人間関係の質が上がる魔法のテクニック
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
『会話スキル』『接客スキル』そんな言葉に、振り回されていませんか?ホステスという仕事は、
- どんなスキルがあるか
- どんなことができるか
といったこと以上に、『いかに質の高い人間関係を構築・維持できるか』が重要になります。
なぜなら、人間関係を築いていくこと自体が売上に直結する仕事だからです。
これはお客様との関係性に限らず、黒服やママ、お姉さんとの関係性などすべて含まれます。
あなたが仮に「饒舌に話せる」というスキルを持っていたとしても、それだけでは仕事は成り立ちません。
「お客様に楽しんでいただくこと」をゴールとした場合でも、饒舌に話せる人がいる傍らで、
- 水割りを作ったりテーブル周りを整えたりしてくれるヘルプ
- お店全体を回してくれる付け回し
- ボトルを管理手配してくれるボトル係
- グラスや灰皿を取り替えてくれるウエイター
- お客様のお荷物を管理してくれるクローク
- お会計を担ってくれるキャッシャー
など様々な人がそれぞれに任務を全うしてくれて初めて「楽しんでいただく」というゴールが達成できます。
良い仕事をするには人間関係の質が大きく関わってくるのですね。
そのために役立つ「チェックイン」という方法があります。この記事では人間関係の質を高めるための「チェックイン法」について解説します。
コミュニケーションの目的は?
チェックイン法を知る前に、基本的なことをおさらいして、念頭に置いておきましょう。
コミュニケーションの目的とは何でしょうか。何のためにコミュニケーションを取る必要があるのでしょうか。
売上を上げるため?お客様に来店していただくため?自分を分かってもらうため?相手を思い通りに動かすため?
人によって答えは異なるかと思いますが、コミュニケーションの最大の目的は、『お互いを知るため』です。
コミュニケーションは互いの発信・受信で成り立っています。
仮にそれが「受け入れ難いもの」であったとしても、とりあえず相手が何かを発信すれば、あなたはそれを受信することになります。
たとえば、お客様が「ブス」と言ったとしましょう。
あなたは大変気を害すると思いますが、耳に入った以上は「ブス」と発信した言葉を受信した、ということ。
この時点でコミュニケーションは成立しているわけです。では、これで何を知れるかというと、
- この人は平気で「ブス」と言える人(かもしれない)
- この人は目の前の人が傷つくということを考えられない人(かもしれない)
- この人は「ブス」と言うことで相手の出方を見る人(かもしれない)
というように「こういう人かもしれない」という可能性がわかります。
たとえば、「相手の出方を見ているのかな?」と捉えれば、あなたはそれに応じた発信をすることになるでしょう。ノリの良い切り返しをするかもしれません。
そうすることで今度はあなたが「そんなこと気にならない人間ですよ」というメッセージを発信するわけです。
つまり、『お互いがどういう人間かをあらゆる形で発信・受信する』これがコミュニケーションの目的です。
なぜ、仕事においてコミュニケーションが重要なのか?
では、なぜ仕事においてコミュニケーションが重要なのでしょうか。お店にはいろんな立場の人がいて、それぞれに役割や業務を担っています。
たとえば、私たちはホステスなので、お客様とお席で会話をしたり、お酒を作ったり灰皿を交換したりします。
その間、黒服やクローク、キャッシャーが何をしているか、あなたはすべて把握できていますか?
彼らの担っている業務や役割を、明確に理解できているでしょうか。これはおそらく、長くホステスをやっている人でも、正確には分からないはずです。
逆も同じです。黒服はホステスの業務や役割を明確に理解はできません。なぜなら、その業務をやったことがないから。
経験がないことは、知識と想像でしか補うことはできません。知識と想像力が乏しいと、なおさらわかりません。
これを現場で唯一埋めてくれるのが、コミュニケーションです。
関係性の質を高める「チェックイン」に挑戦
良質なコミュニケーションに役立ってくれるのが、「チェックイン」という方法です。これは本来、ミーティングの場などで使われる手法で、
- スタート前に心と体の準備をする
- 等しく発言する場を作る
- 互いの状態を聞いて安心感を高める
という目的で行われます。実際には、質問が書かれたカードをランダムに引いて、その問いに答えるというものです。カードには、
- このグループが持っている当たり前(常識)や思い込み(前提)は何だと思いますか?
- 今、必要なこと、不要なことは何ですか?
- 今、困っていることは何ですか?
といったことが書かれてあり、ランダムに問いかけられることによって、
- 「この人は裏に何か意図があるのではないか」といった邪推を防ぐことができる
- 瞬間的に感じたことを答えられる
といったメリットがあります。つまり、『今この瞬間の相手や自分の状態を見ること=チェックイン』ということです。
これは通常の人間関係にも応用することができます。私も、コンサルで実際に使います。
- 今日、私に質問したいことは何ですか?
- 今日、私と話したいことは何ですか?
- 今日、私に聴いてほしいことは何ですか?
- 今日、得たい回答は何ですか?
- 今日、私と共有したいことは何ですか?
といったチェックインの質問をあらゆる形で投げます。この手法をお客様やスタッフ間でも、日常的に行うと関係性の質が高まります。たとえば、
- (今日の)体調はどう?
- (今日の)調子はどう?
- (今日)私に何かしてほしいことはある?
- (今日は)忙しかった?
- (今日は)1日楽しく過ごせた?
- (今日は)疲れてるみたいだけど何かあった?
というように「今」の相手に「チェックイン」する。この意識を常に持っていると、受け身姿勢も改善される上に、相手もあなたを理解しようと動き始めます。
まとめ
- コミュニケーション=互いを知る方法
- チェックイン=「今」の状態を知る質問
- チェックイン法を使うと相手も同じように動き始める
何気ない会話で例をひとつ挙げると。「今日は暑かったね」とだけ伝えて会話を始めようとするのは受身の会話です。
ボールを投げれば相手が答えてくれる前提(思い込み)で会話をしているからですね。これをチェックイン法に変えると、
「今日は暑かったね、体調崩したりしてない?」
という言い方になります。これだけでも心配りが伝わるし、相手を気にかけていることがメッセージとしてわかりますよね。
この繰り返しが関係性の質を高めてくれる、ということです。ぜひ日常に取り入れて、良い人間関係を築いてください。
ホステスの心得