コミュニケーションスキルと会話スキルと対人スキルの違い
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
- コミュニケーションスキル
- 会話スキル
- 対人スキル
あなたはこの違い、分かりますか?この3つがごちゃ混ぜになっているホステスさん、多いですよね。
それぞれ全然違う能力なのですが、すべて『会話スキル』に集約されていることが多いです。というわけで本記事では、
- コミュニケーションスキルと会話スキルと対人スキルの違い
- ホステスに必要なスキルとは?
についてお話しします。
以前に「そこのあなた!「コミュ力」を誤解してますよ!」という記事でも、コミュニケーション能力について触れています。
まだ読んでない方は、先にそちらを読んでから本記事を読み進めてくださいね。
コミュニケーションの練習をしたい方は、「コミュニケーションの練習は「人を見極めるフレーム」から」を読んでみてください。
コミュニケーションスキルとは
改めて「コミュニケーションスキル」をざっくり一言で表すと、『気が利くかどうか』です。
これは対人関係だけでなく、ビジネスをスムーズに行う上で非常に重要なスキルになります。
コミュニケーションスキルと会話スキルはまったくの別物!
『コミュニケーションスキル=会話スキル』のように、2つを混合したり同一視すると、対人関係やビジネス(または業務上)でトラブルの原因になります。
これを分かっていないホステスが多すぎるのですね。たとえば『笑顔で相手の話を聞く』は、会話スキルのひとつです。でも、業務上では違う意味を持ちます。
相手が仕事の話をしているときに、あなたが笑顔で話を聞いていると、「この人は快く受け取ってくれた」と捉え、仕事を任せる方向で考えます。
あなたはただ単に『コミュニケーションを取っているつもり』だったとしても、です。いざ断ろうとすると断りづらい空気になっていたり、
「あんなにニコニコ聞いてたのに!?」
と相手にマイナスのギャップを与えて、関係性に混乱が生じます。そして相手は、あなたに仕事を任せることを不安に思うようになります。
「何を考えているのか分からない人」というレッテルの原因にすらなりますね。こういったことを踏まえて、
- 今はビジネスとして話をしているのだから、こういう反応をした(しない)ほうがいい
- 今は関係性を深めるための会話だから、こういう対応をした(しない)ほうがいい
- 相手は〇〇を求めているから××した(しない)ほうがいい
など、互いの発信・受信の中で「どうすればスムーズに進むか」に機転を利かせられること。これがコミュニケーションスキルです。
会話スキルとは
会話スキルを一言で表すと、会話をスムーズに進めることで互いの発信・受信レベルを確認するための技術です。
たとえば「相手の話にうなずく」も会話スキルのひとつで「聞いてますよ」という合図になります。
これは相手が発信していることを「ちゃんと受信できていますよ、安心して話してください」ということを示すためのスキルです。
相づちはとても重要なので、「相づちは効果大!会話下手でも使えるセリフ集」でも詳しく書いています。
でもコミュニケーションスキルが低いと、この「うなずく」すら使い分けができません。
ビジネスの場において笑顔で頷いていると「聞いてますよ」を通り越して「理解しました」「承りました」という合図になることが多々あります。
話を「聞いていて」その上で質問もなく話に異論もないのであれば「話の内容を承諾した」と取られても仕方ないですよね。
そして残念なことに、会話スキルとして頻繁に出てくる「オウム返し」は、会話スキルを磨きたがる人ほど、肝心な場面ではやりません。
「明日仕事なんだ」と言われたら「明日お仕事なんですね」と返すくせに、ビジネスとして指示を受けたり約束を交わすときには、言われたことを復唱することなく「分かりました」だけで片付けて『分かったつもり』で行動する。
だから、ミスが増える。「明日10時に集合」と言われたときこそ「10時ですね、分かりました」とオウム返ししろよ!と思いますね。
お互いの理解度の確認にもなるし、噛み合わない返事をしたとしても、その場で直せます。このように、
- トラブルを回避する
- 互いの発信受信内容(=理解度)を確認
- 今話していることがきちんとゴールにたどり着くようサポートする
これが会話スキルです。
会話スキルを磨くには
会話スキルの中で重要なのは、何を話すか?ではありません。
相手が言っていることをきちんと理解できるか、相手がスムーズに話せるかなど、相手にとってコミュニケーションコストがかからないことが大切です。
コミュニケーションコストとは、コミュニケーションを取る上で生じる負担(ストレス)のことです。
「頭が悪いホステスとお金払って会話する必要ある?」でも書いたように、コミュニケーションコストが大きいと、会話自体が苦痛になってしまいます。
会話を上達させたいなら、まずは自分のコミュニケーションコストを知り、受け入れ、改善していきましょう。
対人スキルとは
対人スキルを一言で表すと、他者と良好な関係を築き、それを維持していくためのスキルです。
ここが一番ピンとこない部分だと思うので、先に具体例を挙げます。
- コミュニケーションスキル(気が利く)
- 交渉スキル
- 推進スキル(向上心)
- プレゼンスキル
- 動機付けスキル
- ヒアリングスキル
- リーダーシップスキル
この7つのスキルをすべて含めたものが「対人スキル」です。コミュニケーション自体は、発信と受信ができれば誰にでもできます。
耳が聞こえなくても、単に『音というツールでは受信できない』というだけで、筆記等で受信可能ですよね。
コミュニケーションスキルだけを磨くなら、非言語を汲んで予測分析すればいい。
会話も誰でもできます、会話スキルを上げたければ「この会話のゴール」の理解度を上げ、それをサポートできるようになればいい。
でも対人スキルは違います。そして多くの人が言う「コミュニケーション能力を上げたい」というのは、この対人スキルのことです。
かつ、ビジネスにおいてもっとも重要なスキル。
仮にあなたにコミュニケーションスキルがあり、会話スキルがあったとしても、推進力や交渉力、プレゼン力、動機付け、リーダーシップがなければ対人スキルは低いということです。
それはつまり、一時的な関係性は築けるけれど、その関係を維持していくことがむずかしい、ということ。
対人スキルを磨くには、あなた自身が成長しなければなりません。ここに抵抗がある人は、良好な関係を維持することが困難です。
日ごろ使っている言葉で言えば、誰かが何かしてくれることを待って常に受け身で常に指示待ちの人は、対人スキルがないということになります。
まとめ
- コミュニケーションスキル=機転を働かせるスキル
- 会話スキル=ゴール達成をサポートするスキル
- 対人スキル=良好な関係性を維持するスキル
『そこのあなた!「コミュ力」を誤解してますよ!』でも書いたように、会話を磨いて上達するのは「会話」です。
会話をどれだけ訓練しようと、対人スキルは上がりません。そして世間に求められる能力は、会話スキルではなく対人スキルです。
心の交流に重要なスキルも、対人スキル。対人スキルを磨くには、人と接する以外にありません。
ホステスの心得