住宅迷子のホステスに贈る!賃貸マンション探し
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
私には、家がありませんでした。
『ヒストリー』にもあるように、親族からさまざまな暴力を受け、16歳で自立したからです。
家族を捨てて社会に出たものの、未成年の私には、屋根のある暮らしをすること自体が困難でした。そこで、寮のある職場を探しました。
そう。私は、ホステスになろうと思って水商売を選んだわけではないのです。『寮がある職場』がたまたま水商売だったのです(笑)
移籍する度に、お店の寮に入ったり、彼氏の家に転がり込んだりしていました。
そんな私が初めて賃貸マンション契約をしたのは、24歳のとき。
『人に依存した生き方をやめたい。ちゃんと自立したい。そのために全力で仕事をしよう』と決めたときです。
当時の私がどう考えて賃貸物件を決めたか、体験談を交えてお話しします。
この記事の目次
賃貸契約費用
まずは、費用です。賃貸マンション契約をするにあたって、
- 敷金
- 礼金
- 前家賃
- 仲介手数料
- 火災保険料
- 保証料
- 引っ越し費用
上記7つの費用がかかります。
『家賃』の基本的な考え方
一般的には、お給料の3分の1が目安と言われますが、ホステスの場合は少し注意が必要です。
仮に、額面が60万円だったとします。そうすると、一般的な考えを軸にすれば、家賃は20万円の予算になりますよね。
でも、ホステスは個人事業主。かなり出費の多い職業です。
60万円から、所得税や福利厚生費などが引かれるので、手取りはだいたい50~55万円くらい(お店による)。
そこから衣装代、美容院代、交通費、贈答品などの経費がかかってきます。
仮に手取り収入が50万円の場合だと、30%は15万円です。でも、実際に15万円の物件に住むと、経費が出せなくなる可能性大です。
ですので、堅実的に考えると、10万円前後、またはそれ以下の物件を探すことになります。
高級クラブに入店できなかった場合、日当平均は1.5~2万円になります。額面で言えば30~40万円、手取りは25~35万円くらい。
10万円以上の物件だと、生活自体、または経費面がかなり厳しくなります。つまり、
『求人に書かれてある日当や時給、スカウトが提示する金額だけで家賃予算を見積もってはいけない』
ということです。これをしっかり念頭に置いておいてください。
敷金
敷金とは、修繕費用として大家さん(管理会社)に事前に預けるお金です。
『家賃×〇ヶ月分』という計算で、最近では『敷金1ヶ月分』という物件も多いですね。
仮に毎月の家賃が5万円で、敷金が1ヶ月分なら、5万円を大家さんに預けることになります。
ほとんどの賃貸マンションは、解約時の原状回復が大前提。
つまり『借りた(入居した)ときと同じ状態で部屋を返してください』というルールがあります。
原状回復ができない場合に、前もって預けていた敷金が修繕費用として当てられます。たとえば、
- 物をぶつけて壁紙が一部剥がれた
- ペットがドアを引っ搔いて小さな傷がついた
などです。もしも、預けていた敷金以上に修繕費がかかった場合は、別途で請求されます。
が、家賃滞納もなくきれいに使って、原状回復した状態で解約すれば、全額戻ってくることが大前提です。
原状回復や修繕費については、契約時によく確認するようにしましょう。
礼金
礼金とは、大家さんに「部屋を貸してくれてありがとう~」という意味で渡すお金のことです。
こちらも、敷金同様『家賃×〇ヶ月』という形で表記されています。目安としては、家賃1ヶ月分です。
最近では礼金なしの物件も多いので、初期費用を抑えたい場合は、礼金なしの物件で検討するといいでしょう。
前家賃
敷金とは別に、前家賃というものが発生します。
たとえば、家賃が5万円の物件を、3月1日に契約したとします。4月1日に入居&家賃支払日が25日だった場合、1ヶ月分の5万円+税が前家賃です。
3月15日から入居したい場合は、半月分+1ヶ月分+税を支払います。
これはどの物件でも同じなので、仮に敷金1ヶ月分&礼金ナシだと、この時点で10~10.25万円+税が必要になります。
仲介手数料
ほとんどの人は、管理会社や不動産会社を通して、物件を探し、賃貸契約をすることになります。
そうすると、必然的に発生するのは『仲介手数料』です。
敷金や礼金は貸主によって変動しますが、仲介手数料だけは、『家賃1ヶ月分以上取ってはいけない』という法律があります。
基本的にはどこも『家賃1ヶ月分』となっていますが、
