【恋子の日常】色恋、始めました。

30年。これは、私が水商売に携わってきた年数である。ヘルプとしてデビューし、売上ホステスになり、雇われママになり、オーナーママになり・・・
15年の現役人生を突っ走ってきたが、この間、色恋をしたことは、たったの一度もない。
現役ホステスを引退し、ホステス専門のコンサルになって12年が経とうとしているが、クライアントに色恋営業をさせたことは、たったの一度もない。
ところが、この輝かしい歴史をいともカンタンにぶっ壊した女がいる。その名も『色太 恋子(いろた こいこ)』。
某キャバクラで働く恋子
恋子は、とある都心部の某キャバクラで働いている。
御年24歳、水商売歴は5年。
安キャバ→普通のキャバクラ→ミニクラブとステップアップ(?)を図ってきたが、コロナ禍で煽りを受け、完全なる出勤調整組になってしまった。
「自客が来る日以外、出勤させない」
ホステスにとって、出勤調整はまさに『戦力外通告』だ。しかも、恋子には、呼べる自客が3人しかいない。
3人・・・。何と悲しい響きだろうか。5年も水商売をやってきた人間の数字とは思えない。
でも、恋子には、生活がかかっている。貯金も、わずか30万円しかない(5年も水商売をやってきたのに)。背に腹は代えられぬ。
というわけで、恋子は、泣く泣く『普通のキャバクラ(安キャバ寄り)』で働くことになったんである。
1時間半で上がる恋子
こうして『普通のキャバクラ(安キャバ寄り)』で働き始めた恋子だが、これまた厳しい条件下に置かれる。
なんと、そのお店は、早上がりのラッシュなのだ。
恋子の出勤状況だけを見ても、平均して2~3時間しか働けていない。レギュラーで入ったはずなのに、まさかのアルバイト状態。
一番驚いたのは、出勤時間から1時間半で上がりになったことである。

恋子から報告を受け、思わずスマホに叫ぶ私。恋子との出会いは、私の常識をことごとく覆してくれる。張本人はというと、

笑ってるし( ̄д ̄)( ̄д ̄)( ̄д ̄)
さらに、恋子は、営業活動がとにかく嫌いである。『全員に連絡しろ』と言っても、あれこれと言い訳をつけて、やらない(これについては後日記事にする)。
そんなこんなで、移籍して半月が過ぎ、「これ、生活できないんじゃないの?」という給与額が現実味を帯びたとき、私は言った。
明日から、片っ端から営業せーーーーーい!!
(怒`・ω・´)ムキッ
コンサルが頭を抱える恋子
恋子は、これまでずっと色恋で自客を引っ張ってきた女である。色恋をやめたくて、私のところへ来た。
その恋子に、できることなら、色恋などさせたくない。何より、私のプライドが許さない。
何せ私は、30年間一度も、誰にも、色恋をさせたことがないのだ(本人が勝手にやってたことはあるが)。
だからこそ「色恋などしなくても売上は出せる」と堂々と銘打ってこれた。
でも、それはあくまでも、クライアントの生活が保てること、かつコンサル料を払えるだけの経済力があることが大前提である。
それと比べてどうだろう。恋子の現実は、コンサル料どころか、生活が危ぶまれるほどの事態である。しかも、恋子は色恋営業しか知らない。
さらに、恋子が所持する顧客リストの大半は、色恋で引っ張ってきたクソ客様である。
この状態でコンサルを打ち切っても、恋子は色恋営業で生活を確保し、それを続けていくことになるだろう。
そしてまた、私のもとへきたころと同様に、色恋に疲れ果ててしまう。
むむむ・・・・・・・・・
ううう・・・・・・・・・
色恋はさせたくない、色恋をしないと目先の収入が危ない。私の中で、堂々巡りの夜となった。
私に色恋をさせた恋子
翌日、私は新しいコンサル計画を持って恋子とのセッションに臨んだ。私が出した結論は、こうだ。
- とにかく、1人残らず、全員に営業をかけてもらう
- 収入土台が安定するまで、クソ客様リストには色恋をしてもらう
- その間に、良客リストと関係性を築いて、足を運んでもらえるようになってもらう
この3つを、恋子に突き付けた。コンサルの仕事は、クライアントに結果を出させることである。
いくらキレイゴトを言おうと、いくら信念があろうと、いくら真っ当な方法であろうと、クライアントに1円も入らなければ、意味がない。
私は、腹をくくった。
ちょうどその日、恋子があるお客様とのLINEのやり取りを相談してきた。恋子は、明らかに色恋目的と思われるその人物と、こんなやり取りをしていた。




恋子の相談は「ここからどういう話にすればいいかわからない」というものだった。
本来ならば、ここで「〇〇の情報取ろうか」とか「〇〇について引き出せるかな」とかいろいろ言うのだが・・・


まさか、私の口からこんな言葉が出る日がこようとは・・・誰が想像できただろうか・・・。
色恋に関しては、私よりも恋子のほうがエキスパートである。だが、私は考えた。『休みの日』という話題から、どう来店につなげられるか、を。。。



お~~え~~🤮🤮🤮
本当に私が作った文章だろうか・・・
誰かウソだと言ってくれ・・・
夢ならさめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!
そんな、怨念とも逆ギレとも取れる感情を抱きながら1~2往復ほどLINEのやり取りをさせたところ・・・
まあ・・・なんということでしょう・・・
クソ客様が釣れました
w( ̄▽ ̄)w
確約取れました、ありがとうございまーす( 一人一)チーン
・・・って、喜んでる場合じゃないっ!!
おい、恋子!!
よくも私に前代未聞のセリフを書かせたな!!?
おまえには絶っっっっっ対に売れてもらうからな!!!!!!!!
果たして、恋子がナンバーワンになる日は来るのだろうか。
ホステスの心得