「前略」などの頭語はお礼状や詫び状で使ってもいいの?

「前略」などの頭語はお礼状や詫び状で使ってもいいの?
心得座学

こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^

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お礼状や詫び状、添え状などお手紙(封書)で「前略」を使うお姉さんが周りに多いのですが、失礼に当たらないのかな?とちょっと気になってしまいます。玲那さんはどう思われますか?使っていい場面や使わないほうがいい理由などあれば教えてください。

ご質問ありがとうございます^^

結論から言うと、原則として一部を除き「前略」などの略式頭語は使わないほうがいいと思います。私自身、現役時代に様々なお手紙を出して検証しましたが、最終的に『略式は使わないのがベター』と思いました。本記事では、

  • 「前略」など略式頭語を使わないほうがいい理由
  • 詫び状や添え状で前文(季節の挨拶や安否のご挨拶)を省きたいときの具体案
  • 「前略」など略式頭語を使ってもいい場面

について、体験談を交えながら解説していきますね。

 

「前略」など略式頭語を使わないほうがいい理由

こちらは第一に『マナーとしてよろしくない』という点があります。これはお礼状でも詫び状でも添え状でも同じで、目上の方に対して何かしらを略すという行為自体がマナー違反、という考え方があるからですね。

ホステスの場合、相手が年下でもお客様である以上は『目上の(立場の)人』となるので、略式頭語は失礼に当たる、と言えます。

ただそれ以上に私は「もったいない」と思うんですよね。

第一に、前文を省いてしまうと、単純に文字数が減るじゃないですか。その分だけ本文を多く書かなきゃいけなくなって大変になったり、やけに短い手紙になって薄っぺらい印象になったりするでしょ。もったいないですよね。

第二に、せっかく知性や常識面、季節感情緒感を見せられる部分なのに、削っちゃうのはもったいないと思うんですよね。普段の会話ではなかなか見せられないギャップを演出できる機会というか。

大半のホステスさんにとって、本文で情緒感を出すというのはハードルが高いと思うんですよ。大抵は「楽しかった」とか「会えて嬉しかった」とか「また会える日を楽しみにしてます」に収まってしまうじゃないですか。

そうなるとすごくチープな感じになっちゃうので、せっかく一生懸命考えて丁寧に書いたお手紙がもったいないと思うんです。定型文から選んで組み合わせるだけでそこが埋められるなら、省かないほうがお得じゃないですか?(笑)

あと、これは私が常々実感することですが、質の良いお客様って季節感や情緒感に心動かされる方が多いんですよね。あと、礼儀を重んじる方も多い。そういう層を狙うなら、なおさら省かないほうがいいのになあと思います。

 

詫び状や添え状で前文(季節の挨拶や安否のご挨拶)を省きたいときの具体案

詫び状の場合、そもそも季節の挨拶や安否のご挨拶は書きません。むしろ、詫び状でこれらを書くほうが失礼に当たるので、省いていいように専用の頭語があります。『急啓』『急白』が詫び状専用の頭語ですね。

『急啓』や『急白』という専用の頭語がある中で、わざわざ『前略』を使う理由がないというか。礼儀やマナーにうるさいお客様だと、かえって「常識がない」という印象を与えてしまうので、避けたほうがいいです。

一番大変なのは、一気に仕上げなくてはならない贈り物の添え状ですよね。ここで前文を省きたい!という気持ちは、とってもよく分かります。手書きでひとつひとつ書いている場合は、30通程度でも大変ですもんね。

もし添え状で季節のご挨拶や安否のご挨拶を省きたいなら、いっそ封筒付のカードにしてしまうのがベターです。カードなら本文だけでOKなので気軽に使えるし、贈り物が主役の場面なので差し支えないと思います。

カードでは気が引ける・・・という場合は、誰にでも通用するようなお手紙文章を1つ作って、和紙便せんなどに印刷し、余白に手書きで一筆添えるという方法もあります。

黒服に言うとお店で印刷してくれることもあるし、紙代+印刷代を自腹切ったとしても、紙質によほどこだわらなければそんなに高くはないです。枚数にもよりますが、お手紙印刷だけなら1~2万円あれば十分。

封筒も同じ紙で、宛名印刷も・・・となれば値段が張っていくので、そこだけ気を付けて、予算内に収まるようにすれば、ネット印刷ならかなり安く上げられて手間も省けると思います。

 

「前略」など略式頭語を使ってもいい場面

最後に略式頭語を使ってもいいと思われる&差し支えない場面について。略式頭語には、以下の6つがあります。

  • 前略
  • 寸啓
  • 取り急ぎ申し上げます。
  • 前文お許しください。
  • 前略失礼致します。
  • 前略ごめんください。

『寸啓』や『取り急ぎ申し上げます』を使うことはあまりないと思います。使うとしたら『前略』『前文お許しください』『前略失礼致します』『前略ごめんください』がメジャーどころですよね。

これらを使っても差し支えないのは、かなり親しい間柄のお客様です。

常連客だからOKとも限らず、常連客でも礼儀にうるさい方はいますよね。本当に気心知れたお客様、ホステスとお客様という関係性を超えたお客様であれば、差し支えないと思います。

 

まとめ

  • ギャップを見せられるタイミングで略すのはもったいない
  • 詫び状は専用の頭語がある&添え状はカードにすると省ける
  • 略していいのは本当に親しいお客様だけ

 

私はどんなに親しくても『前略』でお手紙を出したことはないです。略しても差し支えないであろうお客様はいましたが、大量に書くので、いちいち「この人は略してもいいかな?」と考えるのが面倒でした(笑)

判断に困るようなら、やっぱり略さないほうが無難だし、文字数も稼げて立派に見えるので損はないと思います。お姉さんたちが略しているなら、自分が略さないことで差をつけられるのでなおさら略さないほうがいいと思います。

 

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ホステス専門アドバイザー秋好玲那(管理人)

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ホステス歴15年、年商1億の元No.1ホステス。ママ、オーナーママを経て、コンサル歴15年目に突入。家庭には恵まれませんでしたが、社会に出てたくさんの人に恵...

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