コミュニケーションにおける品格と教養とは

こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
質の高い良客をつかむには、様々な要素が必要です。ターゲットとする層によっては学歴が必要になることもあるでしょうし、職歴が役に立つこともあるでしょう。その層と付き合えるだけの収入資産が必要なときもあります。
でもそういったものは今すぐどうこうできる問題でもないし、今さらどうにもならない・・・といった点も出てきますよね。そんなとき、それらを埋めてくれるものが品格と教養です。これからでも十分に磨くことができます。
人とのコミュニケーション内において、品格や強要とは何か?を知っておくとスムーズに磨いていけます。まずは知ることから始めましょう。
この記事の目次
これからの社会を生き抜くための能力
これからの社会は、どんどん階層化が進んでいきます。階層化とは、簡単に言えばピラミッドのような構造のことです。
先ほども挙げた学歴、収入、資産などで考えると、想像しやすいと思います。母体に対して数の少ない高所得層は高い場所に、数の多い低所得層は低い位置になりますよね。
こうした社会で生き抜くためには、3つの能力が必須だと言われています。
柔軟性
時代はめまぐるしく変化しています。ネット業界では、今通用しているスキルが1年後には通用しなくなるというのがセオリーです。早ければ半年で使えなくなります。日々勉強してアップデートしていくことが必須です。
水商売も同じで、独立出店したお店は3ヶ月単位で入れ替わります。つまり、あなたがもし今独立してお店を持っても、最短3ヶ月で潰れる可能性のほうが高いということです。
そんな中で生き抜くためには、やり方や考え方に固執しない柔軟性が必須になります。必要に応じて今までのやり方を応用する、または今までのやり方を捨てて新しいやり方を取り入れる、といったことが重要です。
柔軟性に欠ける人は、これからの時代は取り残されていきます。
言語化能力
言語化は自分の考えを伝えるために必要なスキルです。今まで日本には『察する』という高い文化能力がありました。でもこれからは違います。
インターネットの普及と比例して、人は考えることをどんどんやめてしまいました。ネットを開けば答えが簡単に見つかるため、考える必要がなくなったわけです。
これも階層化のひとつですね。考える人が高層階から情報を与え、考えることをやめた人々が情報に溺れる。現実にそうなっています。ピラミッドの高層階へ行くには、言語化スキルを磨く以外にありません。
自分の考えを言語化できない人は、これからの時代は仕事を獲得することすら難しくなるでしょう。
品格と教養
最後に、品格と教養もとても重要なスキルです。これもピラミッドに置き換えられます。ただ、かなり抽象的ですよね。品格と教養が伴った人とはどういう人ですか?と尋ねると、おそらく個々でバラバラの意見になると思います。
そこで、今回はこの部分について深く掘り下げていくことにします。
コミュニケーションにおける品格と教養とは
品格と教養を人柄として表すと、
- 一緒にいて楽しい人
- 一緒にいて心地よい人
ということになります。言い換えれば、楽しく心地よい時間を提供(与えて)くれる人のことです。あなたはどうですか?当てはまっていますか?当てはまらない、自信がないのであれば、品格と教養に欠けているかもしれません。
ホステスが陥る品格と教養の勘違い
売れないホステスほど外見ばかりを気にしますよね。これは品格と教養の一部ではありますが、あくまでも一部にすぎません。
ヘアセットで髪を整え、それなりのドレスや着物を身につけ、手入れされた靴を履き、姿勢よく丁寧な言葉遣いを心がけ・・・こうしたことは、ある程度のクラブホステスなら当たり前にやっていることでしょう。
確かにそれは『その場の雰囲気を作り出すための大事なひとつの手段』であることは事実です。でも、繰り返しますが、あくまでも『ひとつの手段』に過ぎません。それだけでは、お客様と良いコミュニケーションは取れません。
本当に必要な品格と教養とは
コミュニケーションにおける品格と教養とは、
- 身だしなみを整える
- 教養や知識を磨く
- 豊富な話題を蓄える
- 論理を持って会話をする
この4つがそろって初めて発揮されます。売れないホステスはあれこれ見て知識ばかりインプットして勉強したつもりになって満足し、あとは見た目にこだわりますが、それでは足りません。教養・話題・論理が足りません。
教養とは『知識が身についていること』を言います。
たとえばあなたがこのサイトを読み込んで暗記していたとしても、実際にあなたがその知識を使いこなせていないのであれば、それはただの知識にすぎません。『知ってるよ』と『できるよ』は雲泥の差があります。
自分勝手な受身ホステスの品格と教養は低階層
あなたは誰のために、何の目的で、身だしなみを整えるのでしょうか。自分のためですか?自分が着たい服を着て、自分がしたいヘアメイクをして、自分が履きたい靴を履いて、自分がどう見られるかを気にしているでしょうか。
