で幅を利かせる女の謎・パート1
実際に入店してみると、マスターの彼女が幅を利かせていたんですね。
しかも、お店で働いているわけでもなく、ただ飲みに来ているだけなのに、女の子たちに指示を出すんです。たとえば私が、
「〇〇ちゃんは1番の席について」
と指示を出すと、その女の子が1番席に座って2~3分後に、
「〇〇ちゃん、3番の席に行って」
と、マスターの彼女が付け回しを始めるんです。謎でしょ?(笑)
『この女、邪魔くさいな~』と思いつつ『まあマスターの彼女だし』と状況を観察していました。
店内で幅を利かせる女の謎・パート2
入店から1ヶ月が過ぎたころ、
という声が、女の子たちから上がってくるようになりました。これはさすがによくないので、何度もマスターと話し合いをしたところ、
「ママは玲那なんだから、口を出すな」
とビシッと言ってくれました。この言葉を聞いた彼女は、なぜか『自分の彼氏を奪おうとしている』と思い込んだんです。『謎・パート2』ですよ。
と心の中で100回は叫んだと思います。
ホステス人生でもっともブチ切れた瞬間
そしてあるとき、満席かつ3~4回転する忙しい日に、いつもどおり彼女が私の指示に対抗するかのごとく、勝手に女の子たちに指示を出していました。
お客様は不満そう、女の子たちは困って私に「どうしましょう」と言ってくる、彼女のせいでお店が回らない。
沸々と怒りを抱いていた私は、とうとうマスターを外に呼び出し、
と、ブチ切れてしまい、私の剣幕に怯んだマスターは、その直後に彼女を店から追い帰しました。
謎の反撃!3ヶ月にわたるいじめスタート
そこから彼女の反撃がスタート。自分の行きつけのお店のCママを連れて、客として飲みにくるようになります。
飲んでる間、お店中に響き渡る声で、Cママが延々と私を罵るわけです。
「あの女、生意気!」
「人の男に手出しやがって!」
「何がママだ、偉そうにすんな!」
「あの女がいるだけで気分が悪い!」
などなど。その状態が3ヶ月くらい、毎晩続きました。ときには、ボックス席から、2~3m先の席で接客をしている私に、
「お高くとまってんじゃねーよ!!」
と、おしぼりを投げつけてきたこともありました。当然、他のお客様からは、
「なんだ、あの品のない女は」
「あんな女を店に入れるな」
と、クレームの嵐ですよ。『いい加減にしてくれよ・・・』と思いながら、ひたすらお客様に頭を下げる日々。なぜ私が何も言わず耐えていたかというと、
- 私が言ったことは間違っていない、と自信があった
- マスターが毎回頭を下げてきたので、ある時期までは顔を立てようと思った
この2つの理由があったからです。
すさまじい手のひら返し
と思っていた矢先、Cママが結婚してホステスを引退するという話を耳にしたんですね。そこで私は、バカラのペアグラスと胡蝶蘭をお祝いとして贈りました。
いつもご指導いただき感謝しております。心ばかりですが、気持ちだけでも受け取っていただけますと幸いです。
という内容のお手紙を添えて。すると、Cママの態度が一変したんです。
「今まで申し訳なかった」
「あのママは、できたママだ」
「私の文句にも尻尾を撒かず、根性がある」
と、急に大絶賛してくれるようになりました。
私が心からお祝いの品を送ったかというと・・・「これで黙るんじゃないかな」と、計算して贈りました、ごめんなさいwww
同時期に、当時付き合っていた恋人を、マスターとマスターの彼女に紹介したところ、彼女は安心したようで、
「あんな彼氏がいたら、あんたなんか相手にされないわよー!」
と、ゲラゲラ笑いながらマスターに言っていたんです。女って怖い・・・(笑)
現代は『いじめ』はあるのか?
では、現在の水商売ではどうでしょうか。
ドラマなどではキャッチーに『バチバチに戦うホステスの姿』が描かれています。が、実際にはなかなかお目にかからない光景です。
私から見ると、ドラマに出てくるあのバチバチ感は、昭和~平成初期の雰囲気だと思います。
ただ、SNS全盛期には、キャバクラで悪質ないじめが横行していました。
ターゲットとなったキャストの携帯から顧客やプライベートの情報を抜き出し、SNS上に拡散する・・・といういじめが一部であったことは事実です。
でも、それも現在ではほとんど聞きません。昨今のホステス同士のいじめとしては、
- 無視する
- お客様の前で遠回しにバカにされる
- 急に意図的にお席から外される
など、表面的にはわかりづらいものになっているなと感じます。
叩かれたり、罵倒されたり、といったやり方もどうかと思いますが、個人的には、無視や席から外すなどのほうが悪質だな、と思いますね。
精神的にジワジワ追い込んでいくあたりが、私としてはイラッとします。
まとめ
28年にわたり、水商売を見てきた私の見解としては、
- 私の時代は暴力的なものが多かった
- ドラマで見るバチバチ感は昭和~平成初期の雰囲気
- 現在は精神的ないじめが多い
という印象です。いずれにしても、いじめをする側って「しょーもない人間だな」と思います。
仕事に私情を挟む時点でプロ失格だし、戦いたいなら正々堂々と戦えばいいのにやることが姑息ですよね。
私のように周囲を気にしない、ある程度ハートが強い人間ならまだしも、気の弱いホステスさんは本当に精神をやられてしまうと思います。
もしあなたが誰かからいじめに遭っているなら、内外問わず、助けを求めてくださいね。信頼できるママや黒服などに、遠慮せず相談しましょう。
信頼できるママや黒服などに、
遠慮せず相談しましょう。
ホステスの心得