会話テクニック上級編!相手を動かす話法とは

会話テクニック上級編!相手を動かす話法とは
MTCコース

こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^

話法とは、会話の仕方、つまりテクニックを意味します。多くのホステスさんが欲しがるもの、でもありますね(笑)

私自身があまりテクニック的な記事を書かないのは、素地がない人にテクニックを与えても使いこなせないからという理由があります。とはいえ、テクニックが不要とは絶対に言いません。

そこで今回は、上級編である「人を動かす」という話法について解説したいと思います。

人を動かすには「応酬話法」が効果的

人を動かす話法の中でもっとも効果を発揮するのは、応酬話法です。応酬話法とは、切り返しや切り替えのことを言います。一般的な営業の世界では、こんなデータがあります。

同じ商品、同じサービスを、同じターゲットに売ろうとしても、まったく同じメリットがあるにもかかわらず、営業の成果には差が生じる。この差が生じる原因のひとつに、顧客の質問や反応に対する応酬話法の精度が影響している。

これは営業をする上でとても重要なものですが、パッと見ても分からないと思うので、例に挙げてみましょう。

同じメリットがあるのに商品が売れない理由

たとえば、あなたが車を販売している営業マンだとします。近々モデルチェンジする予定のファミリーカーを売らなくてはなりません。ファミリーカーなので、当然にターゲットはファミリー世帯です。

商品のメリットは、従来のファミリーカーに比べて格段に燃費が良いこと、ベビーカーをたたまずに収納できるラゲッジ、定員9名の割にコンパクトなフォルム、フルフラットになるシートなどなど、たくさんあります。

では、ファミリー世帯の全員がその車を買ってくれるか?というと、絶対に違いますよね。

「まさにそんな車を買おうと思ってた!」と言ってくれるお客様なんて、ほとんどいません。もしいたとしても、そういうお客様は放っておいても問い合わせてきたり、試乗しにディーラーへ訪ねて来たりするでしょう。

つまり、大前提として「大半の人はあなたの商品(サービス)を買おうとは思ってない」というところから、営業のすべてはスタートします。

買おうと思っていないということは、買わない理由が存在します。それを払拭できない限り「じゃあ買おう!」とはならないわけです。

応酬話法が『買わない理由』に効果的な理由

この『買わない理由』を覆す話法が応酬話法です。

先述したように応酬話法とは、切り返し・切り替えの話法です。これを使うことによって『買わない理由』を違う視点から切り返してみたり、切り替えの質問をしていくテクニックです。

たとえば先ほどの車だと、買わない人たちの『買わない理由』は、以下のようなものになります。

  • 現在の車に満足しており買い替える理由がない
  • その車の価格が高いと感じている
  • そもそも車の必要性を感じていない
  • 軽自動車ばかり運転してきて大きな車を運転する自信がない
  • お金がない、ローンを組めない
  • 自分1人では決められない

仮に「子どもを増やす予定もないし今の車で満足」という理由なら、「今は満足でもお子さんが大きくなって部活動など始めたらどうでしょうか。荷物が増えたり、お友達を乗せる機会もあるのでは?」と切り返す。

これは正面から切り返す応酬話法ですが、こうすることで『買わない理由』から『買うべき理由』を見出してもらうわけですね。切り替える場合は「お子さんは習い事などしていますか?」と条件などを切り替えて考えてもらいます。

これができない営業マンは「子どもを増やす予定もないし今の車で満足」と言われると「あーそうですか~。分かりました、また機会がありましたらよろしくお願いします」とすぐに営業をやめてしまいます。そりゃ売れませんよね。

ホステスが応酬話法を使うには

ここまで一般的な応酬話法の例を挙げてきました。一旦まとめると、

  • ほとんどはあなたの商品・サービスを「買わない前提」から始まる
  • 応酬話法=切り返し・切り替えの手法
  • 顧客の質問やネガティブな意見から「買うべき理由」を見出す

