【完全版】ヘルプホステスの心得
こんにちは。ホステス専門コンサルタントの秋好玲那です。→目次はこちら^^
ホステスになって、最初にやることは、ヘルプ業務です。売上が立つまでは、ずっとだれかのヘルプにつくことになります。
ホステスデビューする前から人脈があって、売上を立てられるのであれば別ですが、そんな人は稀ですよね。
あなたもヘルプからスタートしたはずですし、いまもヘルプにつくことがあると思います。そこで、ヘルプ業務に関する心得を、徹底的に書き出してみました。
この記事の目次
ヘルプホステスは売上ホステスの陰の力
ヘルプホステスは、売上ホステスやママの陰の力(縁の下の力持ち、裏方)となり、売上ホステスやママの補佐役として働きます。
と考えてこの世界に入ってきたかもしれませんが、ホステスである以上、ヘルプの間は下積み期間と同じ。
なので、顧客を持っている売上ホステスやママの指示に従って、仕事をしなければなりません。ただ、一般の業務と違い、
- 売上ホステスやママの指示に従わなくてはならない
- 売上ホステスやママから見て盗み、自分で考えて仕事をしなければならない
と、相反した中で業務をこなさなければならないため、悩みや迷いが多く出てしまうのも現実です。
そこで、まずは基本的な『ヘルプホステスの心得』のポイントを押さえておきましょう。
信頼を得る
仕事はチームワークで進むため、お店の中の人間関係はとても重要です。お客様にだけ好かれればいい、という問題ではありません。
黒服に好かれなければお席にも着けないし、売上ホステスやママに嫌われたらリクエストももらえません。
つまり、顧客獲得のチャンスさえ手にできないのです。
逆に、売上ホステスやママに頼りにされれば、リクエストが増え、お席に着く機会や顧客獲得のチャンスが増えます。
そのためにも、裏方の役割を十分に果たすようにしましょう。
手を煩わせない
お席に着いてお相手するのは、
- 売上ホステスのお客様
- ママのお客様
- 黒服のお客様
- お店のお客様
などが中心になります。つまり、自客(自分の顧客)ではなく、他客(他人の顧客)です。
なので、お客様について知らないこと、わからないことが多いとは思いますが、必要以上に売上ホステスやママなどの手を煩わせてはいけません。
売上ホステスやママたちには、さまざまな仕事があり、忙しいので、あなたのお世話まではしてくれません。
状況をよく見て、自分がどうすればいいかを察知し、売上ホステスやママの手間をなるべく省けるように考えて、日常業務をこなしましょう。
そうすることで、あなたがいると助かると認識され、お席に着くチャンスも増えていきます。
雑用も仕事のうち
売上ホステスやママは忙しいので、いろんな仕事をあなたに頼みます。私も、いろんなことをヘルプの女性に頼みました。その中には、
そんなふうに思う仕事もあると思います。私も、何度もそう思いました。
でも、考えてみてください。あなたはいま、お客様を持っていないし、お客様を呼べません。つまり、売上を上げることができないのです。
あなたのお給料は、あなたが稼いでいるわけではなく、売上ホステスやママが稼いでいるのです。
それをよくよく頭に置いて、こまごまとした雑用的な仕事も、自分の仕事だと心得ておいてください。
ちなみに、私の右腕的ヘルプホステスは、私に荷物ひとつ持たせないような女性でした。
合理的に仕事を進める
ホステスの仕事は、一言で表せば「お客様のお相手」ですが、その実務は多岐にわたります。
直接お客様と接していない時間でも、贈物の準備や食事処の手配など、業務はたくさんあるのです。
そのため、思い付きや気分で行動したり、管理不行き届きの状態をつくったりすると、あっという間に仕事がたまってしまいます。
そうならないよう、日常業務を効率よく処理するために、合理的に仕事を進めましょう。合理的とは、
- 無駄がない
- 一定の時間内に仕事を終わらせる(捗らせる)
ことを言います。この「無駄」の中には、あなたの行動だけでなく、感情や思考も含まれています。たとえば、お客様に営業LINEをしている最中に、
- 昨日の出来事を思い出して考え込む
- ふと見たお客様からの返信文に意識が囚われる
- 文章がうまく書けず「私はダメだ」と自責が始まる
などが起きると、営業LINEを進める手が止まってしまいますよね。
行動、思考、感情、時間、その他あらゆる面で、合理的に仕事を進められるように工夫しましょう。
最後までやる
くり返しますが、ヘルプホステスは、自分でお給料を稼ぎ出すことができません。あなたのお給料は、売上ホステスやママの売上で成り立っています。
