「お客様をがっかりさせない」は基本、でも本当にその意味、理解できてる?

こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
接客業に関わらず「お客様をがっかりさせない」という理念は、ビジネスを行う上で普遍的なものです。
特に人間関係そのものが生業であるホステスは、信頼を裏切ると何も残りません。
が、残念なことに、基本の「がっかりさせない」を理解しているホステスはおそろしいほど少ないのが現実。
そこで今回は「がっかり」の本質について、じっくり考えてみましょう。
この記事の目次
「がっかりする」の正体とは
そもそもなぜ人は「がっかりする」のでしょうか。がっかりするとは、どんな心境なのでしょう。
「がっかり」の意味は?実はこんなにあるのにほとんどは・・・
心境を理解するために、心理学よりも分かりやすい辞書に頼りましょう。
- 事が思いどおりにいかず、気落ちしたさま。「試験に落ちて-する」
- 疲れて元気をなくしたさま。がっくり。「 -と俄に草臥(くたび)れた様に覚える/斑鳩物語 虚子」
- 「がっくり② 」に同じ。「 -首を抜いてクン〱睡つて居る/南小泉村 青果」
- 残念だ、悔しい、などの意味の表現。
- 失望などにより緊張が緩み元気を無くす様子。
あなたが「がっかりした」という表現を使うとき、おそらく1か4が多いのではないかと思います。
たとえば、大好きな彼氏にデートをドタキャンされてがっかりしたときは、まさに1ですよね。
たとえば、大好きな彼氏にデートをドタキャンされてがっかりしたときは、まさに1ですよね。
誰かに必死で何かを伝えたり教えたりしたのに、何ひとつ伝わらなかった、受け取ってもらえなかったというときは、2でしょう。これらの感情を表すなら、
- がんばって損した(無駄なことをした)
- 楽しみにしてた分萎える(凹む)
- アテにしてた分焦る(凹む)
- 自分が雑に扱われた気がする
- なんで?なにが悪かったの?って感じ
などが当てはまるかな、と思います。なぜ思い通りにいかないのか、ここにがっかりしてることが大半かと。
させてはいけない「がっかり」と応えなくていい「がっかり」がある!
では、お客様はどうでしょうか。私たちの言う「お客様をがっかりさせてはいけない」というのは、どの意味だと思いますか?
失望などにより緊張が緩み、元気を無くす様子。これです、失望させてはいけないということです。
思い通りにいかずがっかりすることと、失望(期待外れでがっかりすること)は似ているようで大きく違います。
ここが最大のポイントで、大きな誤解や無駄な悩みに繋がります。ここからは、言葉そのものの意味ではなく、言葉の持つメッセージ性で解説していきます。
させてはいけない「がっかり」とは
先述したように、させてはいけない「がっかり」とは、失望させてはいけないということです。
失望という言葉の意味そのものは「希望を失う」や「期待はずれ」ですが、
信頼
というメッセージ性が含まれます。たとえば、
- 「この店なら1人でも飲める」と思ったのに、1人で行くと放置される時間が長くなってきた
- 「この子なら安心して接待を任せられる」と思ったのに、大事な商談の席で泥酔して取引先に迷惑をかけた
- 「このママならぼったくらない」と思ったのに、親しくなると勝手にシャンパン抜いたりするようになった
など、お客様は一目置いて期待をかけ、信じてくださって、あなたもそれをわかっていたのに、そこを裏切るという状態が「失望」なわけです。
ここでがっかりさせてしまったら、取り戻すことはほぼ不可能。ホステスに限らずとも、どんなビジネスであってもアウト!という状態が「失望」です。
どんなに努めても起こり得ることではありますが、全力で防止に励まなくてはなりません。
応えなくていい「がっかり」とは
一方、応えなくていい「がっかり」とは、相手の過度な期待に応えられない果を背負う必要はない、ということ。
「思い通りにいかずがっかりする」という言葉のメッセージ性には、
ワタシ(オレ)の
言う通りにしろ!!
というメッセージ性が含まれます。たとえば、
- 来店したんだから当然アフターにも行くと思ってたのに、断られた(誘ってはない)
- ホステスは色恋が商売なのに、付き合ってくれない
- ヤラせてくれると思ったから通ったんだから、ヤラせないなら売掛は払わない
など、お客様が『勝手に過度な期待』を『一方的』に抱いていた、これに応えられないことにまで責任を感じなくていいということ。
応える必要もないし、応えられないあなたに何の責任もないし、応えないなら売掛払わないなんて、もはや脅迫です。
逆に、あなたが勝手に『このお客様は来店してくれる』と期待しても、お客様はそれに応える義務はないし、責められる所以もない。
色恋関係は分かりやすい例で、この類で地味にありがちなのは、人格などを決め付けられることですね。
「がっかり」を正しく捉えるための重要ポイント
そもそも人が人に寄せる「期待」とは、相手が勝手に「〇〇だろう」と思っていることに過ぎませんし、こんなレベルの期待は日常茶飯事です。
- こう言えば分かるだろう
- これくらいできるだろう
- これくらい許されるだろう
などなど、あなたも誰かに思ったことがあるはずだし、あなたも誰かに言われたことがあるはず。
この言葉にあなたが傷付いた過去があるように、あなたも誰かを同じように傷つけているわけです。まずはこれをしっかりと自覚してください。
相手の感情と脳みそは、あなたにはコントロールできない
ここでしっかり理解していただきたいことは、『相手ががっかりするかどうかは、あなたにはコントロールできない』ということ。
全力で必死にがんばっても、がっかりされるときはあります。
がっかりさせないように努力することはできるけど、実際にがっかりするかどうかは相手の問題です。
※「相手に問題がある」ではなく「相手が決めること」という意味です。
ホステスとして「お客様をがっかりさせない」ために
これを踏まえた上で、ホステスとして「がっかりさせない」「期待に応える」とは何か。
人としてあたりまえに
求められることを、
あたりまえにやること。
プロとしてあたりまえに
求められることを、
あたりまえにやること。
実際に何をやっているか、というと書ききれないのですが・・・本当に重要なポイントを3つに絞るなら、
- 自分という商品を高める努力を怠らない
- 仕事に私情を挟まず、常にお客様最優先
- 親しき仲、だからこそ礼儀あり
になります。細かいところでたとえれば、
- 約束は守る
- 仕事ではお客様が最優先
- 目の前の人に集中する
- 感情で仕事をしない
- 謙虚に、素直に
- 不平不満や愚痴の場には参加しない
- 自分の問題から逃げない
- 教養とマナーを身につける
- 女であることを武器や言い訳にしない
- 相手の気持ちを常に考える(従うかどうかは別)
- 今できることを精一杯やる
などを貫くだけでも、あなたの商品価値は格段に上がります。9割のホステスはできないから(笑)
お客様がホステスにがっかりするときは
お客様がホステスに対してがっかりするときって、「人としてどうなのよ」という事態になったときです。
お客様は、自分が特別な存在であることを求めます。人として大切にされていないと思うと、男女の関係を求めるようになります。
お客様として大切にされたいのではないのです。まずは「人として大切にされたい」のです。
「お客様として大切にされたい」は、そのあとです。ここを履き違えないようにしましょう。
人として特別に扱われている、と感じてもらえたら、好みの女でも簡単には口説きません。
簡単に関係が終わってしまうのが惜しくて、気軽に口説けません。あたりまえのことをあたりまえにできる。これをまず徹底しましょう。
ホステスの心得