これが応酬話法のポイントです。ただし、ホステスはこのまま正当には使えません。これがホステスの難しいところ、なんです。

ホステスが正当に応酬話法を使うとこうなる

たとえば、あなたのお店でイベントがあり、来てください!と告知を出したとします。その告知を受け取った人の8~9割は、残念ながらイベントには来ないはずです。なぜなら、

  • ほとんどはあなたの商品・サービスを「買わない前提」から始まり
  • ほとんどは「行かない(買わない)理由」が存在する

という現実があるからです。じゃあ応酬話法だ!と安易に取り入れると、あなたの営業は大体こういう感じになります。

 

[st-kaiwa-hostess]この日だけは着物を着るから見に来て![/st-kaiwa-hostess]

[st-kaiwa-hostess r]この日は〇〇円で飲み放題だから安いよ![/st-kaiwa-hostess]

 

普段とは違う服装や雰囲気を楽しめること、価格がいつもより安いことが、顧客にとってのメリットだと思っているからです。でも残念ながら、ほとんどのお客様にとってそれはメリットではありません。

違う雰囲気を味わいたければ、安い価格で飲みたければ、他のお店へ行けばいいだけです。わざわざあなたのお店である必要性がない。つまりこの程度では『行かない理由』を『行くべき理由』に変換できないのです。

ホステスが応酬話法を使うべきポイント

では、ホステスはどのように応酬話法を取り入れればいいのか。答えは『日常の接点の中』です。何気ない会話の中で応酬話法を取り入れていくことで、ここぞというときの『行かない理由』を『行くべき理由』に変えるのです。

これも少しややこしいので、具体例で見ていきましょう。

日常会話での応酬話法例

たとえば、50代のお客様が「体調が悪い」と言ったとします。でも仕事をバリバリこなす人で、休暇を取るという概念はありません。ここで売れないホステスのほとんどは、以下のようなことを言います。

 

[st-kaiwa-hostess]えー!大丈夫?無理しないようにね(汗)[/st-kaiwa-hostess]

[st-kaiwa-hostess r]たまには休み取ってゆっくりしてね[/st-kaiwa-hostess]

 

ちょっと気の利くホステスなら、以下のようなことを言うでしょう。

 

[st-kaiwa-hostess]〇〇食べて(飲んで)寝るといいよ[/st-kaiwa-hostess]

[st-kaiwa-hostess r]〇〇っていう薬が効くよ![/st-kaiwa-hostess]

 

どれもこれも相手を思っての言葉ではありますが、イマイチですね。気にかけてくれているのは事実なので「ありがとう」とは言われるでしょうが、問題の本質を分かっていません。

このお客様の問題は体調が悪いことそのものではなく、『身体を労わらない理由が存在する』ということです。

この『身体を労わらない理由』に対して、応酬話法を使う。これがホステスである私たちの役目です。この段階で来店があるかどうかは関係ない。そこで、こんな会話をします。

 

[st-kaiwa-kyaku]最近どうも体調が悪いんだよ[/st-kaiwa-kyaku]

[st-kaiwa-reina r]えっ、どこが悪いの?[/st-kaiwa-reina]

[st-kaiwa-kyaku]何か食欲もないし、酒も進まなくてね。歳かな[/st-kaiwa-kyaku]

[st-kaiwa-reina r]病院行った?[/st-kaiwa-reina]

[st-kaiwa-kyaku]いや。仕事が忙しくてそれどころじゃないし、病院に行くほどでもないよ[/st-kaiwa-kyaku]

[st-kaiwa-reina r]どれくらい続いてるの?[/st-kaiwa-reina]

[st-kaiwa-kyaku]かれこれ2週間近いかなあ[/st-kaiwa-kyaku]

[st-kaiwa-reina r]一回病院で診てもらったほうがいいよ[/st-kaiwa-reina]

[st-kaiwa-kyaku]大丈夫だよ[/st-kaiwa-kyaku]

[st-kaiwa-reina r]今は大丈夫かもしれないけど、大きな病気になってからじゃ遅いじゃない。近々休み取れないの?[/st-kaiwa-reina]

