お客様と仲良くなりすぎる?
人によって心地よい距離感というものは違います。私たちは子どものころにこう言われて育つことが多いですよね。
自分がされて嫌なことは相手にもしない。自分がされて嬉しいことは相手にもしてあげる。
でもぶっちゃけ、実際には自分が嫌だと思うことを相手が嫌だと思うかどうか分からないし、自分が嬉しいことを相手が喜ぶとは限りません。
常々私はこの説がビミョーだなあと思っていました。思いやっているように聞こえるけどすごく自分中心だなあ、と。
私は自分でお客様と仲が良いと思っていますし、よく聞かれる「お客様と旅行に行ったりしますか?」という質問はYESです。
行きますよ、ただだれとでも行くわけではないというだけです。ホステスに限らず、お客様との距離感がうまくつかめないという方は多いようです。
仲良くなれなかったり、仲良くなり過ぎたり。ちょっとキツイ言い方をすると、自分の中に境界線がないのですね。
大体こういう方は寂しがり屋さんが多くて、基本的には人が好きで仲良くなりたいのです。
仲良くなると嬉しいものだから、ついつい構い過ぎてしまったり、あれこれと尽くしたくなったりして、本来の仕事の域を超えてしまう。
逆に仲が良いからいいだろうと押し切られて商売にならなかったり、同じ相手でも状況が変われば関係性も変わるのですけど、どうしてもそこがあやふやになるのですよね。
たとえばホステスとしての私にとって、お客様はお客様です。・・・あたりまえじゃん、と思いますよね。では、もっとたとえを小さくして。
Aさんというガソリンスタンドを経営しているお客様がいるとします。Aさんが飲みに来てくだされば、Aさんは私にとって【お客様】です。
そこに私が「同じガソリンを入れるならAさんのお店に行こう」と通っていたとします。私がガソリンを入れに行ったら、私がAさんにとって客になります。
いつも楽しませてもらってるから、とAさんが粗品をくれたとします。次にAさんが飲みに来て下さったときには、そのお礼に私がカラオケ代はオマケします。
私もAさんも、プラスαの気持ちを乗せることはあっても、セット料金をマケたり、ガソリン代をマケたりはしません。
なぜならそれが私たちの、お互いにとっての商売だから。それをお互いがちゃんと分かっているからです。
ここを崩すと全部が崩れるのですね。たとえばあなたが絵を描いている人だとしたら、仲が良いからと絵をプレゼントしたりすると崩れる。
仲が良くても仕事上での関わりは崩してはいけません。それはそれ、これはこれ。プラスαで気持ちを渡せば良いのです。
土台のルールを崩すと、どうしても馴れ合いが出てきます。趣味としてやっていることだったらかまいません。
でもそれが仕事である以上、それが商品である以上、土台のルールを崩すとその人は2度とお金を払いません。
無料でもらえたものにお金を払うほどアホらしいことはない。私もどれだけ仲が良くてもお代はきっちりいただくし、払います。
宣伝を兼ねての割引や提供を受けることはあります。その際には全力でそれだけの効果が返せるように努めます。だってその人はその道のプロだから。
私も崩されたくないラインだからこそ、相手に対してもしっかり守る。ご縁を長続きさせるコツのひとつだと思います。
初投稿:2011.10.25(アメブロ)
