努力を楽しめるターゲティング方法
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
あなたのターゲットは、どんなお客様ですか?いま、あなたについているお客様は、あなたを幸せにしてくれる方々でしょうか。
もし「NO」であれば、ぜひターゲティングをしていただきたいと思います。
ただし、ターゲティングだけを行うと、どうしても『こんな人存在するのか?』と言いたくなるような理想の人を掲げがちになります。
そうではなく、もっと具体的に現実に落とし込んで、
- ターゲティングの基本
- ターゲティングのやり方
- 実際の顧客層とターゲティング層のギャップ
を丁寧にやっていきましょう。
ここで頭に入れておいてほしいことは、やりたいことと異なることをやろうとすると、必然的にすべての努力が苦痛に感じるということです。
それは誰でも同じです。たとえあなたが相当な努力家であっても、です。そこで私が推進しているのは「努力を楽しめる道を探す」というやり方。
私のコンサルはすべて『何ができるのか×何を得たいのか』が軸です。これまでお話ししてきたブランディングも、すべてこれが軸になっています。
というわけで、本記事でご紹介するターゲティングも、あなたが楽しんで努力に取り組める道を探すためのものです。ぜひ実践してくださいね。
この記事の目次
ターゲティングの基本
ターゲティングとは、
- あなたという商品にお金を払ってくれる人
- あなたという商品に価値を感じてくれる人
- あなたが顧客にしたい人
を絞り込んでいくことです。この時点で『あなたの理想とするお客様ではない』ということは分かりますよね。
たとえば、あなたが掲げたターゲット像が『触らない』『金払いがいい』とかなら、それはただの理想論です。そうではなく、
- あなたという商品に価値を感じてくれる人はどういう人か
- あなたという商品に価値を感じてくれる人はどんな暮らしをしているか
- あなたという商品に価値を感じてくれる人はどんな環境にいるか
などを具体的に洗い出していくことがターゲティングになります。ちょっと分かりづらいと思うので、カンタンに他業種で説明しますね。
ファミリーカーのターゲット=家族がいる人
あなたがディーラーに勤める営業マンだったとして、300万円ファミリーカーを売るとしたら、誰に売りますか?
おそらくほとんどの人が『子どもを持つ世帯』に売ろうとするはずです。たとえば、以下のような人です。
- 結婚して5年目
- 4歳の男児が1人、もうすぐ赤ちゃんが生まれる(4人家族になる)
- 休日には家族で出かけることが多い
- お父さんは30代後半、野球が趣味で早朝野球をやっている(家族以外も複数乗せる機会がある/道具を乗せる)
- 一旦買い換えたらしばらく乗り換える気はない
- 現在の車は軽自動車、下取り70万前後の見込
- 夫婦世帯年収は450万円(延べ37.5万)
下取りに出せば230万円で買えますよ。家族でお出かけするならサービスでナビとチャイルドシートつけますよ。
ボーナスなし頭金なしで月々4万円弱、10年は乗れるし、この広さならお子さんが大きくなっても大丈夫ですよ。
・・・といった感じで売ることになります。
間違っても独身・インドアタイプ・独りが大好き・趣味はゲーム・通勤は自転車といったターゲットにファミリーカーは勧めないはずです。
勧めても確実に売れません。これがターゲティングです。
ホステスは商品ありきのターゲティング
もちろん企業の場合はもっと綿密にターゲティングをしてから商品開発・生産に入ります。順番としては、
- ブランディング
- ターゲティング
- 市場調査
- 商品企画
- 商品開発
- 生産
- 販売
です(1~3は入れ替わることがあります)。
ホステスの場合は、すでに商品がある状態ですよね。なので、ホステスは商品ありきのターゲティングになります。というか、そのほうが楽です。
どうしても、と言う人は、
- ターゲティング(理想の人)
- (理想の人に合わせた)ブランディング
- 商品企画
- 商品開発
- 市場調査
- 販売
としてもいいのですが、かなり大変です。相当の努力と野心が必要になるので、ほとんど実現不可能です。
というわけで、まだブランディングをしていないホステスさんは、まずしっかりブランディングをしてください。
ブランディングが終わったら、いよいよターゲティングに入ります。
ターゲティングのやり方
ここでも、まずは私を例にやり方を解説します。
