【猛毒注意報】ホステスという仕事に誇りを持てない理由
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
あなたは、「ホステス」という仕事に誇りを持っていますか?
誇り
ほこること。名誉に思うこと。 「 -に思う」 「 -を傷つける」 「 -高き人」
どうでしょうか。ホステスという職業を選んだ自分。ホステスである現在の自分。
「人にばかにされたり、見下されたりすると、腹が立つ」とは言いながらも、本当は自分が一番「ホステス」という仕事を見下しているのではないでしょうか。
あらゆる場で、現役ホステスさんからそんな発言を見聞きすることがあります。
こういうセリフに触れる度に思います。「ああ、この子たちはホステス業を下に見てるんだな」と。
ホステスとして結果を出したい、とコンサルを申し込んでくる人の言葉とは思えないですよね。
そういう人の質問や相談には応じないようにしていますが、何を求めて私のところに来るんでしょう。
本気で「どんなに無能な人でも務まる仕事」だと思って入ったんでしょうか。片手間にやっても十分結果になる、楽勝の世界だと思ったんでしょうか。
だとしたら、かなりのバカですね。
でもそれ以上に、本気でこの世界でがんばっているホステスたちに対して失礼極まりないです。
この記事の目次
自分の仕事に誇りを持てないのはノウハウがないせいなのか?
少しホステス業の話からそれますが。
私は、ホステスを引退した直後の1年ほど、株式会社チョイスホテルズジャパンという会社のあるホテルで、客室管理責任者をしていました。
世界40ヵ国以上に7,000軒以上のホテルを展開する企業です。私が担当した施設は、423部屋ある大型施設でした。
最初の数ヶ月間、本当に苦労しました。作業効率は悪い、人間関係も最悪、仕事もいい加減で毎日クレーム続出。
会社は、それを作業面のマニュアルで改善しようとしましたが、私は、
と、疑問を抱いていました。そんなとき、当時19歳だった直属の部下が、ひとりごとのように言ったんです。
「こんな仕事してるなんて、恥ずかしくて友達に言えない」
この言葉を受けて、迷わずマインド改善を選びました。
清掃の仕事は、汚い、臭い、きつい、の三重苦のせいか、人に職業を言うとバカにされることが多いそうです。でも私は「それは違う」と思いました。
一番バカにしているのは、その仕事をしている本人。
だから手を抜くし、不平不満ばかりで改善しようともせず、行き当たりばったりのことばかりして、すべてが適当。
当然、良い結果など出るわけもなく、またさらに自分の仕事をバカにする。
「恥ずかしい」と言った19歳の部下も、まさにその状態でした。
同じ業界でも誇りを持っている人は大勢いる
そこで、私は翌日、朝礼でこんな話をしました。
私が部下たちに話したこと
みなさんは、ディズニーランドに行ったことがありますか?
私はディズニーランドに行ったことがありません。でも、ディズニーランドに関する書籍はたくさん読みました。
前職では、ディズニーランドに携わる職業の方ともお話をさせていただける機会がありました。
ディズニーランドは、とてもきれいに清掃されているそうです。なぜなら、夢の国にゴミがあってはならないから。
そこで働く清掃員たちは、ディズニーランドで清掃していることを恥ずかしいと思うでしょうか。
ご存じの方もいるでしょうが、彼女らの仕事は、まさにプロフェッショナルです。だったら、胸を張って答えるんじゃないですか?