もしそうであるなら、あなたは誰かに服装を指摘されたら傷ついて落ち込むことになるでしょう。なぜなら、あなたは『自分のため』に『自分が称賛されることを目的』として身だしなみを整えているからです。
とすると、コミュニケーションでも同じことをするはずです。
自分が話したいことを話し、自分が聞きたいことを聞き、自分が受け取りたいように受け取り、自分が好かれるかどうかを気にする。そして相手が自分の想定する言動を取らなかったら、落ち込んだり怒ったりするでしょう。
なぜならあなたは『自分のため』に『自分が認められることを目的』としてコミュニケーションを取っているからです。そして残念なことに、そんなことをしている内は、低階層から抜け出せません。
身だしなみは相手のため
身だしなみを整えるのは、あなたがどう見られるか以上に、相手のためです。相手に対するあなたの気持ちを表現するのが、身だしなみです。
自分が綺麗なドレスを着たいから。自分が楽な服装をしたいから。自分がそういう気分だから。相手のことを考えずに『俺流』『私流』を貫く人もいるでしょう。
その状況に合わせて『常識的』あるいは『無難』な服装を選び、自分が浮かないように・・・と考えるタイプの『俺流』『私流』もいますよね。どちらにしても『自分』が軸です。
でも品格と教養を兼ね備えた人は違います。自分がどんな服装で行けば相手が喜ぶか、心地よく過ごしてもらえるか、相手が恥をかかないか・・・などを考えます。その上で個性を出す。
その結果、常識的な格好に収まることもあります。でもそれは『自分がこの格好をしたいから』でもなければ『自分が浮かないように』でもありません。考えた結果、それがもっとも相手のためだと判断したからです。
教養や知識を磨くのは相手のため
教養や知識を磨くのも、自分のためではありません。相手のためです。相手に楽しんでもらえるよう、相手に心地よくストレスなく過ごしてもらえるよう、教養と知識を高めるのです。
自分が物知りだと思われたいから。自分ができる人間だと思われたいから。自分が褒められたいから。そんな理由で教養や知識は磨けません。つまらないので続きません。
品格と教養を兼ね備えた人は、相手のコミュニケーションコストを下げるために教養と知識を磨き続けるのです。このレベルではこの人と対等に話すができない、と思えば勉強し、トレーニングを積みます。
豊富な話題を蓄えるのは相手のため
こちらも、自分が会話に困らないために話題豊富になろうとするわけではありません。話題豊富でも、会話に困るときは困ります。それは、自分が蓄えている話題の中に相手が興味を持つものがないとき、です。
自分が会話に困るから。自分が沈黙が怖いから。自分が気に入られたいから。自分が話題豊富だと褒められたいから。そんな理由で豊富な話題をストックしていくことなどできません。興味のない話題は記憶から消えていきます。
品格と教養を兼ね備えた人は、相手の関心事に関心を持っています。この話題について語らえるようになれば、相手が喜ぶと分かっているからです。だからこそ話題をストックしていけるのです。
論理を持って会話をするのは相手のため
感情論で話をして喜ばしく思う人、心地よいと感じる人はほとんどいません。いるとしたら、心理士やカウンセラーなど、メンタルケアを生業としている人で、仕事として対峙している場合でしょう。
コミュニケーションコストの高い人は、とにかく感情的です。ちょっとしたことで怒りを爆発させたり、邪推をして勝手に傷ついたりと忙しい。それはすべて『自分』を軸に人と対峙しているからです。
怒るなとは言いません。傷つくなとも言いません。怒ってもいいし、傷ついて落ち込んで泣いてもいいのです。ときには恋人に感情をぶつけてもいいし、感情的になって初めて言えることもあるでしょう。
でも、品格と教養を兼ね備えた人は、いつでもどこでも素の自分で感情を露呈させたりはしません。仮に腹に据えかねることが起きても、論理を持って交渉に当たります。感情論では相手が受け取りにくいからです。
また、何かを説明するときにも、論理を持って解説します。そのほうが相手にとっても分かりやすく、コミュニケーションコストが下がるからです。
まとめ
- 品格と教養は4つの条件がそろって初めて成立する
- 見た目や知識ばかり取り組んでも品格や教養は身につかない
- 品格と教養を兼ね備えた人はすべて「相手」が行動の軸
ここまで書いておいて何ですが、人間は誰しもエゴイストです。自分が嬉しくないことは、誰しもやりません。
『相手のため』と散々書いてきましたが、品格や教養を兼ね備えた人は『相手が喜ぶと私が嬉しいからやる』という順番で動くということです。
売れないホステスは『自分が喜べたら相手のために動ける』という順番で動くので、コミュニケーションがうまくいかず、品格や教養に欠ける人間性のままになってしまうのですね。
でもこの順番を逆にできたら、品格や教養が育っていきます。そして人は、自分のために尽くしてくれる人、心地よい時間をくれる人が好きですので、人に好かれるようになります。
ホステスの心得