元ナンバーワンが思う『良いお客様』の特徴
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
『良いお客様』の基準は、ホステスによって、お店によって、それぞれだとは思います。
本記事では、元ナンバーワンとして、元ママとして、そして2010年から10年間大勢のホステスさん見てきた立場から、
- 地域・年齢・職種問わず
- クラブ・ラウンジ・スナック・キャバクラなどジャンルも問わず
- ヘルプホステス・売上ホステス・ママなど立場も問わず
オールマイティに見た『良いお客様』の共通点を挙げてみたいと思います。
ホステスを職業だと認めてくれるお客様
大前提として、ホステスを職業だと認めてくださる方です。
どんなに大金を使おうと、どんなに社会的地位があろうと、水商売というだけでホステスを下に見ているような人は、正直言って『良いお客様』とは言えません。
私の経験からすると、ホステスを下に見るお客様は、接する女性によって言動が変わります。
仮に私のお店で紳士的に飲んでくれたとしても、他店では女の子には何をしてもいいくらいに振舞っていたり。実際、そういう話は何度も聞きました。
また、コンサルを通して見聞きする中でも、ホステスを見下しているお客様と接することが多いホステス達は、精神的に不安定になりがちです。
嫌なことを言われるし、ストレスがかかるので、当然ですよね。
反面、ホステスをひとつの職業だと認めてくださるお客様は、どこへ行っても誰と接しても、言動は変わりません。
それどころか、職業でもてなしてくれていると分かっているおかげか、
- 感謝してくださる
- 労ってくださる
- 助けてくださる
- 絶対に無理をさせない
こういったことがとても多いと実感します。私自身もそうしたお客様方に支えていただいて、何度も救われた気持ちになりました。
それが次の糧になり、またがんばろうと思える源になっていたと思います。
ホステスをビジネスとして応援してくださるお客様
ホステスを職業だと認めてくださるお客様を顧客にできると、そのお客様は必ず、ビジネスとしてホステスを応援してくださるようになります。
色恋などではなく、私たちホステスの利益を考えてくれるようになるのですね。私のお客様の実例を具体的に挙げると、
- お店が混んでくると、スッと席を空けてくださる
- 少し暇そうだなと思うと、余分にボトルを下ろしてくださる
- お酒が飲めなくても「祝い金だから」とイベント時にシャンパンを抜いてくださる
- 満席で座れなくても「いいことだ」と喜んでくださる
- 忙しくしていても「いいことだ」と許容してくださる
- 長く席にいると「大丈夫か」と心配してくださる(笑)
- イベント時に祝儀だけを置いていってくださる(落ち着いたころに改めてご来店くださる)
- たくさんの人脈を可能な限りご紹介くださる
などなど、挙げればキリがないほどです。もちろんアフターフォローは必須ですが、そんなことでは到底追い付かないほど。
お客様というより、私というホステスに出資してくださっているような感じでした。それだけに、耳の痛いこともたくさん言われました。
お叱りもたくさん受けました。プロとして見てくださるので、やはり厳しいです。でも、こういった方々のおかげで飛躍的に成長できたと痛感します。
コンサルでは、『自分に優しくしてくれるお客様』を好み、耳の痛いこと・厳しいことを言われるとそのお客様に苦手意識を持って距離を取るホステスが多いです。
これはもう、隠しようのない事実です。でも売れていくホステスほど、プロとして厳しい目を向けてくださるお客様を大事にしているのも事実。
自分の成長にそういう存在が欠かせないことを、売れていくホステスは分かっているんだな、と感じます。
ホステスをひとりの人間として見てくださるお客様
そして、何よりも重要なのは、ホステスをひとりの人間として見てくださるお客様です。
ホステスとしてではなく、女性としてでもなく、ひとりの人間として、ひとりの人間の人生として受け止めてくださるお客様。
私は個人的に、ここがもっとも重要だと思っています。そして私のお客様には、この層がもっとも多かったです。
不思議なことに、全然売れていなかったころから、
- (私のことを)大事にしてくれる男と付き合わなきゃいけないよ
- おまえが元気で生活できてるならそれでいいよ
- 水商売の悪いところに染まるなよ
- 他の仕事では通用しないような人間になるなよ
- ちゃんと食べてるか?困ったら言えよ、できることはするからな
- 自分のために生きろよ、自分の信じた道を選べよ
- 自分のためにがんばれ、誰かの犠牲になるな
- 何でも教えてやるから、自分の理想の人生を描け
- 変な客を掴むな、質の悪い客に捕まるな、自分を安売りするな
といったことを多くのお客様に言われてきました。若いころにはそのありがたみが分からず、ずいぶんと不躾な態度を取ったものですが(恥)
今となっては「ありがたい」という言葉では表現し尽くせないほどの思いです。
こういった言葉や思いを投げかけてくださるお客様は、ホステスとお客様の壁を越えて、人として向き合ってくださっている証拠です。
こうしたお客様の存在は、ときに、または人によって、鬱陶しいと感じることもあります。
説教臭いところもあるし、「分かってるわ!」と言いたくなるときもあります(ありました笑)。
でも、親族でも恋人でも友達でもないのに、等身大を見て幸せを願ってくれるって、すごいことだと思いませんか?
下手したら恋人にだって「あなたが元気でいてくれればそれでいいのよ」なんて言えないですよね。
会いに来いだの、連絡しろだの、自分の要求ぶつけたくなりません?それをお金を払っているお客様が、自分の利益より私たちの人生を心配してくださるんですよ。
こんなありがたいことって、ないですよね。少なくとも私は「この人たちを大事にできなかったら人として終わってるな」と思いました。
まとめ
- 良いお客様=職業として認めてくださる
- 良いお客様=ビジネスとして応援してくださる
- 良いお客様=ひとりの人間として向き合ってくださる
キレイゴトに見えるかもしれませんが、ホステスとして、人として成長していくにも、お金を稼げるようになるためにも、こういったお客様の存在は本当に重要だと思います。
私たちの仕事は、お金に溺れようと思えばいくらでも溺れられるし、サボろうと思えばいくらでもサボれるし、都合の良い人たちだけを周りに置こうと思えばいくらでもそうできます。
嫌なら切ってしまえばいいだけ。でも、一目置かれるということは、やはり職業として、ビジネスとして認められるということなんですよね。
それはつまり、厳しい目を向けられることとイコールです。
だけど根底に「ひとりの人間」という思いを持って向き合ってくださるお客様は、厳しながらもあたたかいです。私たちを育てようとしてくださる。
厳しいながらも、長い目で見てくださいます。
お金を使ってくださるお客様は『売上として良いお客様』だと思います。もちろん、そういうお客様も必要です。売上がないとやっていけません。
ただ、自分のホステス人生を振り返ったときに、どんな人が良いお客様だったか?と尋ねられたら、大金を使ってくださったお客様方よりも、今回書いたお客様方のほうが私にとっては何百倍も『良いお客様』だったと思います。
今の私を作ってくれたのは、ここに書いたお客様方なので。
こうしたお客様方から受け取る対価に見合う自分になりたい。その思いで現役時代を過ごしてきた私にとっては、これが『良いお客様』です。
結果的に、私の売上の大半を支えてくださったのも、この方々。
ホステスをやってきてよかった。
最後にそう思いたいなら、お金や自己利益以外のところにも目を向けられるようになるといいのではないかな、と思います。