ホステスが覚えておくべきお酒作りの基本
クラブやラウンジ、スナックなど、夜のお店は『お客様にお酒を提供して、会話をすること』が主な仕事です。
お客様が飲むお酒は、ホステスが作るのが一般的ですが、『適当にグラスについで作ればいい』というわけではありません。お酒の種類によって、
- どのような手順で作るのか
- どのくらいの量を入れるのか
など、基本が決まっています。とは言え、お酒の基本的な作り方を1から教育してくれるお店は意外にも少ないのです。
ホステスとして働こうと思うなら、お酒の作り方を自分で予習しておいた方が無難でしょう。
そこで今回は、ホステスが覚えておけば間違いなく使える『お酒の作り方の基本』を紹介します。お酒作りの基本を押さえておけば、
という印象をつけることができるし、自分のアピールポイントにもなるので、ぜひマスターしてください。
この記事の目次
お酒作りの基本手順とポイント
そもそも、お酒にはいろいろな種類があります。まずは、その種類から覚えましょう。
と思うかもしれませんが、ホステスが
覚えるべきお酒の種類はそこまで多くないので、安心してください。多くの店で取り扱っているお酒は、
- 焼酎
- ウイスキー
- ブランデー
- ワイン
- シャンパン
- ビール
です。
それぞれの銘柄はお店によって異なるので、自分のお店にあるお酒を覚えなくてはいけませんが、仕事をしていれば自然に覚えられるはずなので、大丈夫。
ただ、ウイスキーひとつにしても、
- ロック
- 水割り
- ソーダ割り
などさまざまな飲み方があって、それぞれお客様の要望に合わせて作らなくてはいけません。
お客様に満足してもらえるお酒を作るには、お酒作りの基本をしっかり頭に入れておく必要があります。
水割り
お店で一番注文されるのは、水割りです。水割りとは、焼酎やウイスキーを飲むお客様がよく注文する飲み方ですね。水割りを作るときの基本は、
- グラスのふちを越さない程度にたっぷり氷を入れる
- マドラーを使い、反時計回りで氷を混ぜる
- お酒を注ぐ(焼酎は指2本分、ウイスキーは指1本分を目安に)
- 水をグラスの8割くらいの量になるよう注ぐ
- マドラーで数回かき混ぜる
です。ただ、お客様によって好みの濃さが変わるので、「初めまして」のお客様には、どのくらいが好みか聞いてみましょう。
常連様でも、その日の体調によっては「薄くしてほしい」というときもあるので、
と、一言声をかけるようにしてもいいかもしれませんね。
また、水割りをお客様に提供する前には、グラス周りの水滴をハンカチなどで拭くようにしてください。特に、水割りはグラスに水滴がつきやすいです。
お湯割り
冬の寒い日に来店されたお客様には、お湯割りを好んで注文されるお客様もいます。
冬以外はあまりオーダーがないので、基本的な作り方を忘れてしまいがちですが、きちんと覚えておきましょう。
- お湯をグラスの7割くらいまで入れる
- お酒を注ぐ(指2本分)
- マドラーで軽く混ぜる
お湯割りの場合、水割りと同じ分量のお酒を入れると濃く感じてしまうので、お酒は気持ち少なめでとどめておいたほうがいいかもしれません。
また、最後にマドラーで混ぜるときに混ぜすぎるとアルコールが飛んでしまうので混ぜすぎないよう注意してください。
ロック
本当にお酒自体が好きなお客様は、ロックを好むことが多いです。ロックとは、氷を入れたグラスにお酒だけを注ぎます。
- ロックグラスに氷を3~4個入れる
- お酒を注ぐ(お客様の好みを聞いて入れる)
- マドラーでゆっくり混ぜる
ロックの場合、お客様によってお酒の量の指定が変わるので、必ずどのくらい入れるか聞くようにしましょう。
もし「どのくらいでもOK」ということなら、指2本分を目安に入れます(ツーフィンガーと言います)。
マドラーで混ぜるときに早く混ぜてしまうと氷が溶けすぎてしまうので、ゆっくり混ぜることを意識してください。
ハイボール
ハイボールとは、ウイスキーをソーダで割ったドリンクです。最近は好んで飲む人が多いので、高確率でオーダーされますね。
ハイボールの作り方には特に注意が必要なので、しっかりおさらいしておきましょう。
- グラスのふちを越さない程度にたっぷり氷を入れる
- ウイスキーを指2本分入れる
- なるべく炭酸水が氷に当たらないように炭酸水を注ぐ
- 上下に混ぜることを意識して1~2回程度マドラーでかき混ぜる
ハイボールは、炭酸が抜けてしまうと『おいしくない状態』になってしまいます。
炭酸が氷に当たらないように注ぐのも、炭酸がぬけないようにするためです。ウイスキーに直接炭酸水がかかると、ある程度は勝手に混ざってくれます。
マドラーで混ぜるときも、炭酸が抜けないよう軽く混ぜましょう。
お酒の注ぎ方
次に、『お酒の注ぎ方』について、覚えておきましょう。
クラブなら基本的に黒服が注いでくれると思いますが、手が足りないときは、ホステスがお酒を注ぐことになります。
焼酎やウイスキーなどとちがって、シャンパン類は持ち慣れていないとこぼしかねないので、気を付けてくださいね。
シャンパン
シャンパンは注ぐだけですが、量とつぎ方に注意が必要です。シャンパンをグラスに入れるときは、グラスの半分よりやや上を目安に入れます。
マナーとしては『1度につぐのではなく、2~3回に分ける』のが基本。
もうひとつ注意したいのが『あまり高い位置から注ぐと泡だらけになってしまう』という点です。
泡だらけになってしまうと、泡が落ちつたときには大した量ではなくなってしまい、何度も何度も注がないといけなくなります。
見た目的にもスマートではないし、いかにも『注ぎ慣れていない』という印象になってしまうので、注意してくださいね。
水割りの継ぎ足し
水割りは、グラスの3分の1くらいになったら継ぎ足すのが基本とされています。
ただ、お客様の中には「完全になくなってから継ぎ足してほしい」という人もいるので、最初に継ぎ足すときには、
と尋ねたほうがいいです。また『気付いたらお客様のグラスが空だった』ということだけはないように注意しておきましょう。
その他のお酒に関するマナー
その他にも、お酒に関するマナーで気をつけておかなくてはいけないことがいくつかあるので、こちらも頭に入れておきましょう。
乾杯するときのグラス位置
お客様がお酒を勧めてくださったら乾杯するのが基本ですが、グラスの位置は『常にホステス側が下』がマナーです。
お客様のグラスよりも少し下に当てるように乾杯すれば、OK。お客様は細かい所まで意外と見ているものなので注意しておきましょう。
ボトルのラベルの位置
どのボトルもそうですが、お酒をグラスに注ぐときは『ラベルの位置を上にすること』を徹底しましょう。
急いでいるとつい意識が飛んでしまいがちですが、最初のうちはしっかり注意しておいたほうがいいです。
慣れてくるとそれが癖になり、意識しなくてもできるようになりますよ。
まとめ
ホステスとして働くのなら、必ずお酒を作る場面が出てきます。
そのときになんとなくお酒を作るのと、ちゃんと知識があってお酒を作るのでは、お客様からの視線も変わります。
小さなことですが、それだけでホステスとしての技量を決められてしまうこともあるので、お酒の作り方の基本は必ずマスターしておくようにしましょう。
ホステスの心得