『タイプ別の簡易ブランディング法』でも書いたように、私は「カウンセラーもできる秘書&参謀タイプ」です。そして、ブランディングの結果は以下です。
- お客様を管理できる/手間を省ける(記憶力・管理能力)
- ハッキリと意見を言える(言語化)
- 察知能力が高い(数値化不可部分の分析力・言語化力・予測・リスクマネジメント力)
- どんなに話がそれても元の会話に戻せる(記憶力・会話スキル)
これをカンタンにターゲティングに置き換えると、
- 管理してほしい人
- 手間を省きたい人
- 自分にない考えを取り入れたい人
- 自分ではカバーしきれない部分を誰かに委ねたい人
- 話を戻せない人
- 接待が多い/部下と飲みに出ることが多い人
- よく飲みに出る人
などになります。「私は〇〇を解決できる」「私は〇〇で役に立てる」をそのまま「〇〇してほしい人」に置き換えていけばいいだけなので、シンプルですね。
そうすると、必然的に一定以上の役職に就いている人になり、年齢もある程度決まってきます。
その地位にいる人が『自立していない』ということは考えにくいので、経済的にも精神的にも一定の自立心が根付いていることになります。
また『よく飲みに出る』の時点で、家庭よりも仕事や付き合いが優勢であることも分かりますよね。
かつ、それだけ飲みに出る経済的余裕、または予算的余裕を持った人であることも分かります。そこから年収を打ち出せることも。
【例】カウンセラータイプホステスのケース
では、私とは違う例で考えてみます。私の知る限りではカウンセラータイプのホステスが多いので、それを軸に考えてみましょう。
以下のようにブランディングをしたとします。
- 私はお客様の「分かってほしい」を解決できる
- 私はお客様の「誰にも言えない胸の内を引き出せる」ことで役立てる
- 私はお客様の「言葉にならない思いを言語化できる」ことで役立てる
これをそのまま裏返すと、以下のようなターゲティングになります。
- 誰にも分かってもらえない何かを抱えている人
- 誰にも言えずにいる何かを抱えている人
- 言語化が苦手、感情表現が不器用な人
- 人になかなか心を開けない人
この場合、年齢幅はかなり広くなります。そういうときには『飲みに出ることが可能な程度の収入』を持った人に絞り込みます。
ここは、働いているお店のメイン客層を参考にしてもいいですね。好きな年齢層・得意な年齢層でもOK。
次に、この状態の人が友達や仕事仲間と頻繁に飲みに出るかを考えた場合、どちらかといえば個人または2人などの少人数である可能性のほうが高いですよね。
人と群れることを好まない人のほうが、割合としては多いでしょう。
性格的には控え目、おとなしめ、真面目、何かあると考えこんだり、1人で抱え込んだりしがちなタイプだと思います。
話しているとどこか壁を感じる・・・といった感覚を覚えるかもしれません。
会話はテンポよく話すというよりも、ポツポツと語らう会話を好む傾向にあると思います。
話しているときは相手の目を見るよりも伏し目がち、下を向いたりグラスを見たりしているはずです。
表情は、誰かお連れ様と一緒のときにはにこにこ笑顔で楽しそうかもしれませんが、1人で来たときには少し読みづらいタイプだと思われます。
悪く言えば裏表がある、よく言えば相手によって見せる部分を分けているでしょう。
・・・というように、ターゲティングから見えてきた人が具体的にどういう人かを想像し、探っていきます。
もし身近にそういう人がいるなら、その人をターゲティングモデルにしてもいいですね。
ターゲティングした内容をもとに具体的モデルを打ち出す
ターゲティングの土台ができたら、具体的に1人の人物像を作り上げる作業に入ります。
が、ここで注意してほしいのは、あなたが理想とする顧客の偶像をねじ込まないこと。あくまでもターゲティングした内容を土台に進めます。
身近に当てはまる人物がいる場合は、その人をモデルに書き出しましょう。書き出すのは、最低でも以下の項目です。
- モデル仮名(モデルになる人物がいるならその人の名前)
- 年齢
- 職業(業種でも可)
- 役職(社内評価でも可)
- 年収(月収や予算でも可)
- 家族構成
- 性格・人柄
- 趣味嗜好
- 生活スタイル
- 抱えている問題・悩み
- 何によくお金を使っているか/経済概念
- 簡単な育成歴
例として、私(カウンセラーもできる秘書タイプ)のターゲティングとカウンセラータイプのターゲティングをもとに、モデルを書き出してみます。
この2つは、実際に私の顧客をモデルにしました。こうして書き出してみると、その人が何を求めているか、何となく分かりませんか?
