今のお店で売れたいホステスのターゲティング&ブランディング
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
前回の記事では『努力を楽しめるターゲティング方法』をお伝えしました。こちらは自分のブランディングに沿ったターゲットを探していくやり方なので、努力を楽しめる一方、ニーズに合わせて移籍の可能性も出てきます。
そこで今回は『今のお店で売れたい』というホステスさんのために、ターゲットを踏まえてブランディングしていく方法をお伝えします。移籍したくない!というホステスさんはこちらを参考に進めてください。
この記事の目次
今のお店のターゲットを洗い出す
一般の企業や店舗であればアンケート調査などで簡単に集計できるところですが、ホステスはそういった手法が使えません。なので、今働いているお店のお客様をあなた自身が振り返って分析し、洗い出しを行います。
誤解のないよう最初に書いておきますが、ここで言う『今働いているお店のお客様』とは、あなたの担当や指名のお客様に絞ったことではありません。お店全体のお客様のことです。全体像で考えます。
まず、最低でも以下の情報を洗い出しましょう。幅広く打ち出すのではなく、『もっとも多い層』を書き出します。
- 年齢層(50代後半など)
- 職業層(経営者層、管理職層、ブルーカラー、ホワイトカラーなど)
- 業種層(建設業、医療関係者、士業層など)
- 客層(個人客、接待客、プライベート利用、団体メインなど)
- 店内の雰囲気(ノリのいい人が多い、落ち着いた人が多いなど)
- 客単価(お店全体の客単価/1人あたり平均)
- 飲み方(ボトルメインか、抜きものが多いかなど)
- 主な話題(仕事の話、恋愛の話、家族の話など)
- 色恋目当ての客層の割合(全体の何%か)
- 全体の来店数のうち、自分が呼べるパーセンテージ
ここまで出すと、そのお店に来ているお客様が何を求めていて、何にお金を払っていて、今の自分がどれだけ需要があるかが見えてくるはずです。
今のお店のターゲットが求めているものを洗い出す
仮にそのお店が色恋どっぷりだった場合、
- 70~80%が色恋目的の個人客または色恋目当ての経営者・管理職など
- 70~80%の色恋目的の顧客が単価を引き上げるお金の使い方をしている
- 20~30%は平均単価に満たないお金の使い方をしている
パーセンテージの割合に上下はあっても、大体こういった状況になっているはずです。つまりこれは『今のお店は色恋目的の顧客が多い』ということが、肌感覚ではなく数値的に叩きだされたわけです。
つまり、そのお店のターゲットが求めているのは『女という性』。疑似恋愛レベルの話ではなく、具体的に愛人であったり、彼女であったり、セフレであったり・・・といったものを求めているということになります。
さらに、叩きだされた数値を100%として客層を絞り込んでみると、もっと具体的なことが分かってきます。
たとえば、70~80%の色恋目的客を100%として、既婚者と独身者で振り分けてみると、愛人や遊び相手がほしいのか、恋人がほしいのか、といった可能性が見えてきます。
仮に既婚者でも、たとえば単身赴任者や別居状態のお客様が多いなら、継続性のある愛人がほしい可能性が高いと推測できますよね。家族と同居なら、どちらかといえば都合よく遊びたい人が多い傾向になります。
もちろん一概には言えませんし、当てはまらない人は出てきますが、全体の傾向としてターゲットの求めるものが見えてくるということです。
今のお店のターゲットに沿ったブランディングをする
では、ターゲットに沿ったブランディングをしていきましょう。やり方は『ホステスのブランディング法!参考例あり』でご紹介したものと同じです。違う点は、ターゲットから入るというところ。
この時点でターゲットの目的がある程度明確になっているので、そのターゲットが喜ぶことを軸にブランディングしていきます。たとえば前項で挙げた『色恋目的』がターゲットの場合だと「役立てる」は以下のようになります。
- 私は『私の外見が(女として)好み』というお客様の役に立てる