「ディズニーランドのカストーディアルキャストです」と。
それは、彼女らがディズニーランドが大好きで、夢の国を支えているという自負があり、自分の仕事に誇りを持っているからではないでしょうか。
そこで、みなさんにお尋ねします。
ホテルの清掃とは、恥ずかしい仕事ですか?あなた達のやっていることは、恥ずかしいことなんでしょうか。
もしも恥ずかしいと思っているのであれば、それは「ホテルの清掃」という職業ではなく、あなた達自身の仕事に対する意識の低さじゃないでしょうか。
私は、自分の仕事を、あなた達の仕事を恥ずかしいと思ったことは、たったの一度もありません。
毎日、必死に走り回って清掃をしてくれているあなた達の仕事をバカにする人がいるなら、私がその人に言ってあげます。
「どうぞ、一度当ホテルをご利用ください。きっと、ご満足いただけると思います。手前味噌ですが、私の部下たちの清掃はプロフェッショナルですよ」と。
バカにされて悔しかったら、見返すくらいプロフェッショナルな仕事をすればいい。あなた達ならそれができる。私は、そう思っています。
部下たちの変化
その日から、現場の清掃員たちは様変わりしました。
互いに協力し合い、声を掛け合い、少しでも美しい快適な客室に仕上げようと、自主的に動くようになりました。
おかげで、グループ内の清掃ランキングで日本一を取り、表彰までいただきました。
そして「恥ずかしい」と言った本人は、朝礼直後に私のもとへやって来て、こう言いました。
恥ずかしいなんて言って、すみませんでした。私が間違ってました。恥ずかしいのは私です。
会社に甘えて中途半端で、腰掛け気分で仕事をして。秋好さんの隣で、秋好さんの仕事ぶりを見ているのに、何にも分かってなかったです。
心を入れ替えてがんばります。この仕事に胸を張れるくらい、プロになります。
あれから10年以上の月日が経ち、彼女も30代になりました。今では、複数の現場を任される中間管理職になっています。
ホステスという仕事に誇りを持てない理由
さて、ホステスに話を戻します。
ホステスも、偏見の強い職種です。風俗嬢と区別がつかない人もいれば、がんばって結果を出しても「しょせん水商売だろ」と言われることもあります。
履歴書に書けば、あまりよろしくない評価になることがほとんど。でも、その結果を生み出しているのは、周りではなく、ホステスである私たちです。
非常識な言動はもちろん、教養がなく素行が悪い。見た目を飾ることに必死で、口だけ達者、悪いことは全部他人のせい。
粗探しをして文句を言うばかりで、「どうしたら良くなるか?」とは考えない。
誰かが何かをしてくれることで、自分の結果や評価が上がることを期待して、そうならないと卑屈になって、感情に振り回されて仕事と私情の区別もつかない。
努力することが大嫌いで、小手先なことばかりに終始し、お店ではがんばってる風に振る舞って、実際には昼間はゴロゴロダラダラ。
ちょっと指摘されると心折れるか逆ギレ、結果的には何が理由であろうとやらない。
何でも先送りしてやりたいようにやって、やらないことはやむを得ないとばかりに「できない」と言い訳だけは上達。
不勉強な自分を棚に上げて、「周りが〇〇してくれない」と嘆き喚き、起き上がれないと鬱々とし。
「だったら精神科に行って、治療なさったらいかがですか?」と言うと、薬は嫌いだの、病院は嫌だの。
というホステスが大半じゃないですか?
もちろん、そんなホステスばかりじゃないけれど、そういうホステスが多いのは事実ですよね。
だから、まともなことを言うだけで評価されるし、当たり前のことをやっていると、結果がついてくる。
レベルの低い業界だと思いません?まともなことをするだけで、賞賛されるんですよ。それだけクレイジーの集まり、ってことです。
誇りを持てないのは「ホステス業が云々」ではなく、紛れもなく「自分自身の行いと姿勢」ですよね。
まとめ
- ノウハウで仕事への誇りは培えない
- 誇りを持っている人はプロフェッショナルな人たち
- その仕事を見下しているのは自分
ちなみに私、ホテルのダブルベッドを、3分で仕上げられるんです。しかも、それはそれはきっちり、美しく。はい、自慢です。
素人さんが同じクオリティを目指すと、大体15分くらいかかります。つまり、約5分の1の時間と労力でできる。
会社にとっても利益率が良く、お客様にとっても満足度が高い。これがプロの世界ですよ。素人にはできないことができるからこそ、プロなんです。
そこまで研究し、練習し、数をこなし、実質的な結果を出してきた自負がある。だからこそ、誇りを持てると思います。
あなたは、ホステスとしての自分に誇りを持てていますか?それだけのことをやっているでしょうか。
何もやっていないのなら、ある意味ではチャンスです。あなたには、やれることがたくさんあるということですから。
ホステスの心得