ですので、仕事はきちっと最後までやりましょう。これは、あなたが売上ホステスとして売れていく上でも、非常に重要なポイントです。
たとえば、アフターに行くのなら、よほどのことがない限りは途中で帰らず、最後までいたほうがいいです。もっと具体的に言うなら、
- 担当が「帰ろう」と言ったとき
- 担当が「先に帰っていいよ」と言ったとき
- お客様が「帰ろう」と言ったとき
以外は帰らないほうがいい、ということです。そうすることで、あなたの仕事ぶりが評価され、リクエストの可能性が増えていきます。ただし、私はアフターを推進していないし、毎晩アフターでは身体を壊してしまうので、
- アフターの少ない担当
- アフターの切り上げがうまい担当
- アフターの途中で帰してくれる担当
などに気に入られるよう、がんばりましょう。
意向に沿った仕事をする
売上ホステスやママなど、顧客を持っている人は、その人なりの仕事の進め方、仕事への価値観があります。営業ひとつにしても、
- マメに連絡する人・適度に連絡する人
- お礼状を書く人・書かない人
- お中元などを出す人・出さない人
- 贈り物にお金をかける人・かけない人
など、いろいろあります。基本的には全部やるのが前提ですが、最終的には担当の意向に沿って仕事をしましょう。
「お手紙は出さないで」「贈り物はしないで」と言われたら出さないなど、担当の意向に沿って仕事をしましょう。報連相に関しても、
- 細部にわたり、報連相してほしい人
- 問題がない限り、報連相はいらない人
に分かれます。私は問題がない限り報連相不要なタイプだったので、事細かに言われると、手間を取られるので煩わしかったです。
担当ホステスの指示・命令に従う
ヘルプホステスは、自分の立場や役割を理解しながら、売上ホステスやママ、黒服など、さまざまな人の指示・命令に従って働くことになります。
そのため、「あの人はこう言う、この人はこう言う、どうしたらいいのか」と悩むことも多くあると思います。
でも、基本的なことを押さえておけば、問題の50%は解決します。そこで、「基本のき」を頭に叩き込んでおきましょう。
確実に行い、報告する
ホステス以前に、仕事としてあたりまえのことなのですが、指示された仕事は、確実に行いましょう。
中途半端に手を付けて放置したり、自分の気分でやったりやらなかったりするのは、論外です。
売れないホステスにもっとも多いのは、自分の思い込みで突き進んでいくことです。
あなたにはまだ経験がなく、業界だけでなくお客様に対する知識もなく、わからないことだらけのはずです。
そのため、自分の狭い世界観の中で突き進んでしまうと、大きなトラブルにつながるかもしれません。
ですので、わからないことをわからないままにせず確認し、売上ホステスやママの意向・意図を汲んで、正確に仕事を行うようにしてください。
また、完了したときには、きちんと報告しましょう。「報告がない!」と裏でキレている売上ホステスは、意外と多いです。
意向に沿った仕事をする
先述したように、売上ホステスやママは、それぞれの仕事のスタイルがあり、仕事に対する考え方も異なります。
ヘルプホステスは少し大変だとは思いますが、
- お客様の意向
- 担当の意向
- お店の意向
と、3つの意向を汲んで仕事をしなければなりません。ときには、お客様・担当・お店の意向がバラバラなときもあります。
どうしたらいいんだろう・・・と悩むことになると思いますが、基本的には、担当の意向を優先しましょう。
なぜなら、何かあったときにあなたやお客様のフォローをしてくれるのは、担当だからです。どうしても判断に迷うときは、担当に直接、
と相談しましょう。
守秘義務と節度を守る
どんな仕事であっても、業務上知り得たことに関しては、守秘義務があります。守秘義務とは、一定の職業や職務に従事する人・従事していた人に課される、
- 職務上知った秘密を守るべきこと
- 個人情報を開示しないこと
という意味です。法律に定められているのは公務員や医師、教員、士業などで、ホステスが守秘義務を怠っても法的な守秘義務違反にはなりません。
でも、個人情報保護法には抵触しますし、プライバシー侵害や名誉棄損に当たる可能性は大いにあります。なぜなら、私たちは、
- お客様の個人情報(企業名、部署名、役職、電話番号、住所など)
- お客様のプライバシー(家族構成、スケジュール、交友関係など)
を知り得る立場にあるからです。
