自責
ここまで出てきた『自動思考を引き起こしやすい認知の歪み』は、
そして今回が5つ目、自責です。まだまだあるので、しっかりついてきてくださいね。一度読んで「ふーん」で終わらせずに、何度も繰り返し読んでください。自分には関係ないと思っても、です。
気付いてないだけ、見たくないだけ、かもしれません。本当にその歪みがなかったとしても、その歪みを持った人と一生涯出会わないわけではありませんので。
さて自責とは、読んで字の如く『自分を責める歪み』です。何かが起きた責任は自分が原因だ!と断定する考え方ですね。
でもビジネスでは「ポストが赤いのも自分のせいと思え!」と言われるほど、自責は重要です。つまり『自責そのものは悪いことではない』ということですね。
歪んだ形で自責思考を持っており、何かの拍子にそこが反応して行動を妨げる。この状態が良くないのです。そこでまずは『自責とは何なのか』をしっかり理解しておきましょう。
自責とは
自責とは、『起きたことの責任はすべて自分が原因だ』と断定する考え方です。たとえば「仕事がうまくいかないのは私が原因だ」などですね。コンサルの場で私は「すべては自分の責任」と言いますが、事細かに正確に書くと、
ビジネスにおいては、すべては自分の行動や思考が招いた結果。その責任を負う覚悟がないと、ビジネスで結果を出すことはできない。
という意味です。認知の歪みとされる自責は、
何でもかんでも自分(の存在、能力)が原因
と捉えるところ。違いを対比させると、一般的に善とされる自責は、改められるポイントに特化しています。たとえば、
- 安易に考えて判断ミスをした
- やるべきことを怠った
- リスクマネージメントをしなかった
など、行動にまつわることがメインです。もちろんこれも、自責が行き過ぎると歪みになります。問題の原因が分かったら改善に取り組む、ということができずに責め続けるだけになるのであれば、それも立派に歪みです。
一方、悪とされる認知の歪みで起こる自責は、どうしようもないポイントに特化しています。たとえば、
- 私が無能だからミスをした
- 私が存在しなければうまくいく
- 私の頭が悪いからできない
という感じで、自分の能力そのものや存在を責めます。傍から見れば「それを責めて何が変わるのか?」という点を延々と責めるわけですね。つまり認知の歪みで起こる自責の自動思考は、常に悲観フォーカスとセットです。
この歪みを持っていると、行動を指摘されても「自分の存在を責められた」と受け取るため行動の改善ができません。相手の言葉を正しく受け取る前に自責が始まってしまうので、意思疎通が困難になります。
ホステスの心得