- 入居者に優しい
- 空き物件が多い
- どうしてもその物件に人を入れたい
などの場合、担当者の一存で「0.5ヶ月分でいいですよ」とか「消費税はおまけします」とか言ってくれます。
私が契約した不動産会社も、0.5ヶ月分にしてくれました。
火災保険料
賃貸契約をするときに、必ず入らなくてはならないのが、火災保険です。火災はもちろん、水漏れトラブルなどをカバーしてくれる、大切な保険です。
金額は、
- 利用する会社
- 部屋の広さ
- 保障の範囲
などによって変わりますが、1人暮らしならだいたい1~2万円くらいです。
ほとんどの人は、不動産会社や管理会社が案内する保険会社で契約をしていると思います。私も、管理会社から案内される保険会社に加入してきました。
もちろん、個人で選んだ火災保険に加入してもOKです。その場合、火災保険加入証明書の提出を求められるので、保険会社に出してもらってください。
最近は、どの地域であっても、火災保険にプラスして、地震保険に加入するかどうかも尋ねられます。
地震の少ない地域だとしても、地震保険にも加入しておいたほうがいいと個人的に思います。
保証料
保証料は、家賃保証会社を利用する場合にのみ、必要になります。
家賃保証会社は、万が一にもあなたが家賃を払えなくなった場合に、家賃を払ってくれる会社です。
連帯保証人がいる場合は、連帯保証人に家賃保証会社を利用しないケースもあります。あなたが家賃を払えなくなっても、連帯保証人に請求可能だからです。
ただ、連帯保証人に請求しても支払ってもらえない、連絡がつかないというケースも増えてきました。
そのため、現在では家賃保証会社を入れることが多くなっています。費用としては、『家賃+共益費×0.5~1ヶ月分』が目安です。
礼金と同じで、保証料も返ってこないので、しっかり覚えておきましょう。
引越し費用
最後に、引越し費用がかかります。引越しにかかる具体的な金額は、
- 距離
- 荷物の量
- 時期
によって大幅に変わるので、数社から見積もりを取りましょう。
私の経験上、確かにシーズンオフは見積もり時点でかなり安かったです。
また、数社から見積もりを取ると伝えると、その安い金額からさらに値引きしてくれます。が、
- いますぐ決めてくれたら値引き〇万円
- 今週中に決めてくれたら値引き〇万円
など、結構詰めてくるので、気が弱い方だと断れないと思います。特に、ひとり暮らしの女性となると、強気に出る業者がいても不思議ではないです。
そこで、気が弱い方は事前に、「父が引越費用を出すので、父と相談してからお返事します」など、男性の存在を示すようにするといいと思います。
その他
敷金、礼金、前家賃、仲介手数料、火災保険、保証料、引越し費用の他に、
- かぎの交換
- 害虫駆除
- 消臭
などが別途で発生することもあります。私の場合、害虫駆除や消臭の費用は取られたことはありませんが、かぎの交換料はほとんどの物件で発生しました。
賃貸契約そのものにかかる費用は、『家賃の5ヶ月分くらい』と思っておくといいでしょう。多めに見積もって、6ヶ月分ほど見ておくと安心ですね。
初めてのひとり暮らしだと、上記に加えて家具や家電製品の購入費がかかります。
私の場合、家具と家電製品をそろえるだけで50万円くらいかかりました。家具にこだわりたい人はもっとかかると思っていてください(汗)
通勤手段
次に考えたいのは、通勤のことです。いくら家賃が安いからといって、通勤に1時間以上かかるような距離に住むと、帰りが大変です。
あまりにも遠いと、タクシーで帰らなければならなくなったときが地獄です。
アフターでタクシー代が出るならまだしも、タクシー代をくれないお姉さんやお客様に当たると、もはや悲劇通り越して絶望です。
ですので、通勤手段をしっかり頭に入れた物件探しをしましょう。
『通勤費用』の基本的な考え方
最悪はタクシー代手出しで帰ることを考えて、許容できる範囲で物件を選びましょう。
本気でホステス業を・・・と思うと、本当に忙しいので、遠くに住むと負担です。できれば、タクシーで15分以内の範囲に住みましょう。通勤手段としては、
- 電車
- バス
- 自家用車
- タクシー
の4つがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、簡単に理解しておきましょう。
電車
都心部に住んでいる場合、移動手段はほぼ電車になります。メリットとしては、
- 本数が多い
- 遅延が少ない
- 終電が遅い
といった感じでしょうか。