私の秘書タイプターゲティングだと、今まで自分を管理してくれていた奥様の代わり・寂しさを埋めてくれる人がほしい。
たとえば、寂しいから夜な夜な飲み歩いている自分に「明日早いから帰りなさい」と言ってくれるような人。
カウンセラータイプターゲティングだと、仕事人間で生きてきた背景や本当の自分を分かってくれる人がほしい。
たとえば、部下や会社のためを思ってやっているのにうまくいかないもどかしさを分かってくれるような人。
これが分かると、具体的に何をすればいいかも見えてきますよね。
実際の顧客層とターゲティング層のギャップ
最後に、今回ターゲティングしたモデルと、現実の顧客を比較してチェックしてみましょう。
もしもターゲティングしたモデルと現在の顧客が遠くかけ離れているのであれば、
- ブランディングが間違っている
- 自分の得意分野をアピールできていない
- 現在働いているお店(市場)に需要がない
大抵はこの3つのどれかです。
ブランディングが間違っている
ブランディングが間違っている場合、ターゲティングも曲がります。
こうなる理由は、ブランディング時点で「できていること」ではなく「これができたらいいなと思うこと」を書いている可能性があります。
本当は秘書タイプなのに、
と思って「お客様の心に寄り添うことで役立てる」みたいなことを書くと、当然ターゲティングも心に問題を抱えている人がモデルになりますよね。
そうすると、現実にはいろいろ物理的なお世話をすることで喜ぶ顧客が集まっているはずなので、ターゲティングモデルとギャップが生じます。
じゃあ、どうするか。
ひとつは、ブランディングを見直すことです。「できるようになったらいいな」ではなく「できていること」でブランディングをし直しましょう。
そうすると本来の自分に沿った仕事ができるので、楽になります。
もうひとつは、ブランディングに自分を合わせること。こちらはちょっと大変です。
顧客を入れ替えていく必要も出てくるし、自分が得意ではない分野の勉強とトレーニングが必要になります。少し時間もかかります。
どちらでも、自分の「得たい結果」に沿ったほうを選んでください。
自分らしくいたいならやり直したほうがいいし、チャレンジしたいならブランディングに合わせるのも良いです。
自分の得意分野をアピールできていない
ブランディングが本来の自分に沿っているにもかかわらず、自分をアピールできないとなると、他の部分に問題があるということになります。
ひとつは、単純に自分のアピールポイントを知らなかったという場合。こちらは、
と思いがちですが、実際の顧客とターゲティングモデルにギャップがある以上、顧客の入れ替えをする必要性が出てきます。つまり、少し時間がかかってしまうということです。
もうひとつは、あなた自身がアピールすることに抵抗があるという場合。たとえば、
- 自分に自信がない
- (まだ何もやってないのに)それをやったところで意味があるのか
などとごちゃごちゃ考えて行動に移せないとか、アピールによってターゲット外の人が離れていくのが怖いとか。
特に、色恋目的の顧客に囲まれているホステスさんに多いです。
今の顧客に自分を合わせて自己犠牲を払っているのがデフォルトである上に、現状維持型思考なので新たな行動が取れないため、アピールできません。
ここはもうノウハウではどうにもなりませんので、メンタル改善してからノウハウに取り組んでください。
実行できるメンタルがない人は、ノウハウを知っても何も変わりません。厳しいようですが、それが現実です。
現在働いているお店(市場)に需要がない
たとえば、あなたが現在働いているお店が、ガチガチの色恋店だったとします。
そのお店で、あなたのブランディングが色恋ではなく、かつターゲティングモデルが色恋を求める人物でない場合などは、どんなにがんばっても無意味です。
売れません。
言い換えるなら、フレンチレストランの敷地内で、フレンチを食べたくて集まっている人に対し、必死にお寿司を売ろうとしているようなものです。
売れたとしても雀の涙程度ですよ、フレンチが食べたいわけですからね。
お寿司売りたいなら、和食を食べたい人が集まっている和食店で販売しましょうよ!となりますよね。
- フレンチスタイルのお寿司を開発するぜ!
- 新境地を開くぜ!
という野心があるなら止めませんが、日本らしいお寿司を提供したいなら確実に和食フィールドに立ったほうが、単純に売れる見込みが立つじゃないですか。
というわけで、移籍をお勧めします。つまり、マーケットを変えるということです。
ブランディングやターゲティングに適したお店を探して、そこで働きましょう。
マーケットを変える場合、今のお店よりランクが下がったり、逆に上がったりする可能性もあります。
下手すると地域性も関わりますね。その地域に需要のないブランディング・ターゲティングなら、引越も視野に入れましょう。
まとめ
- ターゲティング=理想のお客様ではない!
- ターゲティング=提供するものに価値を感じる人物像の洗い出し
- ターゲティングモデルと実際の顧客にギャップがあるなら見直しを!
ブランディング、ターゲティングと進めてきましたが、これらを総称してマーケティングと呼びます。マーケティングから始める場合は、
- 現在のお店にどんな需要があるか
- その需要に対し、どんな商品を開発すれば売れるか
を考えて、そのお店で売れるホステスになるためのブランディング&ターゲティングをしていきます。
たとえば今のお店が色恋どっぷり店だったなら、需要は色恋できる女性、開発すべきは色恋のエキスパートです。
今回私がお伝えしている方法は、マーケットに自分を合わせるのではなく、自分を生かせるマーケットを探すというやり方です。
だからこそ、ブランディング→ターゲティングの順番になります。
ターゲティングが終わるころには、やるべきこと、足りないことが以前よりもグッと明確になっているはずです。がんばって取り組んでくださいね!
ホステスの心得