苦手な人、嫌いな人の話を聴く「基本の心構え」
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
元SMAPの中居さんは、名司会者としても活躍されていますね。
「嫌いな人や苦手な人のときはどうする?」というインタビューを受けたとき、彼はこう答えていました。
「この人とは合うな」という人、「好きだな」という人を作らないようにしてる。それができると、合わない人、嫌いな人、苦手な人ができてしまう。
自分を常にフラットな状態に保つために『合う』『好き』という人を作らない。
すばらしいですね、その心得が現在の活躍に結びついているのでしょう。ファンでも何でもありませんが、その姿勢は学ぶところが多いと感じます。
捉え方を間違えると苦痛になる
コンサルで、こんなセリフを耳にすることがあります。
あなたは、お友だちか彼氏を作るつもりでお店にいるのですか?と言いたくなります。
【私に合う人】を探すのですか?【お客様に合わせる】のが仕事なのでは?
そういうセリフが出るということは、ハナから『相手に合わせる気もない』ですよね。
自分は変わらずに、自分に合うお客様や自分に合わせてくれるお客様を探しているだけで、自分はお客様に合わせるつもりはない、と。・・・と言うと、
と言うのが定番なのですが、大前提として『相手は変わらない』んですよね。ましてや、お客様を教育する術を持たないホステスには、変えられないのです。
私たちの周りには、いろんな人がいますよね。ちょっとしたことでキレたり、機嫌が悪くなるお客様。
無口で何を考えているのかわからない、話しても何が言いたいのかわからないような、意思疎通がむずかしいお姉さんやママ。
自分のことばかりしゃべって、人の話は1ミクロンも聴かない、同僚ホステス。話を聴いているようで聴いてない、キレイゴトばかり並べる黒服。
誰にでも「合わないなー」と感じる人、苦手だなと思うタイプの人はいるものです。そういう相手の話を聴かなければならないときは、確かに負担ですよね。
では、どうして負担に感じるかというと。実はこれ、「相手に興味を持ちなさい」という意味を勘違いしている人ほど、ストレスになるんです。
「相手に興味を持ちなさい」とは、「好きになりなさい」とか「理解しなさい」とか「受け入れなさい」ということではありません。
そういうふうに捉えると、一気にストレスが倍増します。共通点がひとつも見当たらない人だって、この世にはいるのです。
それなのに、必死に「理解しよう」とか「好きになろう」とか考えて、必死に共通点を探して、必死にプラスに受け入れようとする。だから、疲れるのです。
『全力で悪いお手本』になってくれる人
活字にすると、猛烈にカンジワルイのですが、勇気を出してハッキリ書きます。好きだな、すごいなと思う人に興味を持つときは、
- どうしてそういう考えができるのかな
- たくさん得ることがありそうだから、もっと話を聴きたいな
と思ってますよね。その人の思考や知識、生い立ちなどに興味があるからです。
それと真逆で、苦手だな、キライだな、合わないなと思う人に興味を持つときも、『その人の内面や思考の成り立ち』に興味を持てばいいのです。
- どうしたらこんなイヤなヤツに仕上がるんだろう?
- どんな人生を送ったらこんな人間に育つんだろう?
- どういう環境にいたらこんな無礼者に仕上がるんだろう?
みたいな。そういう視点で興味を持って話を聴くと、苦手意識が少し和らぎます。
理解しなくていいし、好きになれなくていいし、受け入れなくていいんです。
そう思えればOK、あとは自分がそうならなければいいだけなんです。
その人、人生をかけて『悪いお手本』になってくれてるんですよ。自分の持ってるリソースのすべてを費やして、
- こんな人とは付き合っちゃいけない
- こんな人間にはなっちゃいけない
- こんな人間に好かれるようなホステスになっちゃいけない
って、あなたに全力で教えてくれてるんですよ、すごくないですか?
そういう捉え方で、今まで少し避けていた人と、思い切って話してみましょう。最終的に、「うん、やっぱこの人嫌いだわ!」と思ってもいいんです。
キライだから話さない、苦手だから避ける、これをまず克服しましょう。どんな人でも、必ず得るものがあります。
少なくとも、「こういう人とは付き合いたくない」という明確なラインづくりには、大いに役立ってくれるはずです。
それも、自分の価値観を確立させるためには必要なことですよね。
上記の「どうしてこんなふうになるんだろう?」という視点で、相手の考えを聴いてみてください。きっと、発見がありますよ。
気が合わない、嫌い、苦手、だから話さない。
そうすることはとてもカンタンで、気の合う人とだけ接していればイヤな思いもしないし、傷付くこともありません。
でも、それははっきり言って、損です。少なくとも、
- 自己成長
- 自己発見
- 自己確立
など、さまざまなチャンスを自ら手放していることになるので、そういう意味でとても損なのですね。
フラットに物事を捉える
たとえば、コンサルに申し込んでくださって、たった一度話しただけで「合わないから」とやめてしまうホステスさんがいます。
もちろん、やめるのは自由なので、何ら問題はありません。たしかに私も『私の商品はあなたには適さないので』とお断りすることがあります。
ただ「もったいないな」とは思います。
私はホステスでしたが、いろんな方とお話して、いろんな角度からさまざまなことを吸収してきました。
業種が違うから、やり方が違うから、そんなことで【この人の話に価値がない】とか【合わない】と判断したことはありません。
むしろ、違うからこそ学びになること、気付くこと、たくさんありました。
実際、私に一番強い影響をもたらしてくれたのは、営業マンのお客様方で、ホステスではありません。
また、【合わない】と思う原因は、生き方や考え方が異なるからですよね。つまり、生きてきた文化が違うわけです。
そういう人の話を聴いていると「なるほど」と思うことがたくさんあります。良い意味でも、悪い意味でも。
合わないから話さない、はカンタンだけど、マイナスもない分、プラスもない。
話してみて、自分とは違う価値観を垣間見て、学びや気付きを得て、それからお付き合いの仕方を考えても遅くはないですよね?
自分とは違う環境で生きて、自分とは違う価値観を持っている人だから、今までにないものを見せてくれることがあります。
『合わないヤツ=間違ったこと、私が嫌がることしか言わない人』とは限りません。
極端に言えば、言い方が悪いだけで、言っている内容は「なるほど」という意見かもしれないのです。
また、あなたの先入観が邪魔をして、その人が何を言ってもあなた自身が受け入れる気がないだけかもしれません。
こういう人だろうな。こういう人かな?こういう人かも?
そういう予測を立てることは、相手への接し方を決める上で役立ちますし、必要です。
でも、それが先入観や決め付け、固定概念になってしまったら、関係性を築けないだけでなく、あなた自身も損をしてしまいます。
フラットになることは、我慢して相手に合わせることではありません。フラットになるということは、
- 感情を混ぜずに、客観的に物事を見る
- 先入観を持たずに、ありのままを見る
という状態で、ひとことでいえば『冷静で客観的な姿勢』ですね。
まとめ
思い切って、少し苦手な人や嫌いだと思っている人に、近づいてみましょう。
「なるほど、そういう考えがあるんだな」とわかるまで、聞き上手になって、会話してみてください。
好きにならなくていいし、理解できなくていいし、仲良くなろうとしなくていいのです。
ただ、その裏にどんな価値観や考え方があるのかを探ってみるだけです。
ただし、本当に危険な人には近づかないでくださいね!少し苦手だな~と思っている人に留めましょう。
今まで避けていた相手と近づこうとしてみた、それだけでも、あなたにとっては大きな一歩になると思いますよ!
ホステスの心得