[st-kaiwa-kyaku]今忙しいから無理だなあ[/st-kaiwa-kyaku]

[st-kaiwa-reina r]うーん・・・じゃあ〇〇っていう薬が効くかもしれないから、それ買ってきてあげる。せめてそれだけでも飲んでみてよ[/st-kaiwa-reina]

[st-kaiwa-kyaku]いいよ、薬嫌いだし[/st-kaiwa-kyaku]

[st-kaiwa-reina r]じゃあ病院行って。どっちか取って。〇〇さんに何かあったら困るよ、心配[/st-kaiwa-reina]

[st-kaiwa-kyaku]分かった分かった、じゃあ薬飲んでみるよ[/st-kaiwa-kyaku]

 

実際にはこんなにスムーズにいかないことが多いですが、要は『身体を労わらなければならない理由』を提供するわけです。会話例を見ると、お客様の考えが変わっているのが分かりますよね。

病院に行く気も薬を飲むつもりもなかった人が、消去法とはいえ「薬を飲んでみる」と言った。つまり『やらない理由』から「玲那が心配する(うるさい)から」という『やるべき理由』を見出したわけです。

この積み重ねがホステスには重要なのですね。

応酬話法のポイント

来店しないお客様をどうやって来店させるか?はほぼ無理ですが、来店しているお客様の『〇〇しない理由』を覆していくことで、次の来店に繋がっていきます。少しずつ相手の行動を変えさせることで、信頼度が増すからです。

では具体的にどうやればいいか?というと、

  • 顧客からよく言われる質問への回答
  • 顧客のネガティブな理由に対する切り返し・切り替え

この2つを何度もシミュレーションして、応酬話法の準備をしておくこと。これがとても重要になります。また、営業活動において、すべてのシーンで用意しておくべきものでもあります。

すべての話術の基本は「あらかじめ応対の内容を準備しておくこと」がセオリーです。売れないホステスは場当たり的に話をするので困ることが増えますが、売れるホステスは脳内シミュレーションで事前に予測して会話をします。

たとえば質問だと「お家はどこなの?」「彼氏いるの?」「昼間は何してるの?」「どうしてこの仕事してるの?」など、あなたがよく尋ねられることに対して、トークの台本を用意しておきましょう。

ネガティブな発言に対しては、切り返しと切り替えのトーク台本を用意します。この場合に重要なのは『相手が何を言ったか』ではなく『この問題の本質はどこか』です。

これらをシミュレーションし、できれば誰かとディスカッションしてブラッシュアップし、現場でのトークに落とし込んでいきましょう。

まとめ

  • 人を動かすには応酬話法が効果的
  • 応酬話法=切り返し・切り替えのテクニック
  • 「〇〇しない前提」の人に「〇〇すべき理由」を見出す

 

応酬話法の切り返しテクニックは、別名『論破』とも言います。相手の発言そのものから出る『買わない理由』に対し「でもこういうときは〇〇ですよね」と次々に論破していくやり方です(私はこちらが得意です笑)。

応酬話法の切り替えテクニックは、別名『すり替え』とも言います。話しの論点をすり替えることで『買わない理由』から『買うべき理由』を見出していくやり方です。

実は、売れないホステスさんは、応酬話法の切り替えが大の得意です。『やるべき理由』というアクティブな情報からネガティブな『やらない理由』を見出し、発信していくのが抜群にうまいんですよね。

何をどう言おうと『やらない理由』をどんな角度からでも出せる。さらには相手が「もういいよやらなくて」と行動を変えるまでそれを続けられるパワーもある。すごいテクニックですよね(笑)

何十年もその思考&話法でやってきてるので、年季入ってますからね。ある意味では応酬話法のプロと言えるかもしれません。それがうまく使えたら売れるのに・・・といつも思いますw

 

ホステスの心得

 

ホステス専門アドバイザー秋好玲那(管理人)

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ホステス歴15年、年商1億の元No.1ホステス。ママ、オーナーママを経て、コンサル歴15年目に突入。家庭には恵まれませんでしたが、社会に出てたくさんの人に恵...

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