裸の王様
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
おもしろい方と久しぶりに会ったので、そのお話をしたいと思います。
その「おもしろい方」とは、Yさん(現在60代)。私が売れないホステス時代に出会ったお客様です。
華麗なる経歴
Yさんと初めて会ったのは、30年ほど前。偶然乗ったタクシーの運転手さんがYさんだったんです。
Yさん、初めて出会ってから10年以内に、少なくとも5回は転職しました。その後の転職ぶりはというと、
- 給料が安いからとタクシー運転手を退職⇒某ガソリンスタンドに就職
- 鬱病発生によりガソリンスタンド退社⇒車整備工場就職
- 腰痛が悪化し整備工場退社⇒出会ったときのタクシー会社とは違うタクシー会社に就職
- 腰痛により退社⇒某ガソリンスタンドに店長として就職
- 給料や勤務待遇が悪いと退社⇒某タクシー会社で指導主任として就職
分かりますか?このおもしろさ。体調を崩してもなお、同じ職業をグルグル回り、体調に変化がないときは「会社が悪い」と言って辞める。
年齢的にも、こんなに転職を繰り返していたら、給料が安いのは当たり前の話です。
しかも、同じ職種ばかりを選ぶのは経験を買ってもらうためでしょうが、逆効果。顧客やスキルを持たない経験者は、マイナスでしかありません。
ただ、人手不足の業界に飛び込んでいるので、仕事にはありつけるのですよね。
俺ほど接客のできるヤツはいない
そんな彼の口癖は、
もう、イタイにもホドがあります。全然地に足がついてない、全然現実を見てません。
まず、本当に仕事ができる接客のプロは自分でそんなこと言いません。謙虚さをなくしたらプロ失格。
では、そんな接客のプロ(自称)であるYさんと会った日を、「接客」の視点から見ていきましょう( ´艸`)ウフ
- 「今こんな仕事してるんだよ」と名刺を財布から出す(もうショッパナから最低です)
- その名刺を片手で渡す(名刺を粗末に扱う人はプロ失格です)
- 自分の肩書きを説明し、自慢する(呆れて言葉も出ません)
- 「おまえの名刺も出せ」(人にお願いする態度ではありません)
- 私の名刺を片手で受け取る( “なるほど、そういう風に扱われるのね”と思われます)
- チラッと見て目の前でサッサと財布の中に直す(接客以前に社会人として失格)
- 私の仕事内容も確認しないまま突然ダメ出しを始める(もはや意味が分かりません)
- 飲み物を注文した後に毎回「俺、気が利くだろ」とアピールする(接客業、気が利くのは当たり前です)
- 携帯が鳴ると一言の断りもなく自慢げに出る(目の前の人に対してとっても失礼)
- 「いやー参ったぜ、みんな俺を頼るんだよな~」と嬉しそう(単に管理職への確認や許可が必要だからでは?)
- 質問しておいて、こちらの答えは聞かない(接客にあるまじきコミュニケーション能力)
- 外に出た途端、待機している自分の部下を指さし「あいつら全員、俺の部下なんだぜ」(・・・・・・)
まだまだいっぱいあるんですけど(まだあるのー!!ww)、あまりにも目障りだった部分だけピックアップ。
これで接客指導主任なんだから笑っちゃいます、大丈夫かい、その会社~。
いや~、ダメなお手本も必要ですね。身体を張って本気で見せてくれるので、ありがたいです。
何を根拠に「俺ほど接客ができるヤツはいない」と豪語しているのか、一度脳ミソを見てみたいくらいです。
新人教育には打ってつけの人材
でも、こういう人をお客様としてつかんでおくのは、ある種の効果があります。
あなたが「目障りだな」「うっとうしいな」「めんどくさいな」と思う部分を見つけたら、逆の行動を取ればいいのです。
わざわざ悪い見本を見せてくれるのだから、ここはありがたく学んでおくに越したことはありません。
しかも、あなたがママで、女の子を複数抱えているのなら、なおさらこういう人をお客様で持つのは得です。
こういう人は、人のやっていることに口を出すのが好きだし、自分より下の人間には強く出ます。ドシロウトの女の子を育ててもらうには、最適の人材です。
きっと最初は、ドシロウトちゃんは彼の言うことを「ハイハイ」と素直に聞くでしょう、何なら「イイ人」くらいに思うかもしれません。
でも、それを「うっとうしいなー」と感じ始めたら、それはその子が成長した証拠です。私のお店でも、Yさんには必ず新人をつけていました。
と言って。すると、やっぱり最初は、全員彼のことを好きになるし、「優しくていい人ですね」って言うんですが、だんだんと・・・
と言い出します。そうなったら、その子は次のステップへ進んだということ。次のレベルのお客様に引き継げばいい。
大丈夫です。Yさんのような人は、ずっと「俺が育ててやったんだ」と喜んでくれます。
その満足感を与えるのも、ホステスの仕事。そして、こちらも非常に助かるわけですから、何ら問題なしです。
接客は、お客様を活かす仕事でもあります。「自分がだれかの役に立ってる」と思えるだけで、人は喜びますからね。ただ・・・
・・・とは思います、残念だけど(/ω\)笑
ホステスの心得