お客様を守るためにも、売上ホステスやママとお客様との信頼を壊さないためにも、守秘義務を守り、節度を持って仕事に取り組みましょう。
担当同士を比べない
ヘルプホステスは、さまざまなお席に着くことになります。そして、各席は、売上ホステスやママのお客様です。
- A席は、Bママのお客様
- C席は、D子さんのお客様
- E席は、F美さんのお客様
というように、担当がバラバラです。そこで、品のないホステスは、各担当を比べて、不平不満を持ちます。
などなど。気持ちはわかります、売れないころの私もそう思っていました。
でも、何度も言うように、担当には担当の意向があり、担当の仕事方針があります。
担当同士を比較せず、1日も早くそれぞれの担当のやり方に慣れることが重要です。そして、各担当を理解するように努めましょう。
いつも明るい態度で
ヘルプホステスの明るい態度は、お客様だけでなく、周りのホステスや黒服にも好印象を与えます。
それだけでなく、あなたが明るく振る舞っているだけで、周りの人間関係を円滑にできるのです。
何もできないヘルプホステスだと思っているかもしれませんが、それは違います。
あなたの明るさは、あなたにリクエストをくれる売上ホステスやママにとって、お客様との関係性を築く上での潤滑油なのです。そのことに誇りを持って、
- 笑顔を忘れない
- 心身ともに常に健康を心がける
この2点を死守しましょう。
笑顔を忘れない
まず、常に笑顔でいることです。
「笑顔であることの重要性」でも書いたように、人を外見で判断してはいけないと言いますが、残念ながら、人は外見で判断する生き物です。
また、相手が笑顔で接してくれるだけで、人は安心し、警戒心がほぐれ、心を開きやすくなります。
仕事でストレスを感じる日もあれば、プライベートでイヤなことが起こるときもあります。
気分的に笑えない、人にやさしくできない、そう思うこともあるでしょう。
でも、ホステス業は仕事です。あなたのその日その場の気分で仕事をするのは、プロとは言えません。
ヘルプホステスは、自分で売上をつくれないのですから、せめて「いつでも笑顔でいること」を徹底しましょう。
「いますぐ売上をつくれ」と言われるよりも、各段にカンタンなはずです。
心身ともに常に健康を心がける
ヘルプホステスは、さまざまな要因で心身の健康を崩しがちです。しっかり自己管理をして、
- ストレスをためない
- 食事・睡眠・運動に気を配る
- 大きな心を育てる
上記の3つに重点を置いて、生活しましょう。
ストレスをためない
ホステス業は、ストレスの多い仕事です。それは、あなたがヘルプであっても、売上であっても、ママであっても、変わりません。
ストレスとどううまく付き合っていくかが、ホステスとしての成功にかかっていると言っても過言ではないでしょう。
また、ヘルプの間は、売上ホステスやママの売上からお給料が出ています。
ストレスで仕事に影響を与え、お客様の信頼を壊すようなことをすると、売上ホステスやママの顔を潰しかねません。
売上ホステスやママたちは、何年・何十年と苦労してお客様と関係性を築いています。
それを壊さないためにも、ストレスはため込まないようにしてください。
食事・睡眠・運動に気を配る
ホステスという仕事は、生活習慣が乱れがちです。
放っておくと、すぐに昼夜が逆転し、お肌や髪質、自律神経が大きく乱れます。アフターなどでしんどいかもしれませんが、
- 栄養バランスの良い食事
- 質の良い睡眠
- 適度な運動量
を習慣づけましょう。いまは栄養管理ができるアプリもあるので、食べたものを記録し、バランスを保ってください。
一番おろそかになるのは、運動です。筋肉量が落ちると太りやすくなり、運動量が減ると鬱になりやすくなります。
最低でも、250cal(筋トレ50分くらい)は消費するようにしましょう。
また、仕事上、満足のいく睡眠を取るのはむずかしいです。「睡眠時間」ではなく「睡眠の質」を重視してください。
大きな心を育てる
「ヘルプホステスとして」もそうですが、それ以上に、
- 売れっ子ホステスを目指すため
- 人生をより豊かに幸せにするため
にも、豊かで大きな心を持つことは、とても重要になります。心のあり方で、あなたの人生は180度変わると言っても過言ではありません。
でも、豊かで大きな心と言われても、抽象的で分かりにくいかもしれませんね。具体的に言えば、
- 人の言動をよく受け入れる
- 他者との違いを認められる
- 人が変わることに期待せず、自分が変わる
- 人は人、私は私と境界線を引ける
- 理解したことを受け流せる
などです。そのために今日からできることは、
