お店のせいでノルマ達成できなかったのに罰金は納得いかない!
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
先月の上旬に、2日間のイベントで『最低本指名2組呼ぶノルマ』を課されました。
ですが、初日にフリー客で席が埋まってしまい、本指名のお客様が入れない状況になりました。
2日目は、なんとか1組来てくれましたが、それで罰金をひかれることに納得いきません。
「タイミングだから仕方ない」とも考えましたが「お店のせいなのに」とも思ってしまいます。こういう場合も想定して仕事に取り組んだ方が良かったですか?
ご質問ありがとうございます。
もちろんです。たとえば超売れっ子がそこに1人いれば、その子の顧客で席がほぼ埋まってしまうことになります。
フリー・指名関係なく、またどのお店でも、常にそういう可能性はあるということです。
事前確約で席の確保ができなかった以上、お店は当然席を埋めようとしますので、やはりリスクマネージメント不足でしょう。
来るか来ないか、何時に来るのか分からない人のために空席を作るのがあたりまえになると、今度はあなたたちへのお給料が払えなくなってしまいますからね。
気持ちは重々理解しますが、「私の取り組みが悪かった」と捉えたほうが利口だし、もう少し俯瞰して物事を見られるといいですね。
何をどう言っても、結果がすべての世界です。「お店が悪い」と考えても何も変わらない上に、また同じことが起きます。
『私』しか変えられないので、『私』が考え方を変えて取り組み方を変えましょう。
ノルマや罰金というリスクについて
厳しいことを言うようですが。
質問者様は新人さんとのことですが、認識が甘いです。『キャストやホステスは1人1人が事業主=経営者』ですから、経営視点を持たなければなりません。
経営者の目で見れば、空席を作っておくことのリスクは、誰でも分かるはずです。
お店の経費は、人件費のパーセンテージが太く、特にキャバクラはキャスト数を多く抱えなければならないため、クラブよりも経費がかさみます。仮に、
- 50名キャパでマンツー徹底のお店
- ワンセット6,000円飲み放題
- 営業時間は6時間
- キャスト平均時給4,000円×6時間=日当2.4万円
- 50名出勤
- その他黒服・ボーイが15名出勤
だとしたら、満席1回転で、最低30万円の収益。満席で5回転させても、赤字です。家賃などの経費が出ません。
それでもあなたが経営者なら、『新人ががんばって呼んでくれるかもしれない2~3名』のために、席を空けておいてあげられますか?
確実に空けてほしかったら、予約を取らなければなりません。ここが、質問者様の甘さです。想定して取り組んだほうが良かった、まさにその通りです。
「タイミングだから仕方ない」という罰金への心理
「すっぱい葡萄」理論をご存知でしょうか。
食べたい葡萄がどうしても手に入らないきつねが「あれはきっと酸っぱいに違いない」と考えることであきらめる
というイソップ童話のひとつで、フロイトが防衛機制・合理化の例としたことから名づけられた、学習心理学のひとつです。
この心理はストレスを緩和・回避でき、健全なメンタルバランスを取り戻せるため、正しく使えば非常に効果のある手法です。
質問者様はまさに「すっぱい葡萄」理論を用いて、
『払いたくない罰金を強制的に取られるという現実に対し、「タイミングだから仕方ない」という合理化を図ることでストレス回避しようとした』
わけですね。これであきらめて、次に意識を向けられる。・・・はずだったのに、そうできなかった。なぜでしょうね?こういう心理に陥る人はかなり多いです。
「お店のせいなのに」と思ってしまう心理
『すっぱい葡萄理論』がうまくいかなかった理由は、こちらにあります。
お店のせいなのにと思ってしまう
これが、質問者様の本心ですよね。では、この心理が湧き上がる原因は何か?ずばり、損失回避の法則です。
質問者様は、合理化するスキルを持ち合わせている方なのだと見受けられます。でも、根底には、
- 私は悪くないと思いたい
- プロセスを認めてほしい
- 損をしたくない
などの価値観があり、何とか『損(お金や努力が失われること)を回避したい』という気持ちが働いているからです。
仮に「罰金は取らない」となれば、質問者様の『すっぱい葡萄理論』は適用され、
と思えたでしょう。でも、お店のルールや損益は度外視されています。
もし、他の事案でお店がルールを守らず、質問者様が損をした場合、質問者様はきっと言うはずです。
と。このように、人は無意識に『自分が損をすること』に敏感で、かつ『損をすること』から逃れようとするのです。
まとめ
- 経営者視点を持ちリスクマネージメントする
- すっぱい葡萄理論は正しく使えば効果的
- 人は誰でも『損』から逃れようとするもの
質問者様が感じた「納得いかない!」という気持ち、とてもよく分かります。
でもね、売れっ子になると、もーーっと納得いかないことがあるんですよ(笑)私も数え切れないほどそういう経験をしたし、その度に葛藤しました。
そのときに燃え尽きてしまわなかったのは、こうしたひとつひとつの葛藤を『これは自分の問題だ』と捉え、真正面から向き合ってきたおかげだと思います。
事実、そうすることでさまざまなことがうまくいくように(動かせるように)なりました。
質問者様の気持ちが分かるからこそ、ここは受け入れてくださるといいなあ・・・という期待値と応援を込めて!
ホステスの心得