- 私は『私の性格が(女として)好み』というお客様の役に立てる
- 私は『若い女性とデートがしたい』というお客様の役に立てる
- 私は『女性と旅行デートがしたい』というお客様の役に立てる
- 私は『時間が空いたときに都合よく遊びたい』というお客様の役に立てる
ここで重要なのは、ターゲットが求めていることを今のあなたができるかどうかは関係ないという点です。なぜなら『今のお店で売れたい』以上、需要に合わせて自分を変えていくことが大前提になるからです。
マーケティングで言えば、私の推進するやり方は「商品をほしがる人を探す方法」ですが、この記事で紹介するのは「ほしい商品が明確な人に求めているものを売る方法」です。
そこに、あなたがそれを売りたいかどうかは関係ないし、今のあなたが商品となる要素を持っていなくても関係ないのです。
「ターゲットに合ったブランディング」は実は正当法
でも実はこのやり方って、正当なんですよ。物販でも、自分が売りたい商品を買ってくれる人を探すより、ほしい商品が決まっている人に対して商品を仕入れて売るほうが簡単です。
たとえばAppleは、私の推進するやり方を取っている会社です。
iPodという商品がありましたよね。発売されるまで誰もiPodがほしいなんて思っていなかった。そこに「1,000曲をポケットに」というキャッチで売り出した。そこで世間は初めて気づいたわけです。それがほしかったんだ!と。
つまり、既存客たちがまだ言語化できないくらいの隠れたニーズを掘り起こして、先に商品化し「あなたが求めているのはこれですよね」と自分たちが売りたいものを提示したわけです。これが私の推進するやり方。
一方、今回紹介したやり方は、顧客が言語化できるニーズに合わせて商品開発するやり方です。同じIT系で言えば、Windowsのやり方ですね。『パソコンは複雑で素人には難しい』という既存ニーズに応えたのがWindowsです。
『今のお店で売れたい』ということは、すでにそこにマーケット(市場)があり、ニーズ(ほしいもの)が明確にある状態です。そこで稼ぎたいということは、そのニーズに応える必要があります。
だからこそ、今のあなたがそのニーズに応えられるものを持っているか?は関係ないのです。応えられるように商品を開発していくのがあなたの役目。
仮に色恋をしたくないと思っていても、できないと思っていても、あなたが『色恋というマーケットがあり、性というニーズがある今のお店』で売れたいと思っている以上は、そのニーズに応えられるようにあなたが変わる。
これが一番手っ取り早いのは事実ですし、ビジネスとしては正当法(色恋は正当法ではないですよ笑)です。がんばりましょう。
まとめ
- 今のお店のターゲットを洗い出す
- 今のお店のターゲットが求めるものを洗い出す
- ターゲットが求めるものに応えられるよう自分を変える
たとえばあなたのお店が高級クラブで、ステイタスを求めるターゲットがそろっているなら、あなたが提供すべきは『ステイタス』です。
ステイタスを提供する場で「私は価値がない」とか「自信がない」とか言っているようでは困ります。誰よりも価値があり、誰よりも自信にあふれた女性でなくては困る。
あなたのお店が地域密着型で、家族ぐるみのお付き合いを求めるターゲットがそろっているなら、あなたが提供すべきは『親近感あふれるお付き合い』。
そういう場で「プライベートの付き合いはしたくない」とか「めんどくさい」とか言ってるようでは困ります。誰よりも人懐こく、誰よりもフットワーク軽く社交的でなくては困る。
『今のお店で売れたい』ということは、今のお店のニーズに自分を合わせていくということなので、ありのままのあなたでは売れません。ありのままのあなたでOKなら、もうとっくに売れているはずです。
『今のお店で売れたい』を選んだのは、他の誰でもないあなたです。しっかりニーズに応えていきましょう。それは無理だと思うのであれば、私の推進する『私に価値を感じてくれる人を探す方法』に切り替えるといいですね。
どちらも嫌だ!という人は、もう稼ぐことをあきらめるか、ホステスを引退して自分に合った仕事を探しましょう(笑)
ホステスの心得