- 自分が変わる努力をする
- 大切なもの(こと)に集中する
- 「現在」に集中する
- 「現在」の幸せをみつける
などがあります。
人間関係の潤滑油になる
ヘルプホステスは、売上ホステスやママとお客様の間に立ち、その関係をスムーズに保つ存在です。
ときには、売上ホステスやママと黒服の間に立つこともあります。それぞれの関係をスムーズに保つためには、
- 店内・店外で好ましい関係を築く
- 協調性を持って人と接する
- 何かあっても、冷静に機転を利かせた対応を心がける
- 親しくても悪口や噂話には乗らない
という心がけが重要です。
店内・店外で好ましい関係を築く
売れないホステスほど、「お客様の前でだけ、きちんとしていればいい」と考えがちです。なぜなら、ラクをしたいから。
でも、売れたいのであれば、「お客様以外の人」にもきちんと接して、好ましい関係を築きましょう。たとえば店内だと、
- 黒服
- キャッシャー
- クローク
- カウンター
- 同僚ホステス
- お姉さんホステス
- ママ
- お店に出入りする業者
など、さまざまな人があなたの周りにいるはずです。その全員が、あなたの成績を築くために欠かせない人たちであることを忘れないようにしてください。
店外では、
- コンビニの店員
- 宅配業者
- エステティシャン
- クリーニング店員
など、あなたの仕事を支えてくれている方々がいるはずです。その人たちに感謝の気持ちを持ちつつ、良い関係を築くようにしましょう。
協調性を持って人と接する
人と接するときは、協調性を持ちましょう。協調性とは、立場の違う者同士が互いに協力し合うことを言います。
たとえば、ヘルプホステスであるあなたとママは、立場が違います。もちろん、黒服やキャッシャー、クロークのスタッフも、あなたとは立場が違いますよね。
そういった異なる立場の人が集まっているのが、クラブです。ヘルプホステスであるあなたの視点だけで物を言うと、いろんな人が困ってしまいます。
逆に、あなた自身も、黒服の都合を押し付けられたり、ママのわがままを強要されたら困りますよね。そういうことにならないように、まずあなた自身が、
- 相手の立場に立って考える
- 相手の助けになる言動を取る
といったことを心がけてください。
冷静に機転を利かせた対応を心がける
夜の街では、さまざまなことが起こります。
水商売をしたことがない方からすれば、水商売は非日常である反面、非常識(が通用してしまう)な世界でもあるのです。
そのため、お店の中でも「えっ?」「は?」ということが、日常的に起きます。対応に困ることもたくさんあると思いますが、
- とにかく冷静に
- 臨機応変な対応を
- スピーディーに行うこと
を心がけましょう。つまり、機転を利かせるということです。たとえば、お店の中でトラブルが起きた際に、
- スムーズに解決できること
- その場の状況に合わせて柔軟に対応できること
が求められます。そのためにも、日ごろから隔たった考えや先入観にとらわれないよう、思考を柔軟にしておくことが重要です。
親しくても悪口や噂話には乗らない
会話が主になるホステス業は、自分が意図して聞かなくても、さまざまな話を耳にします。
お客様が同僚ホステスの悪口を言うこともあるし、本当かどうかもわからない噂話を流すこともあります。
具体的にどんな対応をすればいいのか困る場面も多いと思いますが、とにかく「親しくても絶対に悪口や噂話には乗らない」という心持ちでいましょう。
可能な限り、悪口や噂話の場から離れるようにしてください。たしかに、お客様のお席についている最中に離れることはむずかしいです。
でも、お店のスタッフ同士、ホステス同士の悪口や噂話なら、その場を離れることができます。
とにかく、店内でも店外でも、なるべく悪口や噂話を避けるようにしてください。
まとめ
かなり長文になりましたが、分けて書くとわかりづらいと思ったので、まとめて書きました。
「〇〇するといい」というノウハウをもらっても、これらの心得がないとノウハウを活かせないと思います。
実際、これまで見てきたコンサル生で、心持ちが整っていない子でノウハウを活かせた子を見たことがありません。
あなたはそんなことにならないよう、徹底的に本記事の心得を頭に叩き込んでおいてください。
また、ときどきでもいいので、くりかえし読んでいただくことを強くおすすめします。
仮に、あなたがベテランホステスであったとしても、本記事の内容は「仕事をする社会人として必須なこと」なので、忘れないようにしてくださいね。
ホステスの心得