「終電までの勤務OK」というお店も多く、そういう意味でも電車通勤を選ぶホステスさんが増えましたね。デメリットは、
- 天候不良や整備不良で止まる
- 満員電車だとストレスが溜まる
- 痴漢に遭う可能性がある
などでしょうか。終電で帰る場合、酔っぱらいのオジサンに絡まれる可能性もあります。
また、毎日の電車代に加え、送り代やタクシー代がかかるのは、懐的に痛いですね。
バス
バス通勤をしているホステスさんは、割合としてはかなり少ないと思います。バス通勤のメリットは、
- 目的地付近まで行ってくれる
- 居住地に選択肢が増える
- 遅れても必死にアピールすれば乗せてくれる(こともある)
といったところ。一番のメリットは、バス停があればOKなので、駅から離れた安い物件を選ぶことができます。
駅チカの物件は、どうしても高くなりがちですしね。バス通勤のデメリットとしては、
- 時間通りに来ない
- 本数が少ない
- 最終便が早い
この3つ。バス通勤の場合、最終便で帰るというのはむずかしくなり、必然的に帰りは送りに乗るか、タクシーになります。
こちらも、毎日のバス代に加え、送り代やタクシー代がかかります。いくらバス停が近くても、お店から距離がありすぎると、帰りが大変です。
自家用車
都心部ではなかなか少数派だと思いますが、郊外や地方では車通勤のホステスさんも多くなりますね。メリットは、
- 時刻表に縛られない
- ひとりの時間を楽しめる
- 融通が利く
といった『自由度』だと思います。
私は20代前半~半ばまで、自分の車で通っていました。好きな音楽をかけたり、帰りにフラッとドライブしたり、とても楽しかったです。デメリットは、
- 渋滞にハマると最悪
- 交通事故の可能性
- 飲酒は絶対にNG
の3つ。車通勤だと言っているのに、「いいじゃん、ちょっとくらい」と、このご時世においてもお酒をすすめてくるお店やお客様がいるので、要注意です。
飲んだら乗るな、乗るなら飲むな!!
車通勤をする以上、「絶対に飲まない」と徹底するようにしましょう。
タクシー
1~2メーター付近に住んでいれば、新人でもタクシー通勤するホステスさんも多くなります。タクシー通勤のメリットは、
- 悪天候でもほぼ歩かなくていい
- 電話しながらでもいい
- 寝ててもいい
などで、最大のメリットは「雨でも歩かなくていい」という点ですね。これは、かなりの高得点ポイントです。デメリットは、
- 料金が高い
- よくしゃべる運転手さんだとしんどい
- 事故や渋滞に遭うと動けない
でしょうか。売れないうちは料金の高さが一番のネックだと思います。
私も、25歳からはずっとタクシー通勤で、まさにお店から2メーターくらいの距離に住んでいました。
月にかかっていたタクシー代は、3~4万円くらいだったと記憶しています。
水商売OK/NG物件
いまでは水商売可の物件も増えましたが、一般の職業に比べると、ハードルが高いのは否めません。
まだまだ『水商売不可』の物件は多くあります。その理由としては、
上記の5つで、一般の方々よりもトラブルになる可能性が高いからです。
仮に、トラブルを起こさない人であっても『水商売』とわかるや否や、断られることもしばしば。
不動産会社や大家さんは、ひとりひとりの人格を丁寧に見て契約を結ぶわけではないので、しょうがないですね。
法人格を所有するお店であれば、わざわざ水商売だと言わなくても『飲食業』で契約は可能になると思います。
法人格がないお店だと、勤務先名で水商売だとバレるので、最初から言っておいたほうがいいですね。
真っ当にプロとしてやっていこうと思っているなら、最初から水商売OKの物件を探したほうがいいです。
お店を先に決める場合は、お店が寮を保有していることもあるので、お店に相談してみてもいいですね。最初だけはシェアハウスを選ぶ、という人もいます。
いずれにしても、後でトラブルになると、急遽引越しなど無駄な出費が増えます。その点を踏まえて探す&暮らすようにしましょう。
まとめ
ホステスが賃貸マンションを探すポイントとしては、
- 賃貸契約費用
- 通勤手段
- 水商売可の物件
この3つを頭に入れておくといいでしょう。
妥協点は人それぞれ。遠くても好みの部屋や安い物件に住みたい人もいれば、多少古くても近いほうがいいという人もいます。私は、
「とにかく、お店の近くに住みたい!」
「移動時間がムダ!!」
と思うので、お店から徒歩10分圏内と決めていました。
あなたにも、譲れない条件があると思います。その条件を中心に、良い物件と出会えるよう祈っています!
ホステスの心得